SNH48チームHIIキャプテン・ルーシー(王璐)の退団と一部現地ファンの素質について

SNH48チームHIIキャプテンのルーシー(王璐)が昨日2016/11/13(日)の公演を最後に退団した。

さっそく中国ツイッター(新浪微博)の個人アカウントでお別れのツイートをしているので日本語試訳。


-王璐就是我-
ずっとずっと応援してくれて離れず捨てずそばにいてくれたみんなに感謝してる。
今晩客席全体が私のファンのみんなだったことに感謝してる。
みんなが毎回寛大だったことに感謝してる。
ごめんなさい。私は勇敢じゃない。ごめんなさい。私はやっぱり弱い。
ごめんなさい。私は良いキャプテンじゃなかった。
ごめんなさい。先に離れてしまって。

これからの彼女はみんなに任せるよ。
さよならは言わない。だって私たちはまた会えるから。
みんな愛してる。


2016/11/13(日)の夜中のSNH48チームHIIメンバーの中国ツイッター(新浪微博)のツイートは、ルーシー(王璐)との別れを惜しむ内容になっている。


ドゥードゥー(陳怡馨)「SNH48はまるで学校みたい、いつも誰かがやってきて、いつも誰かが去って行く。これからルーバオ(王璐)が毎日ゆかいに楽しく過ごせますように。あなたがすごく好きだったって今言っても遅すぎるね。でも人っていつもそう。あなたがとてもうらやましいし、とても尊敬してる」

スーキー(王柏碩)「実は引き止めるよりも、むしろ本当にあなたがこれから毎日楽しく過ごせるように願ってる。でも『鈴懸なんちゃら』の音楽が鳴り響いたとき、もう涙をこらえきれなかった。やっぱり思い出はいちばん人を傷つける。時間は知らない間にあんなに遠くに行き去って、あの頃の私たち、そして私たちがあの頃未来はきっとさらに良くなると固く信じていた気持ちがとても懐かしい…今日からのあなたが、より良い人生でありますように。」

ルーチャオ(王露皎)「どの道を歩んだとしても容易ではないけれど、出会いに感謝してる。がんばって」

ユーちゃん(劉佩鑫)「この世に終わらない宴はない。『とんぼ』をいっしょに歌ったあのときのこと(訳注:長渕剛の中国語カバー。日本語の歌詞と全く違って子供の頃を懐かしむ内容になっている。)、肩を並べて『Glory days』を歌ったときのことがなつかしい(訳注:SKE48『手をつなぎながら』公演曲)。自分で決めたことだから、自分の道を歩んで、他人には言わせておけばいいよ。これからは楽しく屈託なく過ごしてほしい」


ニーズ(謝妮)のツイートは『片思いの対角線』の中国語版歌詞の引用。

そして三期生チームHIIナナコ(張昕)がツイートしていた動画はこちら。送別会の火鍋パーティーで、最後にルーシー(王璐)がメンバー一人ひとりとハグしている。

一言でいうと、彼女の退団は、メンバーのお別れツイートからも分かるように、彼女のことがキライな現地SNH48ファンから、延々と悪口を言われ続けるのに耐えきれなくなったことが、最も大きな原因と思われる。

そして他のメンバーについても、悪口や非難を増幅する装置になっているのが、こちらの「生個女孩」という掲示板。中国語の発音記号で「Sheng ge Nv Hai」と「SNH」になる。

現地ファンが「hhy(後花園 hou hua yuan ウラの花園)」という隠語を使うときは、この掲示板を指していることが多い。


中国最大の検索ポータル「百度」の2ちゃんねる的な掲示板サービスだが、この「生個女孩」掲示板はメンバーの黒歴史や醜聞があると、徹底的に暴き出して罵倒する。

そのネタが中国ツイッター(新浪微博)などのSNSで、現地SNH48ファンの間に広まり、さらに増幅されるという、良いのか悪いのか分からない循環になる。

日本であれば、全国放送に何度も出演するようなアイドルグループの醜聞は、幸か不幸か、クロスオーナーシップ制度下にあるキー局を中心とするマスメディアや、電通・博報堂などの広告代理店、芸能界で大きな力を持っている大手芸能プロダクションに、ある意味「守られて」いる。

なので一般人が草の根的にウワサしていても、主要テレビ局のワイドショーや、週刊誌が取り上げないかぎりまともに扱われることはない。

しかし中国の芸能界では、とくにインターネットの普及以降、口コミ程度の醜聞が、SNH48のような小さなファン層の間ではあっという間に広まって、日本でいうマスメディアのような力を持ってしまう。

ルーシー(王璐)も現地SNH48ファンの中でも、人格に問題のあるファンの無責任な流言蜚語では「婊姐」と罵倒されつづけていた。中国語の「婊」は「売春婦」の意味。

筆者個人的には、彼女がチームHIIキャプテンを降りて退団してしまうのは惜しいけれど、他のメンバーのお別れのツイートにもあるように、これからは普通の女性として、普通に恋愛して、楽しく過ごしてほしいと思う。

これでSNH48チームXIIの姜杉が退団しなかったら、SNH48運営会社社長・王子傑のいう「不公平なシステムは腐敗する」という言葉は実現してしまうだろう。

ちなみにルーシー(王璐)は1996/05/20生まれ、姜杉は1995/10/06生まれで、姜杉の方が年上。

万が一、いつの日かSNH48グループが終わってしまうとすれば、その原因の半分は、一部の現地ファンの素質の低さだろうと思う。熱狂的なファンが自分の好きなアイドルグループを崩壊させるという自滅パターン。

そうでなければ、株主の拝金主義のせいで運営会社がハイリスクな投資をして、回収できずに資金ショートで倒産するか。

どちらにしても中国らしい最後になると思う。

ご覧のとおり筆者は怒っている。ルーシー(王璐)を退団に追い込んだ「後花園」の一部の現地SNH48ファンは、クズだ。