上海SNH48が十一期生の募集を発表と同時に即日開始した。期間は2018/04/18~05/20のたった1か月。今回は姉妹グループと合同ではなく上海SNH48単独らしい。
なおSNH48グループの最近の募集は以下のとおりで、ふつう募集期間は2~3か月だ。
SNH48十期生、北京BEJ48・広州GNZ48・瀋陽SHY48五期生、重慶CKG48三期生合同募集
2017/12/03~2018/02/28
SNH48九期生、北京BEJ48・広州GNZ48・瀋陽SHY48四期生、重慶CKG48二期生合同:貴州会場追加募集
2017/10/25~2017/11/15
SNH48九期生、北京BEJ48・広州GNZ48・瀋陽SHY48四期生、重慶CKG48二期生合同募集
2017/07/29~2017/10/01
重慶CKG48一期生募集
2017/06/02~2017/08/05
北京BEJ48・広州GNZ48・瀋陽SHY48三期生
2017/04/20~2017/06/25
SNH48八期生、北京BEJ48・広州GNZ48・瀋陽SHY48二期生合同募集
2016/11/01~2017/02/04
なぜ今回の募集がたった1か月で、しかも発表即日募集開始なのか。おそらく、AKB48 CHINA一期生募集へのけん制と思われる。
AKB48 CHINA TeamSH一期生募集は2018/04/10~05/22。
SNH48グループとAKB48 CHINAの応募資格のいちばん重要な違いは年齢。SNH48グループは毎回13~22歳だが、AKB48 CHINAは16~23歳。
48系グループのファンがAKB48 CHINAの一期生に応募しようと、家族の合意を得るとき、今回、SNH48が十一期生の募集を即日開始したことで、「どちらに応募するか」という話になる。
中国中央電視台への出演履歴があり、共産党との関係も良好な「中国の」女性アイドルグループと、日本企業の子会社が運営する「日本の」女性アイドルグループのどちらを選ぶか。
中国人から見ると、SNH48はすでにバッタモノではない。
SNH48は中国中央電視台や全国放送の各種番組に出演しており、共産主義青年団から「優秀青年」に表彰されている。SNH48をバッタモノ呼ばわりするのは、中国国内的にはややリスキーだ。
現地のSNH48嫌いのAKB48ファンは、SNH48を「野鶏団(売春婦集団)」と呼びつづけているが、彼らは非常に少数派で、SNH48ファンよりも「精日」のレッテルを貼られるリスクが高い立場にある。
SNH48がAKB48と決裂した2年前とは状況が変わっている。
学業との両立の面でも、SNH48にもいろいろ問題はあるが、中国の有名大学や芸術系大学に通いつつ両立させているメンバーはいる。また芸能活動の実績の面でも、二期生キクちゃん(鞠婧禕)のソロ活動がある。
他方、AKB48 CHINAは今週末2018/04/21放送開始の中国版『Produce 101 (創造101)』に予備生が2名参加する以外、中国国内での実績はゼロだ。あえて実績を主張しようとすると、SNH48の名前を出さざるを得なくなる。
すでにAKB48 CHINAに応募した人は、今回SNH48が突然募集を始めたため、家族といっしょに両者の比較で悩むのではないかと思う。
皮肉なことに『創造101』やAKB48 CHINAが育成系アイドルの意義を強調すればするほどSNH48にも有利になる。
今回の突然のSNH48十一期生募集は、AKB48 CHINAの一期生募集にどの程度影響を与えるだろうか。