上海SNH48運営が予備生、劇場MVP問題でファンと直接議論

上海SNH48公式アプリ「Pocket48」運営チームが、最近のあれこれの「事件」について同アプリの中で説明をした。

筆者の理解では同アプリ運営チームは実質的に顧客連絡窓口になっている。最近なぜか運営会社の公式サイトや公式アカウントは、ファンから強い反応があった事柄について公式声明を出さない。「Pocket48」運営チームがもっぱら「顧客対応」をしている。

以下、「Pocket48 口袋48」運営チームはニックネームで「袋王(ダイワン)」と呼ばれているので、そう呼ぶ。

まず劇場MVP投票ルールの改訂について。先日ここでもご紹介したが、劇場MVPはチケットの半券を公演終了後に観客が良かったと思うメンバーに投票することで決まる。

ところがメンバーの応援会の中には半券をわざわざ買い取って、自分のメンバーをMVPにすることが横行している。今回のルール改訂はこれを防ぐ目的もあったが、やはりすり抜ける手口を見つけられて状況は変わらない。

個人的にはルールを守らないファンの資質の問題だと思うが、中国では運営会社側の対策が甘いということになってしまう。この件についての袋王の説明。

私たちもこの種の問題、半券の転売の問題について考えました。

いま試行段階で、徐々に技術的な手段を調整していきます。たとえば開場前にまず一度スキャンして、公演終了後にもう一度スキャンし、両方が同一のスマホで操作されないと、有効票にならないなどです。

ネット投票も始めましたが、もっと厳格にしようと思っています。一人一票になるようなコントロールの方法を考えています。

ただ、半券の販売をする人に新しい問題が出てきます。スマホを頻繁に変えることです。でもそうしたらブラックリスト入りにします。

どんな制度も技術も穴があるので、少しずつ模索しているところです。

(劇場MVPランキングの発表には)二つの案があって、一つはメンバーバージョンのPocket48だけに表示する案、もう一つはTOP7名だけを表示する案です。

今回、特別公演の機会を利用して旧正月前に少し試してみました。旧正月の後、各チームの千秋楽が終わった後に、少しずつ定型化します。

これも諸刃の剣で、(劇場MVPを)発表しなければ、どうでもいいと思って、態度がいい加減になります。発表したら発表したで、人気が低いだけで、パフォーマンスは決して劣っていないメンバーに不公平になります。

実は劇場MVP投票はずっと前からあって、オフラインで完結していたというだけです。でもオフラインでは問題があります。何のプレッシャーもないので、モチベーションがなくなるからです。(訳注:劇場MVP投票をオンライン化すると日々リアルタイムにランキングが見えるので、メンバーのモチベーションにつながるという意味)

「袋王」の言っていることは、運営会社の方針を正とすれば、非常にまともだと思う。劇場MVP投票のオンライン化と透明化はまだ始まったばかりのルールだからだ。

ただ、透明化自体が長期的に見て本当に運営会社、メンバー、ファンのお互いの感情的な信頼関係を強める結果になるかは、ビミョー。

次は第四回リクエストアワーの「大組閣」で新設された「予備生」制度について。これはかなり評判が悪い。

黃彤揚は出勤率が少し低すぎます。これも主な原因かもしれません。

実はみなさん予備生になるとチャンスがなくなると思っているかもしれません。それは間違いで、たとえば黃彤揚の場合、じつは彼女にとっては、当面まだ彼女自身が学業のプレッシャーが大きいかどうかを観続ける必要があります。

「予備生」に降格された黃彤揚に話が限定されているが、彼女の場合、学業と本当に両立できるのかを見極めるためにも、いったん「予備生」に降格して仕事をお休みするのには意味があるということ。

では他のメンバーは?成珏、溫晶婕、姚禕純、張文靜などは?という疑問は残る。

次に、最近、広州GNZ48の評価が非常に高く、いつも上海SNH48運営が比較されて「ダメだ」と言われる件について。

じつはSNH48とGNZ48の差の主な原因はメンバーの気力と体力にあります。チームX公演のクオリティは低いですか?決して低くありません。チームXには気力と体力があるからです。

