AKB48中国再進出は国交正常化45周年の文化交流でビジネスではなかった件

AKB48の中国進出が、JKT48のような営利事業ではないことがはっきりした。

最初からSNH48のライバルにならないことが分かって、ちょっとガッカリだ。

先日2017/11/20(月)に渡辺麻友さん、向井地美音さん、小栗有以さんが上海で行ったファンミーティングは、じつは日中友好という政治的文脈であり、ビジネスとは無関係だった。

中国共産党機関紙『人民日報』ネット版の以下の記事を読めば分かる。

「AKB48が上海で開催の「中日友好文化交流の旅」スタートセレモニーに登場」(2017/11/24 09:34 人民網日本語版)

今回のAKB48中国進出企画は、日中国交正常化45周年記念プロジェクト「日中友好文化交流の旅」の一環で、「日中の優秀な若者が若いアーティストが相手国で文化交流や公益活動を行うことになっている」。

セレモニーには、在上海日本領事館の総領事、中華分化促進国際交流基金の秘書長、そしてAKB48運営会社のAKSアジアエリアの副総裁、AKB48 CHINAの聯席総裁が出席。これは完全に外交セレモニーで、共同事業立ち上げの記者会見ではない。

そして渡辺麻友さんほか3人は「中国の夢ある女の子たちが積極的に『AKB48の中国姉妹グループ募集活動』に参加し、日中友好交流の重責を担うことを願っている」と話した、とのこと。

たとえAKS側が営利事業のつもりでも、すでに中国政府に「日中友好の文化交流事業」だと釘をさされているのだ。仮にAKB48運営会社側が営利事業のつもりだとしたら、やはり中国を分かっていないことになる。

新たに結成される中国の姉妹グループは中国政府にとって日中文化交流青年団みたいなもので、メンバーになって日本の若者文化を体験してみましょう、という位置づけだ。

これでは中国政府からお墨付きをもらった「国産」営利企業のSNH48の競争相手にならない。

この記事で今回のファンミーティングは「ポジティブな姿勢とプラスのエネルギー(正能量)に満ちた行動で、『日中友好文化の旅』に花を添えた」と総括されている。完全に、中国のお役所言葉だ。

今回のファンミーティングのチケットが、日本円で1万円~2万円という高額だったのも、日中友好のフォーマルなパーティーへの参加料とみれば納得できる。

SNH48に対抗する営利企業になるのかと思ったら、そうじゃなかったので、個人的には肩すかしをくらった感じだ。

ただ今回の新姉妹グループの中国人メンバーについて以下の問題は残る。

(1)中国の愛国歌を歌えるか?歌えば日本メディアにたたかれる。歌わなければ中国の世論にたたかれる。
(2)南京大虐殺を忘れるなというツイートをするか?すれば日本メディアにたたかれる。しなければ中国の世論にたたかれる。
(3)TPE48を「中国の」姉妹グループと言えるか?言えば日本メディアたたかれる。しなければ中国の世論にたたかれる。

新姉妹グループの中国人メンバーは、うっかり何かを言うと大変な目にあう。