SNH48初のスタジオからのバラエティー番組ネット生中継『進撃の少女』録画版

SNH48としては初の試み。バラエティー番組のネット生中継『進撃の少女』歌合戦が2015/08/25(火)放送された。

↓全編の録画は「セーヌ川計画」チャンネルのこちらをどうぞ。

セットリストは以下のとおり。

M01.チームX四期生・炭酸(張丹三) TFBOYS『青春修煉手冊』
M02.チームHII三期生・メンヤン(許楊玉琢)『Can’t Take My Eyes Off You』& RAP
M03.チームNII二期生・ローラン(羅蘭)梁静茹『情歌』
M04.チームHII三期生・スーキー(王柏碩)陳綺貞『魚』

番外編01.チームNII二期生・カチューシャ(李藝彤)誓言『求佛』

M05.チームX四期生・まるこ(楊韞玉)趙薇『雨中的故事』& RAP…
M06.チームSII二期生・チュンチュン(袁雨楨)李佳薇『煎熬』
M07.チームX四期生・天草(王曉佳)鳳凰伝奇組合『最炫民族風』
M08.チームHII三期生・ナナコ(張昕)Idina Menzel 『Let It Go』

番外編02.チームNII二期生・テテちゃん(黄婷婷)AKB48『虫のバラード』

M09.チームNII二期生・エディン(陳佳瑩)周杰倫『迷迭香 Rosemary』
M10.チームSII一期生・CC(徐晨辰)張惠妹『Bad Boy』

ここから先は筆者の個人的な考え方なので、読み飛ばしていただいて構いません。


(ただし、インドネシアのkaskus掲示板を踏み台にして、このブログへDoS攻撃をしかけるような下らないことはやめて下さいね)

SNH48は上海ローカルの「会いに行ける」アイドルグループだが、中国は日本よりはるかに広く、高速鉄道網がすみずみまで発達しているわけではないので、上海まで電車で10時間近くかかる地方都市の、とくに学生さんのファンはそう簡単に「会いに行けない」。

なので、上海以外の土地に住んでいて、金銭的・時間的に「会いに行けない」ファン、現地でいう「外地党」や、自宅やネットカフェのパソコンの画面でしかSNH48を楽しめないファン、現地でいう「鍵盤党」(「鍵盤」=キーボード)も、SNH48運営にとってはとっても重要。

広い中国で活動しているSNH48は、「劇場や握手会に会いに来ないファンは真のファンではない」という考え方では、経営が成り立たない。

SNH48は結成当初から「O2O(Online To Offline)」を理念にしている点が、日本の48系グループとの本質的な違い。

CDやグッズ、総選挙の投票券もネットで買えるし、スマホさえあれば学生さんでも負担できる少額から、総選挙の電子投票券(=SNH48第二回総選挙の得票数に小数点以下があった理由)も買える。

SNH48は「会いに行けるアイドル」というよりは、「まずオンラインで好きになってもらって、いつか絶対に会いに行きたい!と思えるようなアイドル」という方が正しい。

SNH48運営自体、もちろん大金を落としてくれる常連ファンは日本以上に持ち上げるけれど、「外地党」や「鍵盤党」といった、日本で「在宅」と蔑視されるファンを決して差別しない。

これから北京などへの進出も予定されているようなので、「在宅」ファンを、今のうちから潜在的な常連ファンとしてネット経由で育てていくことも、SNH48運営にとっては大事な戦略の一つと思われる。

だからこそ、まだ人気が全国区ではない上海ローカルのグループなのに、今回の『進撃の少女』歌合戦のような、スタジオからのオンライン生中継みたいなこともやってしまうのだ。

もっと言えば、日本人の世界各国への分散ぐあいに比べて、中国人の分散はもっと広い。

たとえば、UNESCOの統計によれば、2013年の中国人の海外留学生は71万人で世界最多。日本人の海外留学生は、たった3.2万人。

SNH48のようなアイドルグループの潜在的ファンの年齢層でいえば、中国以外の国に住んでいる中国人学生の人数はとにかく多い。

なので中国国内だけでなく、海外の「外地党」「鍵盤党」をインターネット経由で「O2O」のコンセプトにもとづいて、顧客として育てていくことも重要。

SNH48公演のオンライン中継を有料にしない理由は、ひとつは海外から中国国内への送金手段が限られることもあるけれど、「外地党」「鍵盤党」を潜在的なファンとして育てるコストとして、十分回収できる計算があるからだろう。

なので、中国人以外も含めて、海外のファンが「在宅ヲタ」と差別されることなく、安心してオンラインで劇場公演やバラエティー番組を楽しめるという点で、SNH48は日本の48系グループよりも、少なくとも「O2O」というコンセプト上は、よりオープンだと言える。