上海SNH48制作のボクシング映画『倔強甜心』が意外に良すぎて泣いてしまった件

うむむ。上海SNH48映像制作子会社Studio48制作の『倔強甜心』が予想外に良すぎた。

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ただしユーザ登録は必要なので、中国語が読める必要がある。というか、そもそも中国語が読めないと中国語字幕も読めず、映画のストーリーが全く分からない。

中国語が読める方は必見。やっぱりStudio48は時代劇(古装劇)より現代劇を撮ったほうが良いと思う。

ストーリーをネタバレしても、この映画は全く問題ない。SNH48三期生モンスター(劉炅然)の演技が良すぎるからだ。申し訳ないけれどこの映画の演技に関しては、モンスターが完全にmomo(莫寒)を食っている。

ストーリーを要約すると以下のとおり。

国民的女性アイドルとして活躍する楊芸(莫寒が演じている)は、マネージャーに隠れて覆面ボクサーとしてボクシングの試合に参加していたが、彼女の「アンチ」のタレコミでメディアにすっぱ抜かれてしまう。

イメージダウンを嫌うタイアップ企業がすべて手を引き、人気アイドルとしての地位が危うくなる。

マネージャは記者会見で当初は別人であり、デマだと主張するが、このスキャンダルを逆手に取るアイデアを考えつく。

女性ボクシングの試合をリアリティーショーにし、楊芸をチャンピオンにする出来レースの番組『拳力以赴』の制作を計画、大物プロデューサと手を結ぶ。

一方、父親がボクシングジムを経営している趙小艾(劉炅然が演じている)は幼いころに母親を亡くした父子家庭だが、500万元の借金のため父親はジムの立ち退きを迫られている。

父親はかつてのボクシングチャンピオンだが、心臓病を患ったため、死ぬ間際の妻と二度とボクシングの試合に出ない約束をしていた。しかしジムを守る金を稼ぐため、娘に黙って賞金めあてでボクシングの試合に出始める。

それを知った小艾は、母親との約束を破り、心臓病を押して賞金目当ての試合に出ている父を責めるが、ジムを手放したくない気持ちは父親と同じだ。

そのとき小艾は偶然、女性ボクシングのリアリティーショーでチャンピオンに500万元の賞金がかかっていることを知る。その番組が楊芸のマネージャが企画した『拳力以赴』だ。

小艾は父親を説得してその番組に出演することを決める。そして父親は彼女にボクシングの特訓を始める。

他方、楊芸は自由のない芸能界生活の中で、唯一自由を感じることができていたボクシングを、八百長番組のネタにされたことに憤慨している。そして密かに、本気でチャンピオンになるため、トレーニングジムに通って特訓を始める。

なぜ彼女が事務所に隠れて覆面ボクサーをしてまで、ボクシングにこだわっていたのか。それは学生時代、イジメにあっていた親友を助ける勇気がなく、その親友が退学してしまうのを止められなかったからだ。

彼女のマネージャは八百長試合の当て馬として、準決勝に強力な外国人ボクサーを連れてきたが、オーディションに合格した一人の女性が、予想に反してそのボクサーを倒してしまう。それが小艾だ。

小艾は父親のジムを取り戻すべく、父親の特訓を受けて強力なボクサーに育っていたのだ。楊芸のマネージャは思わぬダークホースの出現に焦る。

その試合の後、小艾がバイト先のカフェで働いていると、いつものサングラスの女性客がやって来る。小艾のクラスメイトで同じカフェでバイトをしている徐佳(郝婉晴が演じている)は、その女性客が実は楊芸だと見破っていた。

楊芸がそのカフェに定期的にやって来るのは、カフェの向かいにある花屋で花を買うためだった。その花屋の店員が、学生時代、彼女が守りきれなかったあの親友だからだ。

今や有名タレントになった彼女はサングラスで顔を隠し、少しでも罪滅ぼしにと花屋に通い、その帰りに小艾がバイトをしているカフェに通っていた。

番組の決勝戦での直接対決を控えたある日、小艾はバイト先のカフェで、楊芸と初めて差しで話をする。楊芸は八百長試合をするつもりはない。小艾は父親のジムを守るために闘う。

ここに二人のライバル同士の友情が芽生え、決勝戦では本気で闘う約束をする。

そして迎えた決勝戦。実力が拮抗する二人の対戦はラウンドを重ね、二人とも体力の限界に達したところで、強烈なパンチの相打ちになって二人ともダウンする。

カウントが進む中、二人はそれぞれ守るべきもの、闘い取るべきもののために再び立ち上がる。

…というのがストーリーの要約。

このストーリーでモンスター(劉炅然)の鬼気迫る演技を観られるとなれば、SNH48ファンなら絶対見逃せないだろう。