SNH48が国家レベルの文化事業「音楽産業基地」に正式昇級

中国の国家級の四大音楽産業基地(北京、上海、広州、成都)のうち、上海基地が2017/12/22正式に発表され、SNH48星夢劇院が8区域に区分されたプロジェクトの1つに入ったとのこと。

またどこかの評論家が「本格的に愛国アイドル化!」と盛大に誤解してくれるだろう。政治の話ではなく、政府が文化産業を後押しするというビジネスの話。

日本政府が特区を作ったり、特定の産業に補助金を出すのと変わりないんだけれど、いざ中国となると何でも一党独裁に結びつけたがる思考停止の人間が多くて困ります。

数年前、上海市としてすでに虹口区に音楽谷(ミュージック・バレー)を作るプロジェクトは発表されていおり、SNH48劇場もプロジェクトの一環として組み込まれていた。今回はそれが国家レベルに昇級した感じ。

↓こちらは上海東方衛星テレビのニュース。SNH48星夢劇院が出て来る。

下にネットニュースの記事を貼っておく。

以前から強調しているように、SNH48運営会社はアイドルグループというよりベンチャー企業で、設立当初からアイドルをメインのコンテンツとして、ITを活用したO2O(オンライン・トゥー・オフライン)事業を掲げている。

総選挙など各種投票イベントのIT活用による効率化も、日本のAKB48グループよりはるかに進んでいる。マネタイズ自体のコストをいかに下げるか、頭を使って考えているからだ。もちろんダイレクトな金儲け主義すぎるという批判は成り立つけれど。

ネット映画・ドラマ制作でIPビジネスの流行に追随しているのも、公式アプリ自前でリリースして生放送のアイテム課金をしたり、SNH48をテーマにした課金ありスマホゲームをリリースしたり、すべてアイドルをコンテンツにした事業展開。

瀋陽SHY48は不動産デベロッパーとの協業で、東北地区にポップ・カルチャーの地盤が皆無なので成功とは言えないけれど、「文化地産」はまだ模索するだろう。

そこへ国のお墨付きが加われば投資を呼び込みやすくなる。

すべては純粋にビジネスの話。事業を成功させるための国のお墨付きであり、愛国ポーズである。

SNH48を本気で愛国アイドルだと勘違いしている日本人が大勢いる限り、そのうち日本は海外投資でネットビジネスでも電気自動車でもインフラ整備でも中国の後塵を拝し、電子部品の輸出で食っていくしかない国になる。

それはそれでおいしいとこ取りだけれど、表に出る名前はすべて外国企業で、日本は裏方になる。

SNH48もその典型だ。AKB48知らずにSNH48のファンになる中国の若者は、確実に増えている。中国ではもはや48系ブランドはSNH48のものになりつつある。

その原因は、日本企業(AKB48運営会社)よりSNH48運営会社のほうが一枚上手だったからだ。