上海SNH48初の全曲オリジナル公演『心の旅程』千秋楽、最新水着MVのメンバー別コマ数

上海SNH48グループ関連の最近の話題から、全曲オリジナル公演『心の旅程』千秋楽と、水着MVのメンバー別コマ数統計をご紹介。

上海SNH48チームSIIの全曲オリジナル公演『心の旅程』千秋楽

これはSNH48の一時代を画すニュース。『心の旅程(心的旅程)』はSNH48グループとして初の全曲オリジナル公演で、SNH48チームSIIが2016/05/20から上演していた。

それまでSNH48グループの公演はすべて、日本のAKB48、SKE48公演の中国語訳で、振り付けも演出もそのままだった。

全16曲からなるワンセットの公演を、全曲オリジナルで制作したのはこの『心の旅程』が初めてだ。

その後、北京BEJ48チームB、広州GNZ48チームG、瀋陽SHY48チームSIIIと、姉妹グループで最初に結成されたチームが、「お下がり」としてこの『心の旅程』を上演するのが定番になっている。

ただ、すでに北京BEJ48チームBの『心の旅程』は、ひとあし先に千秋楽を迎えており、現地ファンは「いつになったら上海SNH48チームSIIの新公演が始まるのか?」と気をもんでいた。

この後、チームSIIが新たな全曲オリジナル公演を始めると、「同じチームが2つめの全曲オリジナル公演を上演する」のは、SNH48グループとして初になる。

すでに『心の旅程』の上演を終えている北京BEJ48チームBは、その後、新たな全曲オリジナル公演ではなく、AKB48楽曲を含むベスト曲公演を上演しているからだ。

この『心の旅程』公演は、SNH48初の全曲オリジナル公演にもかかわらず、楽曲や演出のクオリティーはJ-POPスタイルとして十分に合格点だと、個人的は思っている。

とくに『ローマの休日(羅馬假日)』『ニューヨーク・ドリーム(紐約夢)』『月光の下(月光下)』の連続する3曲の曲調の転換(典型的なJ-POP→米国のレビュースタイル→三拍子のバラード)と、最後の曲『私の舞台』は秀逸だ。

なかでも『私の舞台』はSNH48チームSIIの代表曲でもあり、SNH48グループ全体が48系の精神を引き継いでいることの宣言にもなっている。この曲で、現地の作詞家・甘世佳の評価が固まったといえる。

その後SNH48グループは以下のような全曲オリジナル公演を制作しており、韓国と台湾の音楽制作陣を迎えることで、楽曲のクオリティーを維持している。

上海SNH48チームNII 『専属派対(Exclusive Party: 僕らだけのパーティー)』
上海SNH48チームX 『ドリーム・フラッグ(夢想的旗幟)』
上海SNH48チームXII 『コードXII(代号XII)』
北京BEJ48チームE 『ティアラ・ファンタジー(奇幻加冕礼)』
広州GNZ48チームNIII 『第一人称』
上海SNH48チームHII 『Beautiful World』

台湾の制作陣は必ずしも中国語ポップスのメインストリームではなく、インディーズのミュージシャンだが、そのおかげで逆に「いい曲はバラードしかない」という、今の中国語ポップスの単調さから抜け出せている。

各公演にはK-POPスタイルの楽曲が入っており、いい意味でアクセントになっている。(筆者は個人的に1990年代のR&Bから抜け出して、すっかりEDM化した最近のK-POPは好きではないが)

つぎの上海SNH48チームSIIの全曲オリジナル公演が、どこまでクオリティを上げてくるか、期待が高まる。

SNH48グループ、今年の水着MV『サマー・パイレーツ』のメンバー別登場コマ数

毎回SNH48運営がMVをリリースするたびに、現地ファンが各メンバーの登場コマ数を数えるのが定番になっている。

登場コマ数で、運営がどのメンバーを重視しているかが分かると考えられているからだ。

今回の『サマー・パイレーツ(夏日檸檬船)』では、登場する32人のメンバーが、海賊と島の住民の2チームに分かれた演出になっている。

メンバーごとの登場コマ数は、驚くべき結果になっている。

1位の上海SNH48二期生チームNII・テテちゃん(黃婷婷)は順当だが、何と2位に、いちばん新しい姉妹グループ瀋陽SHY48チームSIIIのルイルイ(趙佳蕊)がいきなり飛び込んでいる。

去年の水着MV『ドリーム・ランド(夢想島)』は、初めて姉妹グループの北京BEJ48、広州GNZ48から、それぞれのエース、いーしゃん(段藝璇)、ハナちゃん(謝蕾蕾)が出演した。

この人選はきわめて順当で、いーしゃん(段藝璇)は北京BEJ48チームBキャプテン、ハナちゃん(謝蕾蕾)は今も広州GNZ48チームGのエースだ。

今回、姉妹グループ瀋陽SHY48は初参加だが、その一人、ルイルイ(趙佳蕊)が、海賊チームのテテちゃん(黃婷婷)に対抗する島の住民のリーダー役にいきなり抜擢されているのだ。

今回、北京BEJ48からは、チームBの「顔面偏差値担当」ツォンツォン(牛聰聰)、バオツ(胡曉慧)、チームEのシャオシュー(劉勝男)が出演しているが、それぞれコマ数の順位は32人中、18位、25位、17位。

広州GNZ48からは、チームGのCK(陳珂)、チームNIIIのナオナオ(盧靜)が出演しているが、コマ数は30位、31位。

対して瀋陽SHY48からは、チームSIIIルイルイ(趙佳蕊)が上述のようにいきなり2位、フェイフェイ(盧天惠)も21位と、初出演にしては悪くない。

この順位は、総選挙によるファン投票の結果ではなく、運営会社の意向だが、運営会社が地方都市の姉妹グループをテコ入れしようとしている意思が、はっきり見えておもしろい。

今後、重慶、武漢などの地方都市にできる姉妹グループにも注目。