SNH48チームNII愛ちゃん(易嘉愛)が謝罪している理由

SNH48チームNII二期生・愛ちゃん(易嘉愛)が2015/08/04 23:18の長文ツイートで謝罪している件について。

ちなみにこの記事は筆者の独断と偏見が強いので、お読みになりたくない方は次の記事に進んで下さい。

まず愛ちゃん(易嘉愛)の謝罪文を日本語試訳する。


「私が入団したばかりの初期に自分の自律が不十分で犯した過ちについて、ここでみなさんに最も誠意あるおわびをします。本当にごめんなさい!

以前あるいは今の自分のファンの皆さんに、自分の犯した過ちでみなさんを大きく傷つけたことは 自分を好きでいてくれる皆さんに本当に申し訳ありません。自分の犯した過ちのせいで、皆さんが私を批判することは受け入れますし、会社の私に対する処罰も受け入れたいと思います。

私を好きでいてくれて、私に注目してくれている人を傷つけたこと、分をわきまえた子たちに対する不公平、そして私たちグループを好きでいてくれるファンの皆さんを傷つけたことについて、本当に申し訳なく思っています。

自分のことを好きでいてくれる皆さんが、自分の過ちのために人に攻撃されているのを見ながら、ずっとどうすれば良いか分からず、皆さんにしっかり謝罪したいと思いました。

自分が気にかけているファンの皆さんが、これらの事のためにずっと悲しんでいるのを見て、私は自分も悲しく思い、自分の問題のために、こんなに多くのファンの皆さんに不愉快な思いをさせたくないと思いました。

私は処罰を受け入れてもう一度やり直したいと思います。皆さんが引き続き笑顔を見せて、頑張って私といっしょに歩んで行って欲しいと思っています。どうか皆さん私にもう一度チャンスを下さい。二度と過ちは犯しません。

本当に皆さんごめんなさい。事が起こった時から今まで、毎回舞台に上がってパフォーマンスするたびに、皆さんに対して申し訳なく思っていました。もっと努力して自分のやるべきことをしっかりやって初めて、自分も少し気持ちを落ち着けることができました。

舞台の上から客席の皆さんの笑顔を見て、ネットで皆さんが楽しんでいるコメントを見ることは、私にとっていちばん幸福な収穫です。

皆さんに私を許していただこうとは思いません。ただ私にもう一度チャンスを頂きたいと思っています。何度も反省して、やり続けていきたいと思っています。

二度と自分の幼稚な言行で過ちは犯しません。私を深く愛して下さる皆さんをさらに傷つけてしまって、本当にごめんなさい。


何を謝罪しているのか、最初読んだときよく分からなかったのだが、第二回総選挙コンサートの前、2015/07/22に彼女がファンと私的に連絡をとっていた件が、とある場所で暴露されていた。その場所は中国の検索ポータル最大手「百度」の「2ちゃんねる」的な掲示板サービス「貼吧」の掲示板だ。

SNH48のディスりネタ満載の掲示板は今のところ主に二つある。これらの掲示板を読んでいるSNH48メンバーもいるらしく、SNH48メンバーのツイートやInstagramがこれらの掲示板の書き込みに反応していることも、たまにあるようだ。

愛ちゃん(易嘉愛)は自分が以前、ファンと私的に撮影したツーショット写真がすっぱ抜かれているのを見てきっと驚いただろう。

その日のうちに中国ツイッター(新浪微博)の自分のアカウントのトップページに常に表示されている2015/04/09 22:21のツイートのコメント欄で謝罪している(下図参照)。

この謝罪コメントは今は削除されているが、その後にファンから@マークで激励のコメントが多数ついていることから、削除されたことは分かる。

ところで、先日ネット公開されたSNH48初のドキュメンタリー『少女の夢・バベルの塔』の38分46秒あたりから、運営会社CEO・王子傑氏がメンバーたちにお説教をしている場面がある

ちなみに王子傑氏は上海復旦大学卒業後、日本の同志社大学に留学しており、日本語も堪能らしい。

チームSII一期生レンレン(吳哲晗)とマオマオ(李宇琪)が、ファンと私的に連絡をとっていた件について、王子傑氏がお説教している内容はとてもシンプル。「芸能界を裏ルール(中国語で「潜規則」)のない、公平なものにしたい」ということだ。

ファンと私的に連絡を取るということは、グループ内の他のメンバーとの競争の公平性を崩すので処罰に値する、ということだろう。

今後、SNH48運営会社が愛ちゃん(易嘉愛)にどういう処分を下すのか分からない。

ただ、レンレン(吳哲晗)が四期生チームXに降格後、ほどなくチームSIIに復帰。マオマオ(李宇琪)は星夢劇院で公開謝罪した後、しばらくの謹慎処分の後、引き続きチームSIIで活躍。

この流れからすると愛ちゃん(易嘉愛)だけが重い処分では、彼女のファンが騒ぎ出すだろうから、おそらく軽い処分で済むだろう。

では、王子傑CEOがあんな大声でメンバーたちにお説教していたのは何だったのか。もしかするとSNH48運営自体が、ファンどうしの競争心をあおっていることに、多少なりとも後ろめたさがあるのかもしれない。

SNH48メンバーが私的に連絡をとる危険をおかしてでも、総選挙で票を大量に投じてくれる固定ファンを引きとめたいと思う理由の一部は、SNH48の運営自体がファンどうしの「金払いの良さ競争」をあおっているからだろう。

SNH48運営は公式サイトの2015/07/30のニュースで、例によって「単推王」リストを発表している。

第二回総選挙で各メンバーに最も多く票を入れたファンは、こうやってIDを発表してもらうことで、自分のプライドを満足させることができる。

AKB48の初期にもこういうシステムがあったのかどうか、筆者はAKB48ファンではないので知らない。

確実なのは、SNH48の運営はファンどうしにも上下関係を決める競争をさせることで、得票総数を押し上げることを意図しているということ。

もちろんファンたち自身が、運営にけしかけられるまでもなく、推しメンにどれだけ金を投じたかでファンの上下関係が決まるという思想を持っていることもある。

メンバーどうしの競争心だけでなく、ファンどうしの「どちらがより正しいファンか」という競争心まで動員して、SNH48という事業を成長させている。

なので運営会社も純粋に正義や公平性をかかげて、メンバーを処分することは実はできないはず。

例えば、SNH48運営は第二回総選挙の後、今回の総選挙コンサートをオンライン生中継した振興動画サイト「楽視 LeTV」独自の「神7」を決める投票へ、ファンに参加するように呼びかけている。

この「楽視神7」投票では、もっとも集金したメンバーに「楽視」がスポンサーになるMVへの出演権など、さまざまなチャンスが与えられるというもの。

この企画について、チームNII二期生のナナちゃん(萬麗娜)やカチューシャ(李藝彤)は、早々に投票しないように呼びかけている。

たとえば、カチューシャ(李藝彤)のこちらのInstagramのコメントには、「あの楽視の投票とか何とか、ルールは私よく分からないけど、お金をつかうんでしょ?もしお金をつかうなら…みんなこのためにあまり苦労しないで。総選挙はもう終わったんだから、自分自身に良くしてあげて~」と書いてある。

こういうメンバーの声はファンへの思いやりではなく、一人の人間としての良心と言うべきだ。「ものには限度ってものがある」というとっても常識的なことを言っているだけ。

メンバーもファンもダブル・スタンダードで、「アイドル」と「ファン」というゲームをやっているだけ、ということは、どちらも分かっているのだか、SNH48運営はもう少し楽しい演出ができないものだろうかと思う。