SNH48四期生が通常の芸術学部試験をあきらめて運営会社の提携先大学に入学

SNH48チームX四期生ランラン(宋昕冉)が、SNH48活動と学業を両立できなかったことを、Instagramの方で書いていたので、原文の対訳形式で日本語試訳する。

同じSNH48チームX四期生CoCo(邵雪聰)も桃子(李釗)もランラン(宋昕冉)と同じく、SNH48運営会社が提携している上海の大学に入学することに決めたらしい。


14年冬天是我艺考的那一年,当时在北电辅导班上表演课,无意中知道了snh四期招募。正好因为我也在北京,所以就去参加了。

2014年の冬、芸術学部試験があった年、当時北京電影学院を受験するための補習クラスの演技課に通っていたとき、ふとSNH48四期生の募集のことを知った。ちょうど北京にいたこともあって参加した。

那时对snh48并不了解的我,和妈妈商量之后还是确定放弃了艺考来到了这里。

そのころSNH48についてまったく理解していなかった私は、お母さんと相談した後、やっぱり芸術学部試験をやめてここSNH48に来ることにした。

为了走这条看似很简单其实很艰难的梦想之路😂

この道は簡単に見えたけど、実はとても難しい夢への道だった 😂

进团后放弃学业一年,天天排练,就这样把艺考和学业拖后了一年。

入団後、学業を一年間やめて、来る日も来る日もレッスン、そうやって芸術学部試験と学業は一年間先のばしにした。

到了15年,搞了3个月的国民美少女,艺考就这么错过了。

2015年になって(訳注:正しくは2016年)、3か月間『国民美少女』の番組に出て、そうやって芸術学部試験を逃した。

我妈几次问我回不回来,可是我抽不出时间啊一直在录节目。

お母さんは私に帰ってくるように何度も言ったけれど、番組収録でずっと時間がとれなかった。

很着急可是有没办法😞聪聪也是,因为国美耽误了艺考。

すごくイライラしてたけど、どうしようもなかった。CoCo(SNH48チームX四期生・邵雪聰)も同じで、『国民美少女』に出演したせいで芸術学部試験を逃したの。

而且艺考是要提前很久做准备的,大家一直在忙这忙那的,

しかも芸術学部試験はずっと前から準備をしなきゃいけないけど、みんなずっとあれこれ仕事で忙しくしてた。

没时间静下来准备,临时抱佛脚的话也是没有办法考的。

落ち着いて準備をする時間もなく、何とか助けを求めていろいろやったけど受験できなかった。

国美弄到3.4月份。最后一期被淘汰。艺考也没考成。

『国民美少女』は(2016年)3月、4月まで続いて、私は最後の回で敗退した。芸術学部試験も受けられなかった。

哎。两边哪边都没顾好。很有挫败感。

あぁ。どちらも両立することができなかった。すごく挫折感があったの。

我一直是把重心放在snh的,不想被公司放弃,所以一直乖乖听话

私はずっと重心をSNH48に置いてて、運営会社に捨てられたくなかったので、ずっとおとなしく話を聞いてた。

不敢放弃这边的各种事情去学习。

ここのSNH48のいろんな事情を捨ててまで、受験勉強する勇気がなかったの。

而且我不是学霸,从小就学艺术,没能如愿参加艺考,这边的事情就会更在意一些。

しかも私は成績が特別良いわけじゃないし、子供のころから芸術を学んで、希望の芸術学部試験も受けられなくて、ここのSNH48のことをさらに気にかけるようになった。

高考也没时间静下来好好复习。哎到头来感觉是一场空。

大学入試も落ち着いてしっかり復習する時間がなくて、最終的にはムダになった感じ。

今年大家很关心我们上学的事,我俩一直不太愿意提起,觉得没有两边兼顾好的我们不应该摆在大家面前。

今年みんな私たち(訳注:ランラン(宋昕冉)とCoCo(邵雪聰))の学業のことを心配してくれてたので、私たち二人ともずっとその話題にあまりふれたくなかったの。両立がしっかりできていない私たちが、みんなの前で事情を話すべきじゃないと思ったから。

会想着,在你们面前闪闪发光的才是偶像吧?

みんなの前でキラキラ輝いてこそアイドルでしょ?って思って。

懦弱自卑迷茫渺小的部分,两个人私下里互相温暖就够了阿。

意気地がなくて卑屈で迷っているような部分は、二人だけでプライベートでなぐさめあってたよ。

而如今愿意把这些话说给大家听,是因为你们一直在关心。

でも今この話をみんなにしようと思ったのは、みんながずっと心配してくれているから。

今天看到一条私信说:别害怕阿,没有人会舍得怪你。

今日ダイレクトメッセージが届いて、「怖がらないで、誰も君を責めたりしないよ」って。

真的就,忽然有了勇气。肯把成长期的迷茫说给你们听。让善良的你们放心。

そしたら本当に、突然勇気が出てきた。成長期にある迷いをみんなにすすんで話そうと思った。みんな良い人たちだから安心してもらいたかった。

来到团里的初衷就是希望以团里事情为主,最好也能上个好学校,

このグループに来た最初の思いは、グループのことを中心にすることだったけど、良い学校にも入れればいちばん良かった。

但事实证明,人的时间精力有限,做什么事都没那么容易,最后肯定得一边倒。

でも事実が証明してるよね。人の時間とエネルギーは限りがあって、全部やるのはそんなに簡単じゃないし、最後にはどっちかに偏ってしまう。

如果要上好学校,就得放弃这边一段时间全心备考。

もし良い学校に通いたければ、ここのSNH48の時間をあきらめて全身全霊で受験勉強をしなきゃいけない。

如果真的考上好学校,snh可能就要被放弃了。那我当初第一年何必放弃上课放弃艺考来这呢?

