AKB48(China) Holdingの上海自由貿易区本社が国有企業と判明

昨日2016/12/10(土)AKB48の上海での記者発表会とファンミーティングの現地の反響は、すでに悲惨な結果になっている。

その話をする前に、AKSと決裂前のSNH48運営会社の資本関係のおさらいと、今回のAKB48 Chinaの資本関係の確認をしておく。

↓SNH48とAKS決裂前の株の所有関係の全体図はこちら。

右上の「王子殿下」はSNH48運営会社社長・王子傑の現地ファンの間でのあだ名なので、正確には王子傑。

この図を見て明らかなように、日中双方の資本は「亚洲明星四八(香港)」で共同出資になっている。この社名、正しくは「明星四八亚洲控股 Star48 Asia Holdings」である。

そして2016/04/20に早くも王子傑は「明星四八亚洲控股」の社長を辞職している。

つまり2016/04/20の時点ですでにSNH48とAKSは資本関係がなくなり、決裂していた。

では今回の中国再進出でAKSはどのような資本政策を取ったか。

「AKB48(China) Holding」という会社の元の名前を調べると分かる。

下図の香港登記所の2016/11/04の社名変更通知で旧名「CICFH Holding」と分かる。社長は署名にある周家民。

社名変更はつい一か月前だ。

下図、2016/06/02の辞職通知で前社長は唐亮と分かる。

このPDFファイルの次ページに新社長・周家民の名前がある。

まとめると…

2016/04/20 SNH48社長・王子傑がAKSとの共同出資会社を辞職。
2016/06/02 CICFH Holdingの社長が唐亮から周家民に交代。
2016/11/04 CICFH HoldingがAKB48(China) Holdingに改名。

さらにCICFH Holdingの設立まで遡る。香港登記所には香港の住所を届けているようだ。

そして出資会社は北京の企業「國投中聯投資管理」と分かる。

あとは中国の検索サイト「百度」で同社の投資先を調べればいい。

これでやっとCICFH Holding=中財金控文化有限公司だと分かった。

同社の詳細はこちら「中財金控文化有限公司」の会社情報ページで分かる。

社長:唐亮
住所:上海自由貿易試験区
資本金:12,000万人民元
設立:2014/03/10
営業許可期限:2113/03/09(100年間)
法人株主:国投中联投资管理(北京)
事業内容:文化芸術交流活動企画、実業投資、投資管理、資産管理、会議展覧会サービス、投資コンサルタント、事業情報コンサルタント、企業管理コンサルタント(タレントマネジメントを除く全ての芸術関連)、企業イメージデザイン、デザイ、制作、各種公告の代理、インターネット、エレクトロニクス技術領域の技術開発、技術コンサルタント、技術移転、技術サービス、貨物及び技術の輸出入業務、中継貿易

つまり、中国国内でAKB48という会社名は使えないので「中財金控文化有限公司 (CICFH Holding)」の名前を残して社長も唐亮のままとし、香港子会社は「AKB48(China) Holding」に改名するために社長を周家民にしたという経緯だろう。

「中財金控文化有限公司」の事業内容は中国国内でAKB48系グループが活動するには十分な事業内容。

ただし、タレントマネジメント(中国語では「经纪」)を除く、となっている点は重要。
タレントマネジメントは外部の会社に委託するか、別会社を新たに作るのだろう。

おそらくAKSは香港の「AKB48(China) Holding」に出資すると思われる。

資本関係はSNH48のときと変わらない、というよりAKS自体が中国国内に法人を設立するリスクをとらないので、香港の合弁会社への出資という方法しかとれないのかもしれない。

ついでに求人情報も調べてみた。そこそこおもしろい。

求人は以下のとおり。公開日にはあまり意味はないが、このサイトではつい最近求人を始めたことが分かる。(別サイトではずっと前から求人している)

上海:社長秘書、CEOアシスタント、業務主管
北京:経理担当、法務管理

それより興味深いのはこの求人サイトの「国企」の二文字。

国有企業です。

株主の「国投中联投资管理(北京)」が国有企業で、法人株主は同社しかなく、実質100%子会社なので、当然国有企業。

この点がSNH48運営会社との最大の違いかもしれない。

SNH48運営会社は国有企業ではなく民間企業。
AKB48(China) Holdingの中国国内法人は上海の自由貿易試験区の国有企業。

国有企業であることが吉と出るか凶と出るか。