SNH48チームNII/HII出演の2016/01/14放送分中国中央テレビ『直通春晩』

SNH48が中国中央テレビの旧正月の国民的番組『春節聯歓晩会』出場を目指して、同番組のオーディション番組に参加した件。

先日ご紹介した『我要上春晩』2016/01/10放送分では見事合格、その後『直通春晩』2016/01/14放送分に出演、というステップになっていたらしい。

そして、その『直通春晩』2016/01/14放送分がこちら。

YouTubeのCCTV春晩公式チャンネルの元映像はこちら

SNH48は今回の『直通春晩』では『鈴懸なんちゃら』を歌って、男性アイドルグループ「星動男団」の歌う『準備好没有(準備はできたか?)』と対決した。

司会者と審査委員は以下のとおり。

司会・董卿(ドン・チン):上海出身。中国中央テレビの司会者。10年連続で『春晩』の司会を担当。

蔡明(ツァイ・ミン):『春晩』のお笑い寸劇(中国語で「小品」)コーナーでは毎年おなじみのベテラン女優。
婁乃鳴(ロウ・ナイミン):国家一級の監督。中国演劇家協会会員。1994年から2006年まで『春晩』の「小品」の演出家を担当したらしい。
周伝雄(チョウ・チュァンション):台湾出身の歌手・音楽プロデューサ。
沙宝亮(シャー・バオリャン):8歳で中国雑技団に入団、23歳で歌手デビューしたC-POPアーティスト。
呂逸濤(リュー・イータオ):2016年今年の『春晩』の総合演出家。

対戦相手の「星動男団」とは、安徽衛星テレビが韓国MBCテレビと提携して制作した、2015年から放送の「韓流」アイドル育成番組『星動亜洲』から誕生したばかりの男性アイドルグループらしい。

YouTubeの安徽衛星テレビ公式チャンネルの『星動亜洲』再生リストはこちら

今回の『直通春晩』で個人的に気になったのは以下の点。筆者個人の意見なので読みたくない方はスキップして下さい。

『鈴懸なんちゃら』の作曲者名にちゃんと織田哲郎の名前が出ていたのは、少しホッとした。

中国中央テレビにもかかわらず、司会者がSNH48(フォーティーエイト)と英語で名前を言ってくれているのもホッとした。「四十八(スーシバー)」ではなくて。

また、審査員のうち台湾出身の周伝雄(チョウ・チュァンション)が、SNH48の「会いにいけるアイドル」というコンセプトについて、よく分かっていない司会の董卿に説明してくれていたのが心強かった。

やっぱり日本のアイドル文化を理解した上でコメントしてくれるのは、前回の『我要上春晚』で審査員だった台湾エンタメ界のドン・王偉忠氏を含め、台湾出身者しかいないらしい…。

また、審査員のうち沙宝亮(シャー・バオリャン)は、上海新娯楽TVや北京TVなどで放送された『隠れた歌手(隐蔵的歌手)』という番組でSNH48二期生のキクちゃん(鞠婧禕)、シャオスー(林思意)、じゅうなな(龔詩淇)と共演したことがある。こちらのYouTube動画参照⇒『隱藏的歌手』2015/11/08放送分、キクちゃん(鞠婧禕)歌唱回。

なので、コメントの中でSNH48のファンが曲に合わせて掛け声を出したり(MIXのこと)、いっしょに踊ったり(ヲタ芸のこと)して、舞台と客席のファンが一体になって盛り上げるグループだということを説明してくれている。

全国放送の番組に出て、中国大陸で活躍している沙宝亮のようなタレントと共演することは、こういう中国中央テレビの番組ひとつ出演するにしても、とても大切。

ただ、結果的に「韓流」の「星動男団」に敗れている。中国大陸エンタメ業界における、韓流と日本系の圧倒的格差。

今回の『直通春晩』には、韓国でディスられて今や中華圏の活動がメインになっているT-ARAも出演し、みごと合格している。

しかしT-ARAが歌った曲は、2年前のTFBOYS(中国大陸で大人気のジャニーズ的な少年3人組アイドル)のヒット曲『青春修練手冊』。

そして、中国娃娃(チャイナ・ドールズ)という、1999年タイで結成された台湾人と中華系タイ人の女性アイドルデュオが2001年に発売したアルバム『賀歲喔喔喔!』収録の『発財発福中国年』という曲の2曲。

この2001年の『発財発福中国年』という曲は2015年の初めにひつじ年をお祝いする『扭羊歌』という曲にアレンジされ、中国の「広場舞」の伴奏として大ヒット。じつはSNH48もこちらのYouTube動画にあるようにこの曲の短い動画を制作している

つまりT-ARAは、SNH48が持ち歌の『鈴懸なんちゃら』を歌ったのに対し、自分たちの曲ではなく、中国人の若者や中年女性なら誰でも知っている2曲を歌うことで、完全に中国化している。

ちょっと意地悪な言い方をすれば、そうやって中国にすり寄ってくるタレントなら『春晩』に出演させてやろう、という中国エンタメ業界のプライドが見られる、と言えるかもしれない。

ということは、SNH48が中国中央テレビ『春晩』に出演できるようになる道のりは、かなり遠い。というより日本で作詞・作曲されたAKB48系の楽曲を歌う限り出演できないかもしれない。別に『春晩』に出ることがSNH48の目標ではないけれども。