上海SNH48チームNII公演中に全員謝罪

書きたくないんだけれど、話がどんどん大きくなるので、上海SNH48二期生チームNIIカチューシャ(李藝彤)問題について。

(なお「カチューシャ問題」と書く理由は、ななし(馮薪朵)ハイタッチ跳ばし事件、ルーリー(曾艷芬)の男性タレントスキャンダル介入や北京幼稚園児童虐待批判ツイート事件のときも全員謝罪までには至らなかったためだ)

ことの経緯は、以前から不仲だったとされる二期生チームNII副キャプテン・テテちゃん(黃婷婷)とカチューシャにつき、2018/02/03のSNH48グループ第四回リクエストアワーに向けて「アンチ」カチューシャが嫌がらせで、2人のデュエット曲に投票する資金集めを始めた。

それに激昂したカチューシャが2017/12/07夜、公式アプリ「Pocket48」生放送で「アンチ」に「死ね」と発言をした。

そこへ事実上退団済みの二期生チームNIIルーリー(曾艷芬)が、事実上カチューシャを攻撃するために、過去のチームNIIの内情を個人アカウントのツイートで延々と暴露。

テテちゃんは映画・ドラマ撮影で劇場公演に出られないこともあり、この間この件について一切発言なし。

2017/12/13のいわゆる「南京大虐殺」の日、カチューシャはこの日が中国の国家追悼日(公祭日)に指定された2014年2月以降、2014年~2016年まで一度も追悼ツイートをしていなかったが、今年初めて追悼ツイート、「突然、愛国者になった」と逆にコメント欄が炎上。

2017/12/15二期生チームNIIきくちゃん(鞠婧禕)ソロ活動開始が発表されると、カチューシャへのお祝いツイートをしたが、コメント欄が炎上したため削除。

その後、SNH48運営会社が2017/12/15 23:54声明を出し、不適切な発言をしたカチューシャに「アイドル失格」宣告するとともに、最近のチームNIIの混乱の原因をほぼすべてルーリーに負わせた。

これらの経緯でチームNIIファン内部で、カチューシャのファンとその他メンバー(とくにルーリー)のファンの対立が深刻化。

この後、2017/12/16深夜にツイートで謝罪したが、同時に「アンチ」への徹底抗戦を宣言。

翌日の夜、SNH48と7SENSESが音楽賞授賞式に出演し、テテちゃんがSNH48代表として受賞スピーチ。長年ファンだった中華圏の大物アーティスト、ジェイ・チョウと初めて同じ舞台に立てたことを話し、運営会社がテテちゃんの対外的な好感度アップを鮮明にした。

昨夜2017/12/21はこれらの後、初めてのチームNII全曲オリジナル公演『以愛之名(愛の名において)』。タレントマネジメント責任者(叶盛)は安全のため、カチューシャを護衛しながら専用車で劇場入り。

公演にはカチューシャも途中から参加、テテちゃんと同じ曲も踊った。

トークコーナー(MCコーナー)になり正副キャプテン主導で、舞台上でチーム全体が謝罪。

その後、正副キャプテンだけ舞台に残り、今回の混乱の責任を取って、後任のキャプテンが決まりしだい2人ともキャプテン辞任と発表。以前から会社上層部やチームメンバーと話し合って決定したことで、最近急に決まったわけではないと説明。

またカチューシャについては、2017/12/23開催の彼女の誕生日ソロライブで謝罪すると説明。

長文になるが正副キャプテンの謝罪内容の文字起こしはこちら。日本語試訳する。

この時、楽屋裏でカチューシャは現地時間21:53、公式アプリ「Pocket48」メンバーの部屋に「??????????」と書き込んでいる。つまり両隊長の話は初耳で、運営会社がわざと彼女に知らせていなかった可能性がある。少なくとも誕生日ソロライブで謝罪する部分は初耳だったと思われる。

ななし:私たちが何を回答して何を説明するのか、以前からみんなが知りたがっていることなので、お話しします。だいたい数日前かな、Pocket48のスタッフが私たちの会社の少し…

テテちゃん:入社年数の長いスタッフのことね

ななし:そういうスタッフも私たちにとても細かい調査をした。実際、当初みんなが知りたかったことを詳細にできるだけスタッフに話したと言うべきでしょう。

そして見聞きしたことの自分自身の印象を何でもスタッフにすべて話した。なのでPocket48公式アカウントのあのツイートが、会社からみんなへの回答と言うべきでしょう。

それからその他の理由で私たち2人の身の上に、何ていうか、チームNIIメンバーに対する指導が行きとどかず、これは私たちキャプテンの怠慢ということだから、ここでみなさんにお詫びします。

(二人でおじぎ。拍手がひとしきり続く)

ななし:みなさんありがとうございます。本当に拍手しなくてもいいから。(テテちゃんに向かって)私たちキャプテンになってどれくらいかな?自分のツイートで私たちがキャプテンになったと書いてからもう1,000日だよね?

テテちゃん:うん。

ななし:1,000日がどれくらいの時間か計算もできない。

テテちゃん:二年?三年?

