SNH48第四回総選挙、各メンバー応援会の資金集め関連ネタを3つ

SNH48第四回総選挙の投票期間に入り、すでに速報も2017/06/18(日)に発表されたところで、投票関連でいろいろ興味深いニュースが出てきている。

各メンバーの応援会が少しでも自分たちの好きなメンバーの順位を押し上げようと努力していて、メンバーも応援会のサポートに感謝し、はげまされていることは言うまでもない。

日本だろうが中国だろうが、ファンとアイドルの関係が同じなのは言うまでもないことなので、いちいち書かない。

それを分かった上で、興味深いことがあったということを、以下、純粋にネタとしてご紹介。

日本のAKB48メンバーの応援会が投票資金の取りまとめをやっているのかどうか、筆者はAKB48グループのファンではないので知らない。

SNH48グループの各メンバー応援会は中国らしく効率重視で、クラウドファンディングサイトを利用してファンから集金し、組織的に票の購入と投票作業をしている。

以前は中国のショッピングサイト最大手「タオバオ」で、架空の商品を販売することで資金集めをするのがメインだったが、どうやら架空商品はトラブルのもとになるので、「タオバオ」は使いづらくなっているらしい。

そこで、スマホ用のクラウドファンディングアプリで、一週間や一か月など期間を決め、目標金額を設定し、何回にも分けてこまめに資金を集める方法が、いまは主流になっている。

主に使われているアプリは「摩点 微打赏」というアプリで、たとえば最近筆者がファンになった広州GNZチームNIIIキャプテン・ミッフィー(劉力菲)の6月の定期資金集め第3巡はこんな画面。

月末まで、目標金額は1万人民元(約16万円)設定で、あと12日の今日時点で97人が5,657.23元(約9万円)を入金している。

彼女の応援会の目標金額設定は、全体的に見てやや控えめ。圏内に入ったとしてももともと高い順位を狙えるポジションのメンバーではないので、妥当な線。

(筆者は最近、クイックチャイナでCDを買うより、高額な手数料がかかっても、自分のWeChatアカウントに入金する方が安くすむと分かったので、WeChatのチャージ金額を使って、彼女の応援会の資金集めに協力している)

こういった集金キャンペーンは、応援会が中国の老舗チャットソフト「QQ」の応援会サークル内や、WeChatのサークル内に非公開で呼びかけることもあれば、中国ツイッター(新浪微博)で公に呼びかけることもある。

で、容易に想像できるのは、集めた資金の「持ち逃げ」事件。過去に何度か起こっているらしい。

今回の総選挙では、メンバー自ら資金の持ち逃げ被害についてツイートした。上海SNH48七期生チームXIIシャオチー(徐詩琪)だ。

彼女は18歳。このツイートの前半では、今回の総選挙の速報で圏内に入らなかったのは、予想したこととはいっても、みなさんの苦労に感謝しますと書いている。

その続きで、入団からいままでの経歴をふりかえってから、持ち逃げ事件についてふれている。

たくさんの人がダイレクトメッセージで、応援会の資金が持ち逃げされたことを教えてくれました。アイドルとして、みなさんを楽しませて、プラスのエネルギーを与えられるようなアイドルになりたいとずっと思っています。

でも私自身が役立たずすぎると感じて、夜中に布団の中で耐えられずに泣いてしまいました。鼻をすする音が大きすぎて、もう少しで同じ部屋の婷婷(訳注:同じチームXIIの蔣舒婷のこと)を起こしてしまいそうでした。

少し前、実家にもどったとき、SNHに入ったことを後悔していないかとお父さんが聞いたので、後悔していない、普通の人が経験できないようなことを経験できているし、メンバーたちや、ファンのみんなという、たくさんの得難い人に出会ったから!と答えました。

私は一度負けても降参しない人です。でも思うのは、いま、ファンのみんながまだ私の背中を押してくれているとき、応援会が困難に直面しているときこそ、絶対に負けられないと思います。絶対に。

私には野心があります。この野心は時間がたてば弱まるとか、私のことを嫌いな人のせいですり減るようなことはありません。道のりは厳しく長いけれど、実行すれば必ずたどり着けると信じています。

具体的に何が起こったかは、彼女の応援会のアカウントが、驚くべきことに、持ち逃げした犯人の顔写真とともにさらしている。

警察の捜査の結果、この犯人を検挙する段階にいたったので、ツイートで公表したようだ。

要約すると、この人物は応援会の中心メンバーで、2017年4月から5月の間、応援会の応援服の製造委託先との連絡責任者だった。

ハンドル名「一哥」。委託先の都合で応援服が届く前に入金が必要とウソを言って、応援会リーダーから費用を受け取った。

その後、応援服の刺繍部分に問題があるという理由で半月納品を引き伸ばした後、そのまま姿を消したということらしい。

応援服の委託先に確認したところ、じっさいの見積金額より、この人物が応援会に請求した金額の方が高く、納期遅れもなく、納品よりさきに代金を払う必要もなかったとのこと。

この人物がだまし取った金額は、応援服の製作費用3,028元、その手付金1,140元、応援会の友人から借りた借金8,000元余り、この人物が管理していたクラウドファンディング集金額11,295元。

合計すると、日本円で37万5千円を持ち逃げしたことになる。

そして「邵友紅」という本名と顔写真がさらされている。

応援会の中心メンバーがこんなことをすれば、すぐに面が割れることくらい本人も分かると思うのだが、よほど金に困っていたのだろうか?

