SNH48チームNII二期生キクちゃん(鞠婧禕)、チームSII一期生CC(徐晨辰)。SNH48の二人の歌姫が湖南衛星テレビのネット生放送番組『私は歌手 道場破り(我是歌手 誰来踢館)』に出演した。
キクちゃん(鞠婧禕)が今季の同番組最高得点で、次回の対戦に勝ち上がったのは先日ご紹介したとおり。
CC(徐晨辰)はTOP 8に入れず敗退したと思ったが、第3ステップの1対1の対戦に名前が入った。
今晩2016/01/09(土)、CC(徐晨辰)と韓国の女性アイドルグループBESTieのユジが対戦したが、第2ステップとルールが変わった。
番組内で3回の対戦があり、各回の開始5分前にユーザはログインして、100票の投票権をマウスをクリックするか、スマホアプリで画面をタップするかで、獲得しなければ、投票権を得られない。
そして投票権を得たユーザだけが、3回それぞれの対戦後に100票を自分の好きな歌手に投票できる。
(1)なぜか3回とも投票権を取れなかった
ネット生放送でコメントの弾幕をずっと眺めていたのだが、番組の最初から半分以上はSNH48ファンの弾幕。ユジのファンの弾幕の方が明らかに少なかった。
筆者も3回の対戦の前に、それぞれ違うユーザアカウントでログインして投票権を得ようとマウスをクリックしまくっていた。
ところが、なぜか3回とも投票権を得られなかった。
画面を流れるコメントでも、投票権が取れなかったというSNH48ファンのコメント多数。もちろん、取れたというコメントも少数だが存在した。
筆者は2回戦のときは、韓国のVPN中継サーバ経由で(つまり韓国のグローバルIPアドレスで)投票権を得ようと必死でクリックしたが、ダメだった。
(2)両者とも下3桁が「000」の得票数
3回の対戦を終わってみて、湖南衛星テレビが「やらかした」と思ったのは、第一回戦の両者の得点。
上図を見ると、第一回戦の得点の下3桁が「000」ときれいにそろっている。
ユーザがランダムに、自分のパソコンやスマホから、自分の持っている100票を投票したとする。
ふつうの知能程度のファンなら、100票すべて自分の好きな歌手に投票するはずだし、仕組み上、100票と入力して一気に100票入れることができる。
なので、すべての対戦回で、下2桁が「00」票になっているなら、まだ理解できる。
しかし、第2回戦、第3回戦が、ともに切りの悪い数字になっているのに、なぜ第一回戦の投票数だけが、SNH48のCC(徐晨辰)、BESTieのユジとも、下3桁がちょうど「000」になるのか。
(3)2日連続で総票数の2%以内という僅差の「白熱戦」
湖南衛星テレビはもう一つ、わかりやすいミスを犯している。
昨日2016/01/08(金)放送の、今日と同じルールの1対1の対戦の得点を見てみよう。
3回戦のそれぞれで、ユーザに配布される投票権は100万票(=100票×1万ユーザ)。
なので3回戦で、対戦した両者の票数を合計すると、最大300万票になる。投票時間も、3回戦の各対戦の後、5分間という制限があるので、投票漏れが出てくるとして、300万票より少し小さくなる。
2016/01/08の対戦では…
3回戦の合計で2,846,190票。
両者の差は1,447,298-1,398,892=48,406票
48,406票÷2,846,190票=1.70%
2016/01/09の対戦では…
3回戦の合計で2,846,190。
両者の差は1,447,110-1,402,128=44,982票
44,982票÷2,849,238票=1.58%
昨日、今日と2つの対戦とも、両者の得票数の差が、票数合計のたった1.6%前後という、とってもわずかな差に収まっている。
なぜ2日連続で、対戦した両者の得票数の差が2%以内に収まるという、ふつうにネットの観衆が投票した結果としては、統計学的に差が小さすぎると思わないだろうか。
あまりに対戦が「白熱しすぎている」と思わないだろうか。
(4)金曜日と土曜日の総投票数がほぼ同じ
しかも、である。
2016/01/08は金曜の夜、2016/01/09は土曜日の夜だ。
ネット放送の視聴者が、学生だとしても、会社員だとしても、ネット放送の視聴者数そのものに有意な差が出るはずだ。
そこで、理論上の投票総数300万票に対して、「きっちり使用された票数率」を見てみよう。
2016/01/08(金)の対戦
2,846,190票÷3,000,000票=94.87%
2016/01/09(土)の対戦
2,849,238票÷3,000,000票=94.97%
金曜日と土曜日でほぼ同じ票数がきっちり投票されている。
仮に、このネット放送番組の視聴者が多すぎて、そもそも湖南衛星テレビが分配する300万票=3万ユーザが少なすぎるとしよう。
であれば、なぜ投票されずに余った票数までが、ほぼ一致するのか。
2016/01/08(金)
3,000,000票-2,846,190票=153,810票
2016/01/09(土)
3,000,000票-2,849,238票=150,762票
投票されずに余った票数の差は、金曜日と土曜日で3,048票。つまりたった30ユーザ分。
男性ソロ歌手どうしの対戦と、中国・韓国の女性アイドルグループどうしの対戦という、まったく性質の違う対戦の2日間で、投票されずに余った票数がほぼ同じ、勝敗を分けた票数の差もほぼ同じ。
明らかに、おかしい。
たぶん、こういうこと
でも、理由はかんたん。
「ユーザ自身が投票権をクリックやタップで手に入れる必要がある」というルールにすることで、テレビ局側が思うように票数を操作できるようになった、というだけのことだ。
このネット生放送番組、少なくとも現在放送中の第3段階だけは湖南衛星テレビが票数を操作していることはほぼ確実と言っていい。
実際には、ある程度、視聴者の投票数は反映させているに違いないが、最終結果としては、300万票をほぼ使いきって、僅差になるように票数を調整していると思われる。
でも、中国のテレビではよくあること。
なので、筆者のようにいちいち細かく検証するような野暮なことは、みなさんはやめましょう(笑)。
SNH48のメンバーがネット生放送で、ソロ歌手としてパフォーマンスするチャンスを与えてくれただけで、湖南衛星テレビと、スポンサーの飲料メーカー「金典」に感謝しなければいけない。
わずかな票差で白熱した戦いを「演出」して、視聴者に手に汗握らせてくれる湖南衛星テレビに感謝しなければならない。
そういうこと。
(以上は単なる筆者個人の見解なので、いちいちツッコミを入れないようにお願いします)