SNH48の中心にある問題はメンバーが現時点の自分の状況をはっきり分かっていないことです。多くのメンバーが流れに流されて、必死で努力しようという気持ちや、競争意識に欠けていて、ただ現状のままでいて、気楽にやっていきたいと思っているだけです。唯一の目標が変わってしまったら、どうして気楽にお金を稼げるでしょうか。

しかも後輩チームのメンバーに、たくさん悪いお手本を示しています。

そう、立て直しが必要です。必ず立て直さないといけません。立て直す時に、思わぬ出来事が起こるのは避けられません。左に傾くかもしれませんし、右に傾くかもしれません。でも私たちの初心はより多くのメンバーが正しい方向に前進してほしいということです。方向を間違ってはいけません。

中心にある問題を解決するには、やっぱりメンバーにもう一度問う必要があります。みなさんここへ何をしに来たんですか?いったいどうすればアイドルになれるんでしょうか?と。

GNZ48はこの点で、メンバーのアイドルとしての意識がすべての姉妹グループに勝っています。

この部分は理屈が通らない。北京BEJ48チームB、チームE、広州GNZ48チームG、チームNIIIは上海SNH48五期生、六期生からの移籍組で結成された。

そのうち北京BEJ48チームEは全曲オリジナル公演『奇幻加冕礼(ティアラ・ファンタジー)』が非常に評価が高かったこと、広州GNZ48チームNIIIも全曲オリジナル公演『第一人称』の評価が高く、比較的早く浮上し、苦戦していたチームGも全曲オリジナル公演『双面偶像』のクオリティで評価が一気に高まった。

チームの人気をベースで左右するのは48系の基本である劇場公演のクオリティー。その点で上海SNH48運営はファンの意見より製作者の考えで、実験的過ぎる公演を作って失敗している。特にチームXIIの『コードXII』。その失敗が結果としてメンバーのモチベーションを下げている。

北京BEJ48チームBはSNH48五期生中心だが、今まで浮上しなかった最大の理由は独自の全曲オリジナル公演がなかったこと。ようやく『B A FIGHTER』公演が出来たが、広州GNZ48のオリジナル公演のクオリティーが高すぎて今さら感があり、ビリビリ動画の「人気値」を見る限り、新しいファンが増えていない。

もともと同じ上海SNH48の五期生、六期生なのに、上海SNH48に残ったメンバーと、北京BEJ48、広州GNZ48で明暗が分かれ、広州GNZ48だけが一つ抜け出している。メンバーが原因という理屈は明らかにムリがある。

本来運営が発揮すべき能力がないことを、メンバーに責任転嫁しているから上海SNH48運営はダメなのだが、どうやらSNH48運営はそれを分かっていない。

次は、映画監督と在籍中から恋愛していたことを告白した、退団済みの二期生・龔詩淇の件。

私たち自身も落ち込んでいます。当時の(ドラマや映画の)プロジェクトのすべての製作者が撮影期間中は厳格に管理していて、どのメンバーも監督と接触するチャンスがなかったことを証明してくれています。この男が後から龔詩淇にダイレクトメッセージを送ったに違いありません。

龔詩淇のことは私も議論したくないです。知れば知るほど、理解できなくなるので。お祝いしてあげればいいでしょう。(訳注:二人はそれぞれ両親の許可も得て交際している)

龔詩淇が確信犯なので、これは仕方ない。運営会社がメンバーのプライベートの一挙手一投足まで管理するのを期待すること自体にムリがある。

残りは上海SNH48二期生李藝彤の件だが、ここまでで長くなったので別記事とする。

ひとつ言えるのは、日本の48系ファンは運営会社とここまでフランクに、しかも直接意見交換する場があるだろうか。

良くも悪くも上海SNH48は一企業であり、顧客の意向を最大限に反映させなければ生き残れないという危機感がある。

一方、日本の48系・坂道系は全てが日本芸能界の大物作詞家しだいだ。ファンはネットで多少暴れることはできるが、基本的に手の届かないところで起こる出来事に直接口を出せない。

どちらが応援のしがいがあるか、どちらが民主的か、ということ。