上海SNH48第四回総選挙17~32位『グロリアス・タイムズ(絢麗時代)』超駄作MVにツッコミを入れまくる

上海SNH48グループ第四回総選挙第17~32位メンバーのMV『グロリアス・タイムズ(絢麗時代)』を、同じ日に公開された広州GNZ48『SAY NO』MVと比べながら、こき下ろしてみたい。

もちろんメンバーは悪くない。すべては上海SNH48の映像制作の才能のなさのせい。

このMVをひとことで言うと、アトランティスホテルのCM。

同じようにプロバスケリーグと協賛した『SAY NO』は、協賛しつつもメッセージ性があるのに、このMVは単なる協賛企業の広告。

やたらと空撮が多いが、ロケ地が良くて、お金があって、アイデアがなければ、空撮でいくらでも見栄えのあるカットは撮れる。

広州GNZ48『たんぽぽの足跡』MVで、空撮が意味のあるカットでしか使われていなかったのを思い出してほしい。

最初の魔法のランプのアップで、ランプのデータのオーバーレイが出て来る。

広州GNZ48チームZ公演『コード林和西』のPR映像のオーバーレイと比べれば、その手抜きぶりがよく分かる。GNZ48のオーバーレイはフォントが読める大きさで、すべてのパーツがアニメーションする。

このGNZ48の公演PR映像と、『グロリアス・タイムズ』の制作費にどれだけの差があるか想像すれば、どれだけ『グロリアス・タイムズ』がヒドい映像作品かが分かる。

次、ホテルの車寄せにキャデラックが2台入ってくるカット。

ヤシの木から車寄せにカメラが降りていき、その後、メンバーが車から降りてくるカットで、なぜ早回しを使うのか理解不能。カットを割ればいいだけの話。なぜカットしないのか全く意味不明。

それでいて、ナナちゃんが歩き出すところでナゾのカットが入る。まったく画角もフレーミングも変わっていないのにカットが入るのだ。

その後、4人の後ろ姿にカットが変わるが、その間にもなぞの早回しがある。ここもカットを割ればいいだけの話。なぜムリにワンシーン、ワンカットに見せようとするのか意味がわからない。たぶんそういう撮り方がイケてると勘違いしているのだと思う。

このMVで広州GNZ48より優れているのは、ダンスシーンと衣装だけ。技術は三流もいいところ。本来カットを割ればいいところが、すべて早回しでつながれている。

最悪のカットの一つがこれ。

曲名よりも大きい、画面いっぱいのフォントで、「GAME START」というMVの設定説明が出て来るこのダサさ。

曲名が『GAME START』なのかと勘違いしそうになる。救いようのないダサさ。こんなMVを作って恥ずかしくないのだろうか。

このフェラーリのカットも、単なるフェラーリのCMか、モーターショーのイベントコンパニオン。

メンバーを撮りたいのか、フェラーリを撮りたいのかが分からない。「どうだ、このMV、金かかってるだろ」ということしか伝わってこない。

そしてこのチェスの演出が何なのか教えてほしい。

「ホテルにこんな面白いものがあったので、小道具に使ってみました」という以外に説明がつかない。きっとそうなんだろう。いかに制作者のアイデアが貧しいかが分かる。

そしてこのオーバーレイは何なのだろう。誰が何を見た結果、このオーバーレイになるのだろうか。

当然ここまでのカットにならって、スマホのアップで画面のはめ込み合成にすべきだろう。

下のカットもそう。なぜ文字の色がピンクから突然ブルーに変わるのかも分からない。じっさいには後で文字の色の意味は分かるが、ここまで全く説明がない。

メンバーのカットを増やすためにスマホ画面のはめ込み合成ではなく、画面のオーバーレイにしましたという理由なら、文字は全部左下に寄せて、ちゃんとメンバーが映るようにするべき。

ポストプロダクションをしている人間は、そんなことも気づかないのだろうか。

やっと画面のはめ込み合成になったと思ったら、文字の色がブルー。

文字の色が変わる理由は後のカットで分かるのだが、実はこのカットの文字の色は誤り。このカットはミッフィー(劉力菲)がいるので「ADVENTURE TEAM」。文字の色は赤でなければいけない。

この水族館のエイのカットなんて、全然いらない。

こんなカットを入れる時間があればメンバーを撮るべき。どうしてもこのカットを入れたいなら、メンバーが水族館にいる「引き」の絵の前に入れるべき。場面転換のとき、まず新しい画面の部分的なカットから入って、人物の引きの絵を撮るというのが基本。