それにしても応援会の中心にいたファンに裏切られたシャオチー(徐詩琪)の気持ちを想像すると、やりきれないものがある。

つぎは、アイドル自ら資金集めを呼びかけるパターン。今回の総選挙でも何件かあったのだが、上海SNH48三期生チームHIIニーズ(謝妮)が2017/06/20 下図のようなツイートをした。

応援会の特別資金集め活動期間内に10元以上(約160円以上)提供したファンが、このツイートのコメント欄に証拠になる画面ショットつきでツイートし、10人以上のファンがその入金が本当だと確認するコメントをつけること。

かつ、ニーズ(謝妮)応援会の通常の資金集め活動で2.12元(約32円)を入金すること。

この条件を満たすとスマホ用の壁紙がもらえるという、とても地味なキャンペーン。

ただ、このツイート、一度書き直された後、削除された。その後、彼女の応援会がまるまる同じツイートをしている。中国2ちゃんねるの掲示板で、メンバー自ら資金集めしているとツッコミを入れられたからなのかは不明。

別の北京BEJ48のとあるメンバーは、自分で自分の応援会の資金集めに100元入金したとツイートしていたくらいなので、これくらいはぜんぜんフツー。

最後は、ちょっとどうかな?というエピソード。

中国ツイッター(新浪微博)のフォロワーが1,500万人以上というアルファブロガーが、以前から上海SNH48一期生ダイモン(戴萌)のファンということで、現地ファンの間では有名だったらしい。

そのアルファブロガーが2017/06/19に以下のようなツイートをした。

この人は北京でカフェを開業したらしいのだが、ダイモン(戴萌)ファンが来店して消費してくれた金額の2倍を、この人自ら、上限なしでCD購入にあてるという。

また、このツイートをリツイートしてくれれば、総リツイート数×0.5人民元を応援会の投票資金として提供するとのこと。こちらは上限16,800人民元(約27万円)。

つまり、この太っ腹なファンは、自分が開業したカフェに来店してたくさんお金を使ってもらえば使ってもらうほど投票資金を出します。

かつ、リツイートで自分のカフェを宣伝してもらえば、それに比例して投票資金を出しますと言っている。

この人にとっては、低コストで自分が開業したカフェを宣伝できるし、ファンにとっては大したコストをかけずに集金活動に貢献できる。完全にWin-Winの関係になっていて、いいアイデアだと思う。

ところが、である。

ダイモン(戴萌)応援会がこのアルファブロガーのやり方に猛反発し、この企画に協力するなと呼びかけているらしいのだ。

その猛反発の理由はいったい何なのか分からない。筆者が思いついた理由は「嫉妬」くらいしかない。

アルファブロガーがネット上の知名度を利用して、かなりの額の資金集めキャンペーンを独自に始めたので、その影響力の大きさに応援会として「嫉妬」したんじゃないか。

でも応援会が本来の目的を見失わず、ダイモン(戴萌)が今年こそ「神7」に入るという目標を達成するには、個人的な嫉妬や反感は捨てて、こういうキャンペーンと合理的に協力すべきだと、個人的には思う。

結果的には、それによってダイモン(戴萌)自身も、これから一年間のアイドル活動をハッピーに過ごせることにつながるんだから。

どうもヲタの方々は、ときどきヘンなプライドから内輪もめを起こして、結果的に自分たちが応援しているアイドル本人を困らせることがあるようだ。

筆者はヲタではなく、単なるファンなので、自分がいい年をしてアイドルファンであることに後ろめたさと恥ずかしさを感じている。

それに、自分がファンになったメンバーがすることは何でも正しい、何でも素晴らしいなんていう狂信主義者でもない。

さらに、自分がファンになったメンバーに、ダイレクトメッセージでいちいちアドバイスするようなこともしない。ファンよりもメンバー自身の方が自分の立場を理解しているのは当たり前だからだ。

以上、総選挙の資金集め関連のネタを3つご紹介しました。

シャオチー(徐詩琪)の資金持ち逃げ事件は、じっさいの犯罪なので、本当に彼女が気の毒だ。めげずに応援会と協力して最後まで戦ってほしいと思う。