SNH48第四回総選挙中間発表と「圧票」という投票戦略(?)について

SNH48グループ(北京BEJ48、広州GNZ48、瀋陽SHY48含む)第四回総選挙の中間発表が2017/07/09(日)に行われた。

その結果と速報時の票数の比較については、このブログのこちらのページをPCで見て頂ければと思う。

それはそれとして、現地ファンが各種資金集めサイトの各メンバーの集金状況から計算した票数(1票32人民元と仮定)と、今回の中間発表のじっさいの票数を比較すると、非常に興味深い。

あきらかに「圧票」している応援会が、ハッキリわかりすぎるほど分かるのだ。

現地SNH48ファンのスラングで「圧票」とは、集めた資金をわざと投票せずにためておく、という意味。

当然、他のメンバーの応援会に手の内を見せず、牽制することが目的である。

反対語は「ALL IN」で、その時点で集まった資金をいったんすべて投票すること。応援会が中国ツイッター(新浪微博)で「ALL IN」宣言することもある。

SNH48二期生リサ(陸婷)の応援会や、筆者が最近応援している広州GNZ48チームNIIIミッフィー(劉力菲)応援会は「ALL IN」を宣言している。

その時点の手の内をすべて明かすことになるので、他メンバーの応援会に足元を見られるおそれがある。あるいは、「ALL IN」宣言が実はウソで、じっさいは「圧票」するという高等戦術(?)の可能性もある。

では、下図をご覧いただきたい。

左端が、現地ファンが各種集金サイトの集金額を合計し、32人民元で割って推計した総票数。推定集金額からすると、これだけの票数になるはずだ、という票数。

その右がじっさいの中間発表の票数。

さらにその右は、中間発表でいったん圏外になり、票数が見えなくなったメンバーについてだけ、速報票数を記載した。

右端の列は、資金から推計した票数と中間発表票数の「乖離」だ。

「乖離」のマイナスが大きければ大きいほど、「圧票」、つまり「資金は集まっているが、わざと投票していない」ことになる。

「圧票」の程度を示すために、濃いオレンジ色は「乖離」がマイナス50%以上、薄いオレンジ色は「乖離」が25%以上。

集金額が上位のメンバーで、濃いオレンジ色の、タコちゃん(張語格)、ダイモン(戴萌)、チュンチュン(袁雨楨)、ニモ(費沁源)、マオマオ(李宇琪)あたりまでは、おそらく「圧票」していると思われる。

それより下のメンバーは、こう言っては申し訳ないけれど、「圧票」で手の内を隠してもあまり意味のない票数なので、応援会の組織票以外の個人票が多いのだと思う。

(詳細解説のつづきは表の下)


かなり露骨なのは、タコちゃん(張語格)の応援会だ。中間発表の7,858.2票のほとんどは、おそらく応援会の組織票以外の、個人票と思われる。

ダイモン(戴萌)応援会、チュンチュン(袁雨楨)応援会もかなりの「圧票」をしていると思われる。

チュンチュン(袁雨楨)は速報で圏内に入って票数が公開された後、中間発表でわざと圏外にして票数が見えないようにしているようだ。

ただ、これらメンバーの応援会が「圧票」したとしても、現地ファンが左端の数字のように、日々の各メンバーの集金総額試算から「これだけ投票できるはず」という票数を試算している。

推計ではあるが、これだけ「ネタバレ」されているので、実際には「圧票」しても他メンバーの応援会を牽制する効果はほぼゼロなのだ。

それでもなお「圧票」の効果を出すには、この集金状況の試算対象になっている集金手段(主要なクラウドファンディングサイトの「微打賞」と「Owhat」、ショッピングサイト最大手タオバオ(淘宝)の仮想商品販売による集金)以外の手段で集金する必要がある。

たとえば応援会の構成員どうしに絶対の信頼関係があれば、銀行口座に直接入金するとかだろうか?応援会の誰かが持ち逃げする危険性がなければ、ふつうに銀行口座をつかうこの方法で、他メンバーの応援会や、現地ファンの視界から見えなくすることができる。

ところで、以上の「圧票」の話とは関係ないが、表の下の方で緑色にしたのは、逆に、集金額よりじっさいの票数が多く、その「乖離」が50%以上のメンバー。

下位メンバーに集まっていることから、単純な誤差か、応援会の組織票以外の、個人票が多いメンバーと思われる。

つまり、下位メンバーの順位は組織票の割合が少ないため、かなり流動的で、最終結果でガラッと入れ替わる可能性が高い。

また、これら集金額よりじっさいの票数が多いメンバー(緑色)が下位に集中していることから、この現地ファンの集金状況推計には一定の信頼性があると言える。上位メンバーにも緑色が多ければ、この集金状況推計そのものに疑問が出てくるので。

以上、「圧票」しても見え見えなのに、それでも「圧票」する応援会の意図が不明、というお話しでした。