この「MISSION COMPLETE」のカットも、安っぽすぎて、ダサすぎて、もはや笑うしかないレベル。

この「視聴者から100万個の”いいね!”をもらうこと」というカットもデザインとしてダサすぎる。フォントの色がなぜ水色とピンクの2色なのかも不明。

そして上のカットだが、メンバー16人を4画面に割るべきなのに、なぜ右下の画面はジェニー(孫珍妮)とハムスター(嚴佼君)の2人しかいないのか不明。

本来、4人ずつ収まったカットにすべきだが、現場で4人のカットを撮り忘れたのが原因と思われる。

次のカットだが、「GAME START」や「MISSION COMPLETE」はあれだけ大きなフォントなのに、こういうオーバーレイのフォントが小さすぎて、地味すぎて、ネット生放送していることも分からない。

そしてここまで来て、つまり、MVがすでに半分終わったところで、初めて4チームそれぞれにチーム名が付いていたことが分かる。このナナちゃんのチームは「LUXURY TEAM」。

下の室内スキー場のチームは「ADVENTURE TEAM」。

どうして最初、4人それぞれが「GAME START」の司令を受け取るシーケンスで、チーム名を示すカットを入れないのか、まったく理解不能。

こういうオーバーレイが邪魔。ナナちゃんの顔にかぶってる。なぜこんなポストプロダクションをするのか意味不明。

それに、上のこの4人はいったい何を観ているのか。この「请展示10种不同的服装搭配」がいったいどこに映っているのか教えてほしい。

下の鏡像なら分かる。スマホ主観のカメラということだ。

ただそうすると、周囲のネット生放送のつもりのオーバーレイが鏡像でない理由が不明。ことごとくこれ。プロが作ったとは思えない、ちゃんとつながっていない映像。

ここでやっと4チームめの「ACTIVITY TEAM」が出て来る。

先ほど、Macbookの4つ割りの画面の右下にこの2人しかいなかったのは、このカットの使いまわしだからだ。

4人のカットを撮り忘れたということが、観ている人間にバレないとでも思っているんだろうか。

で、このたそがれのドバイ背景に、イケメンのシルエットという、紳士服のCMみたいなカットが必要な理由を教えてほしい。

「ACTIVITY TEAM」の残りの2人がやっと登場。またオーバーレイが邪魔。

どうしてわざわざマネー(錢蓓婷)の顔を隠すような位置にもってくるのか。中央下と、右下に空いている場所があるんだから、そこへ持っていけばいい。どうしてメンバーの顔を隠すのか。

この4画面割りも同じ。

「ACTIVITY TEAM」だけ4人そろっていない。すべては4人のカットの撮り忘れが原因。また、最初の4つ割りの画面と、チームの位置が変わっている理由も不明。カットが正しくつながっているかという、基本的なチェックをしてない。

このナナちゃんのカットも全く不要。

海に向かって勝利の雄叫びでも上げたいんだろうか?

勝ったのはナナちゃん一人じゃなくて「LUXURY TEAM」の4人なのに、なぜ一人で喜びをかみしめているのかも意味不明。

この魔法のランプ(?)が忽然と現れたらしいことは分かるが、ナナちゃんがこれを見つけたことを説明するカットがない。そもそもなぜ噴水の池の中なのか。

ナナちゃんがこれを見つけるカットは簡単だ。ナナちゃんの後ろ姿舐めで、ピントをナナちゃんに合わせておいて、ゆっくりランプをズームしながらランプにピントを合わせればいい。

その後、カットを割って、ナナちゃんがランプを見つけて驚いているカットをつなげる。なぜこんな簡単な絵コンテさえ書けないのか。

空撮など、凝る必要のないところでムダなことをしているのに、撮るべきカットは撮らない。

最後の花火だが、ショーが始まる時間は決まってると思う。

夜のパーティーのシーンを撮るなら、メンバー舐めで花火を見上げるカットくらいナナちゃん一人でも撮ればいいと思うのだが。

最後のシーケンス。ナナちゃんは大事そうに、ゲームに勝って獲得したランプを持っている。

その大事なランプをテーブルに置き去りにして部屋から去る。どうして大事なランプを置き去りにするのか。

そしてこの視線はいったい誰を見ているのだろう。

視線の先の高さからして、誰かが部屋に入ってきたとしか考えられないが、その人間はランプより大事だという意味になる。

おそらくこの演出をした人物は、このカットがそういう意味になるということさえ理解していない。

どうせコミカルなMVなんだから、ランプを持ったままボワっと煙が出て、ナナちゃんがびっくりしていったんのけぞるが、タイトルのロゴと重ならないように、テーブルに突っ伏して、やれやれっていう顔でカメラを見る、というエンディングでいいと思う。

誰かが入ってきたのでいっしょに部屋を出ました、というナゾの演出をするよりは、それくらいコミカルなエンディングでいいと思うが、何か問題があるだろうか。

以上、すべてのカットにツッコミどころがあり、素人が制作したようなMV。

しかもダンスシーン以外、肝心の楽曲『グロリアス・タイムズ(絢麗時代)』がまったく印象に残らないという、何のためのMVなのか不明。

こんなものを作るくらいなら、最初からダンスVer.だけでいい。