もし本当に良い学校に入るなら、SNH48をあきらめる可能性もあるかもしれない。でもそしたら最初の一年間、芸術学部試験をあきらめてここSNH48にやって来たのは何だったの?ってことになる。

所以考虑了很久,真的不想放弃这里,今年会和聪聪上公司合作的学校,这也许是我们平衡两边最好的选择。

だからずいぶん考えて、本当にここSNH48をあきらめたくないから、今年CoCo(邵雪聰)と会社が提携している大学に入学することにした。これが私たちにとっては両方のバランスをとる最善の選択かもしれない。

虽说是合作的学校,但也是正常的大学,要看分数,也要参加校艺考。

提携先の学校だけれど、普通の大学だし、入学するときは(文科・理科試験の)点数も見られるし、芸術学部試験に参加もできる。

而且比起没有合作的学校,我们在有通告的时候也会方便请假一些。

しかも提携先じゃない学校に比べると、仕事があるときは休みがとれたり便利な面もある。

你们或许会觉得我们不认真不努力。

みんなは私たちが真剣に努力してないと思うかもしれない。

但考上一所好大学要付出多少时间和精力?这些时间和精力会不会影响团里的很多事?

でも良い大学に合格するには、どれだけの時間とエネルギーをかけなきゃいけないかな?それだけの時間やエネルギーはSNH48グループのことにたくさん影響するんじゃないかな?

很抱歉带来了看起来负能量的东西,但请相信你们的小偶像,一路走来磕磕绊绊总会和你们一起去到更耀眼的未来。

ネガティブなことを書いちゃってごめんなさい。でもみんなの小さなアイドルを信じてほしい。歩む道はスムーズにはいかないけど、みんながいっしょならもっとキラキラした未来にたどり着ける。

对于不推我们也对我俩给予关爱的人,真的非常感恩。

私たちの推しじゃない人も、私たちのことを思ってくれている人も、本当にすごく感謝しています。

也许成长就是学会选择吧。

成長するって、たぶん、ちゃんと選べるようになることでしょ。

。◕‿◕。


SNH48チームSII一期生SAVOKI(趙嘉敏)やワンワン(邱欣怡)くらいの圧倒的な人気と、応援会の絶大な支援があれば、SNH48の活動を長期間休んで、芸術学部の大学入試に専念することもできる。そのせいで人気が落ちることはないからだ。現に2人とも希望の芸術科系大学に合格している。

それに比べると人気の低い四期生は、大学入試のために仕事を休むとSNH48での人気に直接響いて、最終的には待遇も悪化しかねない。

ちょっと残酷に聞こえるけれど、それでも筆者が個人的にSNH48運営会社が「良心的」だと思うのは、上海の大学(公立大学の上海音楽学院)との提携関係を通じて、彼女たちのようなメンバーに受け皿になる高等教育の機会を準備しているところだと思う。

先日、第三回総選挙のスピーチで、極貧父子家庭からSNH48六期生に入団、いまはBEJ48チームEでがんばっている、農村戸籍のメンバーをご紹介した。

SNH48運営会社は彼女のような中国社会の弱者の受け皿にもなっていることを忘れてはいけない。

もちろん他方でSNH48運営会社はメンバーたちの契約履行には、非常に形式的で厳格という面がある。

もともと一般的な雇用契約ではなく、芸能人としてのマネジメント契約なので、有期契約だし、運営会社は社会保険も提供しない。

それに、例えば、元SNH48チームHII三期生ドウちゃん(李豆豆)は、わざと仕事をサボったわけではなく、病気だと分かって退団せざるをえなかった。

それでもSNH48運営会社は和解では終わらせず、タレントマネジメント契約不履行で上海の民事裁判所に彼女を訴えたことが分かっている。(民事訴訟の情報はインターネットで公開されているので現地ファンが検索済み)

そんなふうに、中国には中国の社会事情があり、SNH48運営会社にある面で「救われている」メンバーもいる。

日本のAKB48本部は、そういうメンバーたちもろとも、契約違反だから存在を認めないと一方的に通告しているわけだ。メンバー一人ひとりも利害関係者であるにもかかわらず。

はたしてそういった経営が、国境をまたいで展開するフランチャイザーとして適切かどうか、AKB48本部のグローバル企業としての成熟度と、ある意味「日本企業らしい」対応ができるかが問われていると思う。

日本の二次元文化が海外の一部の若者に受け入れられているのは、彼らが「日本らしさ」に何を求めているからなのか。AKB48運営会社はよく考えたほうがいい気がしますが、どうでしょうか。