広州GNZ48全チーム合同ハロウィン特別公演は笑いすぎで腹筋が痛い神公演

広州GNZ48三チーム+研究生合同の昨日2017/10/29(日)ハロウィン特別公演は、広州GNZ48運営のエンタメ魂炸裂の神公演だった。

ユニット曲部分は、各曲の最初に現地の中国の若者なら知っている中国映画の引用を放送して、それをお題にコントがあり、そこから曲が始まるという構成。

その中で筆者が腹を抱えて笑ったのが『わがままな流れ星』。

冒頭に流れたのは台湾の男性4人アイドルグループ「F4」出演の『流星花園』。ご存知のように日本の少女マンガ『花より男子』が原作で大ヒットした。

その映像の最後に、タイトルが『流星花園』から『流星後花園』になって、観客が大爆笑。

オリジナル画像はこちら。

「後花園」は中国2ちゃんねる(百度貼吧)の某掲示板の通称。

上海SNH48グループメンバーの醜聞を掘り起こして、徹底的にメンバーを個人攻撃する掲示板。中国語の発音「Hou Hua Yuan」の頭文字を採って「hhy」と表記される。

この掲示板のことは現地ファンもSNH48グループメンバーも全員知っているが、破壊力があまりに強すぎて、この掲示板に書かれたことで精神的にダメになってしまうメンバーもいる。

ファンと私的に連絡をとったとか、男性と恋愛関係にあったとか、メンバーどうしが不仲だとか、どこどこのチームは完全に人気がなくなったとか、とにかくSNH48グループに関するネタが次々書き込まれる。

で、そのタイトル「流星後花園」の「流星」が『わがままな流れ星』とかかっているのは言うまでもない。

4人のメンバーが現れて、舞台中央で決めポーズ。これがF4の画像とピッタリで爆笑。後列左のルイツ(龍亦瑞)の全然笑っていない笑顔がウケる。

その後、だんご(陳雨琪)が「中泰F4特別公演にお越し下さいましてありがとうございます。この後はハイタッチ会と投票があります。みなさん私たちとハイタッチしましょか」とアナウンス。「中泰」は広州GNZ48劇場があるビルの名前。

特別公演が終わったという設定で、ハイタッチ会が始まる。

舞台左からファン役の程一心が登場。「中泰F4」の一人ひとりとハイタッチするが、ルイツだけスキップする。

するとルイツが「ちょっと、そのファン。聞きたいんだけど、何で私のハイタッチを飛ばしたの?」。ここで大爆笑。

このブログでも以前、上海SNH48チームNII公演後のハイタッチで、ななし(馮薪朵)のハイタッチをわざと飛ばしたと誤解された女性ファンが、上記の掲示板でものすごいネタになった。

そのことから分かるように、ハイタッチ会でメンバーを飛ばす行為は、そのメンバーが別のメンバーのファンから嫌われている(ディスられている)ことの証拠として、盛大にネタにされる。

このコントはその「後花園」ネタを、逆にネタにしているという、メタフィクション的なコント。

ファンがあわててルイツに謝りにかけつけて、「ごめんなさい!ごめんなさい!あなたの背が低すぎて見えなかったの」

ルイツの背が低いというのは、広州GNZ48チームZの定番ネタ。ここでも大爆笑。

ルイツが「なんで足を踏んでんだよ」。これはコントが始まる前の『流星花園』の映像に出てきたシーンの再現。このコント、脚本がうますぎる。劇場のカメラも足を踏んているところを、アップでちゃんと抜いている。

そしてルイツが二の腕の筋肉をみせて、ファンを脅す。

チームZのキャプテン・ナイピン(農燕萍)やルイツの二の腕の筋肉がすごい、というのも定番ネタ。

次のルイツのセリフ。「ゴメンで済んだら、劇場支配人いらんわ」

これも「後花園」でよくネタになる劇場運営批判。劇場スタッフや支配人がファンからのクレームへの対処を誤って、過去何度か大きなトラブルになっている。北京BEJ48の前劇場支配人(CEO)は、それが原因で辞職したほどだ。

ここではそれをネタにしている。この広州GNZ48のコントのメーターの振り切れ具合がものすごい。

最後は「劇場支配人!」と叫んでオチ。

『わがままな流れ星』を歌い終わった後も、同じ決めポーズ。

お笑い用語でいう「天丼」もあるコントになっている。

じつは広州GNZ48が「後花園」を逆手に取ったメタフィクション的なネタができるのには理由がある。

「後花園」掲示板で、もっとも醜聞が出てこないのが広州GNZ48なのだ。

ファンとの私的な連絡や男性との交際が出てきたら、即アウトなので、そこまでのネタはなかなか出てこない。

よく出てくるのはチーム内でのメンバーどうしの対立。つい最近は北京BEJ48チームBで、熊素君、牛聰聰、孫姍の対立ネタが盛り上がった。

直接のきっかけは孫姍が大学の男子学生と撮影した短い動画で、馴れ馴れしすぎることから叩かれ、それに乗じて熊素君が公式アプリ「Pocket48」の「メンバーの部屋」で孫姍を汚い言葉で罵り、二人がネット上で口げんかを始めるという「後花園」的には、ものすごくおいしいネタ。

ルーリー(曾艷芬)、アキちゃん(劉增艶)、熊素君あたりは「後花園」の定番メンバーで、よく叩かれる。ルーリーの最近の中国ツイッターやFacebookへの書き込みは、頭がオカシイんじゃないか?と徹底的に叩かれている。

なぜ広州GNZ48の醜聞がなかなか出てこないか?

それは、他のSNH48、BEJ48と比べて、人気のないメンバーも含めて、不思議なほどメンバーどうしの不仲のウワサが出てこないからだ。(瀋陽SHY48は「nbsc」 (nobody cares)、つまりネタにさえならない、もうどうでもいいグループ扱い)

逆に広州GNZ48の仲の良いカップリング(百合ネタ)は、CK(陳珂)とKimmy(鄭丹妮)、ツオツオ(左婧媛)とリカちゃん(唐莉佳)、ミッフィー(劉力菲)とチェンチェン(劉倩倩)のように成功している。

しかも広州GNZ48運営は今回の特別公演のように、ぐうの音も出ないほどファンを徹底的に楽しませてくれる。

だからこそ広州GNZ48はここまで思い切ったネタができる。同じ台本を上海SNH48がコントでやったら冗談で済まなくなる。

だから広州GNZ48の公演は安心して観られるというわけだ。

なかなかネタが出てこないので、今回の特別公演にしても、広州GNZ48のポジティブなネタが「後花園」に書き込まれると、いっせいに「中泰滚去克」というレスが付く。「中泰(=GNZ48)は出て行け」という意味だが、逆に、それくらい悪い話が出てこないグループということだ。

腹を抱えて笑えた、今回の広州GNZ48全グループ+研究生のハロウィン特別公演だった。