日本経済新聞編集委員・村山宏氏がろくに調査もせず適当に書きちらかしたSNH48関連記事を訂正する

メジャーな日本メディアが相変わらずSNH48の「契約違反」についてトンチンカンな報道をしているので、ツッコミを入れておく。

日本経済新聞『SNH48騒動に見る中国の模倣経済  編集委員 村山宏』(2016/06/24 06:30)

(なお村山宏編集位医院が2014/02/11日本経済新聞中国語版に「日本の美女研究員(小保方晴子氏)の大発見から中国の教育を考える」という記事を書いていたことが判明したので、最後に追記した)

今回の「不和の原因」についてこの村山宏という編集委員は「日本のビジネスモデルを吸収し、市場の大きい中国国内で展開する手法に日本側はいらだちを感じているようだ」と書いているが、完全に間違っている。

もともとSNH48とAKB48運営会社はフランチャイズ契約で、ビジネスモデルを吸収して中国市場で展開することを許可します、という取り交わしをしているのだ。

なので「ビジネスモデルを吸収し、市場の大きい中国国内で展開する手法」にAKB48運営会社がいらだちを感じているという記述は、事実に完全に反している。

AKB48運営会社がいらだちを感じているのは、姉妹グループ展開の部分だけであって、ビジネスモデルの展開はもともとフランチャイズ契約の正規の内容である。

この点で、村山宏氏が挙げている「新幹線」の事例とは全く異なる。

川崎重工業が中国に新幹線車両を輸出したのは、フランチャイズ契約でも何でもない。単なる製品の輸出だ。それを中国企業がリバース・エンジニアリングして技術吸収したという話である。

AKB48運営会社とSNH48の関係とは、まったく話をつなげようがない。

なのに村山宏氏は、AKB48と新幹線が「よく似ている」と書いているが、何を言っているのかまったく理解できない。

またこの村山宏なる人物は、「今、中国の芸能ニュースは7月のSNH48の『総選挙』に向けた情報でいっぱいだ。ファン投票が始まり、順位の中間発表も進んでいる。どう見ても日本のAKB48の手法そのものだ」と書いている。

この部分も、二点で誤っている。

まず、まるでSNH48の「総選挙」が中国で全国的な話題になっているかのように書いているが、まったく事実と異なる。

SNH48の知名度はまだ全国区というにはほど遠い状態だ。一部のオタク系のメディアや、SNH48運営会社と提携しているネットメディアがニュースにして盛り上げようと頑張っているだけだ。

次に、SNH48の「総選挙」は今回ですでに三回目であり、フランチャイズ契約で許可された活動だ。

現にAKB48運営会社は過去、SNH48の総選挙については一度も苦情も入れていない。

それをあたかも今回初めて「総選挙」を実施したかのように、「どう見ても日本のAKB48の手法そのものだ」と書いているのは、村山宏氏がSNH48結成以来の経緯をろくに調べもせずに、この記事を書いている証拠である。

結局、村山宏なる日経新聞の編集委員が、SNH48について大して調べもせず、適当な記事を書き散らかして平然としているのは、「たかがアイドルグループなんだから、その程度でいい」という、芸能ニュースを完全に舐めきったエリート主義がなせるワザである。

記述の対象が何であれ、ろくに取材も調査もせず、分かったようなことを書き散らかすのが適切かどうか、村山宏編集委員はご自身の記者としての良心に自問していただきたい。

2016/06/25追記:ちなみに現地SNH48ファンの方からの情報で、村山宏氏が中国語版のオンライン版日本経済新聞に、小保方女史を高く評価し、中国教育制度の改革を提言するという記事を書いていたことが判明。今回の記事と読み合わせると、なるほどこの程度の内容の文章しか書けない編集委員なのだと納得感があったので、ご参考までにご紹介。

「从日本美女研究员大发现看中国教育(日本美女研究員の大発見から中国の教育を考える)」 (2014/02/11 日本経済新聞 中国語版)