『Produce101』に参加しなかったSNH48こそ正統派48系

SNH48は中国版『101』にあえて参加しなかった。

AKB48は中国版『101』にも、韓国本家『101』(Produce48)にも参加した。

どちらが48系の伝統を忠実に受け継いでいるか?答えは明白だ。

まず中国の48系と『Produce101』の状況から見てみよう。

中国版『Produce101』は中国三大ネット企業のテンセント(騰訊)がMnetから版権を買ってネット放送中だが、SNH48はあえて参加しなかった。

結果、中国版『101』はネット再生回数が数十億回の超人気番組になったが、SNH48は今までと同じく劇場公演、握手会、総選挙、全国放送のテレビ番組などの活動を地道につづけている。

SNH48ファンの多くは参加しなくてよかったと思っているはずだ。48系のコンセプトは未熟なメンバーを自分たちファンが育てることであり、プロにメンバーを育ててもらうことではない。

ただ、SNH48はK-POPを無視したわけではない。

7SENSESという派生ユニットとしてSNH48本体と切り離し、韓国で猛特訓を受けさせた。その結果、K-POPの中国人メンバー、ソンソやキョルギョンとコネを作ることに成功している。

あくまで48系の本流を守りつつK-POPにも手を広げる。とても頭のいい「多角化」だ。

他方、AKB48は中国に再上陸したAKB48 CHINAから予備生2名(毛唯嘉、劉念)が中国版『101』に参加した。しかし実力派におよばず敗退した。ちなみに中国版『101』のトップメンバーには宇宙少女のソニ、ミギがいる。

またAKB48 CHINAの名前を覚えてもらうことにも失敗した。この2人を応援したのはもともと中国にいる48系ファンだけだ。

次に、日本の48系と『Produce101』の状況を見てみる。

本家AKB48は番組名に「48」を付けさせることで韓国に48系を売り込んでいる。しかし第一回放送で韓国の視聴者に「48系メンバーの9割は韓国でつかえない」こと証明した。実力の差は歴然としている。

第二回放送で宮脇咲良さん、松井珠理奈さんがいかに活躍しようとこの事実は変わらない。

心の広いK-POPファンは「FクラスからI.O.Iに入った子もいるからがんばって!」と言ってくれるが、Fクラスの48系メンバーがデビューしてしまったら、もはや48系ではない。

ファンがいなくても、というより、ファンがいない方がメンバーが育つ証明になってしまう。

日本の48系ファンにしてみれば、敗退するメンバーは大恥をかかされるし、「他人に育てられて」実力派になったメンバーは自分たちの手を離れるし、ファンも「お前らメンバーを甘やかしてきただけだろ」と言われる。

48系が『Produce101』に参加するとはそういうことだ。SNH48はそれを理解していた。

SNH48はそれを理解していたので中国版『101』に参加せず、K-POPは派生ユニットでやった。結果、総選挙などの正統派48系ビジネスの収益を確保しつつ多角化に成功している。

日本の本家48系はどうか。おそらく勝者は秋元康だけだ。今回の企画で韓国エンタメ業界とコネを作り、彼自身のビジネスを始める基礎ができた。

いっぽうファンの方は、敗退した推しメンに大恥をかかせ、勝ち上がった推しメンは韓国にとられ、自分たちは「お前ら育てるのに失敗してるぞ」と言われる。ファンは誰も得しない。

SNH48のファンも運営会社の食い物にされているが、未熟なメンバーをファンが育てるという王道を韓国とのコラボで捨てるようなことはしない。

SNH48は事業展開のスピードはAKB48よりはるかに速いが、じつは48系の王道にこだわり続けている。だから水着MVも作り続ける。

中国のバッタモノ48系ファンと、日本のホンモノ48系ファンのどちらが幸せか?

『Produce48』はこの問いを日本の48系ファンに突きつける結果になっている。