ななし:本当にすごくすごく長い時間で、じつは私たちチームのメンバーから大きな支援を得ることができた。チームNIIメンバーにすごくすごく感謝してる。でもね、ここで、今回の仕事上の怠慢があったし、いろんな理由もあったので、私たちは責任をとって辞任することにした。

(客席騒然)

テテちゃん:責任逃れじゃないよ。この問題は今決まったわけじゃないから。

ななし:この決定は最近決まったことじゃないの。

テテちゃん:そう。私たち二人でもう何度も考えて話し合った。最近の決めたんじゃないよ。少し前から決めてた。

ななし:今回の事件が起こる前と言うべきでしょう。それで私たちもうずっと今回のことを考えていて、私たち二人とも外での仕事や、ときどき本当に時間が少なくて、チーム内の面倒を見る時間もすごくすごく少なくて、だから私たち二人は…

テテちゃん:この半年か一年近く、私たちが劇場にいる時間はかなり少なくて、チームNIIの他のメンバーと接触する時間も少なかった。新しく入ってきたメンバーのことも気づかってあげられないし、だから確かにキャプテンとして仕事をする時間がどんどん少なくなった。

なのでこの職務はもっとそれに値する人にゆずるべきだと思ったの。でもずっとみんなに言わなかったのは、適切な時期が見つからなかったから。

ななし:それで、今回のようなことがあったので、この機会に言うことにした。じつはとても申し訳なく思ってる。それから一つ、李藝彤のことがある。

彼女のPocket48の発言、生放送での一部の発言がネット上で、私たちグループ内とか、外部のファンのコメントも引き起こして、彼女自身もこの場で自分で謝罪したいととても思ってる。それで彼女は明後日(2017/12/)23日の誕生日会(訳注:カチューシャの誕生日ソロライブのこと)を(謝罪の場に)選んだ。

なので今日は私たち二人がチームNIIを代表してみんなに謝罪します。みなさん彼女が誕生日会で彼女自身が話すことを聞いてほしい。

それから、当然私たちはいまキャプテンを辞めると話したけれど、もう引き受けているこの後の仕事がまだ終わってない。

テテちゃん:適切な時期を見つけて、適切な人選が終わった後に引き継ぎ作業をする。だからみんな最近チームNIIは誰も管理してないと心配しなくていいよ。そんなことはないようにするから。

ななし:私たちは(キャプテンの)仕事を最後までやるから。そしてこの期間、みなさんと私たちチームメンバーが支援してくれたことにとても感謝してます。みなさん本当にありがとうございます。

(二人でお辞儀。客席から長い拍手)

ななし:ああ、この事って……

テテちゃん:もう終わったことだよ。

ななし:まだ終わってない。みんなゆっくり傷をいやして。私たちもゆっくり傷をいやすから。じゃあこのままアンコールに入る。私たち二人も衣装替えしないといけないから。バイバイ。

この公演終了後、現地時間23:29にカチューシャは下図のツイートをし、すぐ削除している。日本語試訳しておく。

カチューシャ:この写真は夏に遊びで撮ったものだけれど、今になってとてもぴったり来るとは思わなかった。
それは私のものじゃない。でも本当にかなり重い。

中国人なら誰でもわかるが、写真の説明をすると、ナベを背負うのは責任を負うという意味。写真の中でカチューシャはナベを背負っているので責任を負うという意味。

しかし彼女は「それは私のものじゃない(它不是我的)」と書いている。「它」は人間以外のモノを指す三人称なので、ここではナベ=責任を指している。つまり「責任は私のものじゃない」という意味。

カチューシャは一貫して、本来自分には責任はなく、自分への嫌がらせでリクエストアワーのデュエット曲に投票した「アンチ」の責任だと主張しており、昨日の時点でもその考え方は変わっていないことになる。

このツイートを削除したのは、彼女自身の意思か、運営会社の指示かは分からないが、2017/12/23の彼女の誕生日記念ソロライブの謝罪では、おそらく同じ趣旨で「アンチ」の責任に言及すると思われる。

そうでないとソロライブの観客、つまり熱心なカチューシャのファンから逆に「どうしてあいつらアンチに謝罪しなきゃいけないんだ!」と非難されるからだ。

以上が昨日2017/12/21の経緯。

ひとつ確実に言えるのは、カチューシャが「アンチ」への徹底抗戦をつづけるかぎり、この問題は終息しないということ。

道義的に言えば、当然カチューシャが正しく、「アンチ」が間違っているが、もはや問題は道義的なものではなく、運営会社の社会的評価に発展しているためだ。

共産主義青年団中央から「優秀青年」に表彰されるなど、一定の社会的評価を得たアイドルグループとして、内部にどのような事情があろうと、外部の人間は理解してくれない。内部分裂はスキャンダルのネタにされ、社会的評価を下げるだけだ。

これが一般のタレント、俳優、歌手ならスキャンダルが逆に人気に火をつけるが、SNH48はウソでも清く正しく美しく、夢・汗・努力を理念とする「商品」なので、商品価値の低下にもつながる。

そして運営会社は、当然、社会的評価や商品価値の方を重視する。