SNH48上海東方衛星テレビ年越しライブの『恋するフォーチュンクッキー』はパクリではなく妥協の産物

SNH48が2013/12/31放送の上海東方衛星テレビ年越しライブ番組で、『新年快楽』ミックスバージョンの『恋するフォーチュンクッキー』を歌った件(下記の動画参照)。

2ちゃんねるでパクリだという短いスレッドが立っていた。完全な間違いというわけではないが、補足しておく。

この年越しライブは中国大陸の有名歌手・韓紅、台湾からはショウ・ルオ(羅志祥)が出演するほどの大型番組なので、基本、中国政府に気をつかっているテレビ局の経営層を刺激しないために「日本」は禁句だったと思われる。

過去、SNH48が上海東方衛星テレビで出演したバラエティー番組とは違う。

ただ、上海東方衛星テレビもSNH48の運営も、SNH48結成以来、考えていることは同じで、SNH48を上海発の儲かるコンテンツにすること。年越しライブという大型番組は、SNH48の知名度を上げる絶好のチャンスだ。

『新年快楽』という曲は下記の動画のように、台湾で日本の少年隊を真似て結成された男性グループ「小虎隊」と同じく台湾の女性グループ「憂歡派對」のデュエットによるヒット曲で、中国大陸でも新年ソングとして有名らしい。

SNH48が前座あつかいなのは最初から決まっていたとして、『新年快楽』だけを歌わせるのではSNH48を出演させる意味があまりない。何とかSNH48の曲をねじこみたい。ただAKB48楽曲であることを全面に打ち出すこともできない。

その結果、妥協案として『新年快楽』の途中に題名さえ出さずに『恋するフォーチュンクッキー(愛的幸運曲奇)』をしれっとはさむことになった。

ただ『恋するフォーチュンクッキー』のダンスは、日本のAKB48がオリジナルだと知っている人は中国大陸にほとんどいないので曲全体を通してそのまま使った。

以上のように考えるのが自然だろう。わざわざ日本から権利を購入し、すでにかなりの投資をしているSNH48を、まだ投資の回収もできないまま、日本の運営を怒らせてダメにするほどSNH48の運営会社はバカではない。

本当にパクリをやりたいなら、とっくに日本との権利関係を解消して独自運営にしているはずだろう。

以上、個人的な推測なので絶対に正しいと言うつもりはないが、こう考える方が経済合理性があると思う。SNH48運営会社はお役所ではなく営利企業だ。自ら投資を無駄にするようなヘタを打つはずがない、と考える方が合理的だろう。