SNH48対抗の中国アイドルグループ「1931」がやっぱり親韓抗日だった件

以前にもご紹介したが、SNH48に対抗して結成予定の中国大陸の「1931」というAKB48のニセモノ女性アイドルグループ。2014/04/15締切りで初期メンバー募集中だが、ネタとして面白い。

運営会社のぶち上げ具合

運営主体はニコニコ生放送に似た生放送サイト「YY」運営会社の「歓聚時代」で米NASDAQに上場している。

同社曰く、「YY」は中国最大のオンライン・パフォーマンス・プラットフォームで、YY娯楽と契約済みの歌手は62万人、エンタメコミュニティーは20万個、優秀なミュージシャンの月収は10万元を超え、金持ちのファンはそうしたアーティストに毎月10万元以上を費やしていると書いている。(2014/03/10 18:57の公式ツイート参照

上図のように「1931」の立ち上げに5億人民元(約80億円)を投資、台湾からプロデューサを招き、毎年48回を超えるライブを開催、2,500平方メートルの大型専属劇場を開設し、年間観客動員数150万人を目指すという、ものすごいぶち上げ方だ。


「1931」というグループ名の起源がネタバレ

ところで「1931」という名称の起源について運営会社の公式アカウントは、(1)定期公演を19:31開始にするから、(2)「要你閃耀(あなたが光り輝くように)」のもじりの2つのをあげている。

「要你閃耀」は中国語で「yao ni shan yao」だが、中国語では番号を読み上げるときに「1」を「yao」と発音するので「1931(yao jiu san yao)」と発音が似ている。ただ「你 ni」と「九 jiu」をかけるのは明らかに無理がある。

結局「1931ファン後援会」というアカウントが、「1931」公式アカウントへのコメントであっさりネタばらししている。下図参照。

1931有可能会在9.18出道 意味着让现在的年轻人别忘记9.18事件也意味着要和抵制日货。
(1931は9月18日にデビューするかもしれません。現代の若者に9月18日の事件を忘れさせないという意味もありますし、日本製品をボイコットするという意味もあります)

1931/09/18は日中戦争のきっかけとなった柳条溝事件の日で、やはり「1931」はれっきとした抗日アイドルグループだったのだ。

また「1931」公式アカウントは2014/03/30 10:00のツイートで、メンバーの育成方式について韓国のスター育成システムを紹介した以下の記事を参考にしてほしいと書いている。

韓国スター育成システム:レッスンの苦痛から始まり、ダンスレッスンは必須の道 (2014/03/21 12:54 鳳凰網)

このツイートからも「1931」が親韓抗日アイドルグループだとわかる。

紹介した女性が入団すれば紹介料として1万元

ところで「1931」運営は「伯楽出動」というかなり強烈な募集方式を2014/03/28 18:38のツイートで開始した。ご承知のように「伯楽」は中国の故事から、人物の才能を見抜いて能力を引き出して育てるのがうまい人の意味だ。

その募集方式の説明画像がこちら。この画像の下の方に小さく書いてあることが、なかなか強烈だ。

知り合いの女性を「1931」に応募させ、動画審査に合格して初回選考に参加すると、紹介者は1,000人民元(=約16,000円)がもらえる。さらに最終選考に合格して契約まで結ぶと、紹介者は10,000人民元(=約16万円)がもらえる。

厳密には「1931」ファンとしての特典をとるか、紹介料の現金をとるかを選べると書いてあるが、おそらく全員現金の方を選択するだろう。

SNH48のように日本企業が運営に関与していれば、こんな募集方式は当然NGになる。日本の法制度では個人が職業紹介で利益を得ることは違法だし、不正な仲介者が利益を得るために応募を強要するなどの危険性がある。

SNH48は運営に日本企業が関わっているので、メンバーには少なくとも法制度面では安心して活動してもらえる。

そういうわけで中国ツイッター(新浪微博)の「1931」公式アカウントをフォローしていると、中国式ビジネスのびっくりする面が見えてきてネタとして楽しい。

「1931」は抗日アイドルグループということで、大手メディアに登場はしやすいだろうが、最初から政治色が濃厚なので一般市民から広く支持を得ることは、SNH48同様、不可能だろう。

参考:「1931」の概要説明図はこちら