共産主義青年団にゼッタイSNH48ヲタがいる!

なんと共産党中国青年団(共青団)の機関紙『中国青年報』2018/08/15に、アイドルグループのファンがクラウドファンディングなどで資金を集める「集資」についてコラムが掲載されていた。

共青団といえば、五四運動にちなんだ中国の「五四青年節」で上海SNH48が元EXOメンバーのレイ(張藝興)とともに「優秀青年」として共青団から表彰されたことがある。

いくら共青団が最近若者向けに中国のニコニコ動画クローンサイト「ビリビリ動画」に公式チャンネルを持つなど、ソフト路線に変わったといっても、ファンクラブの資金集めみたいなコアな話題を記事にするとは思わなかったので、ご紹介する。原文はこちら

なおここまでファンの資金集めが話題になったのは、中国版『Produce101』の最終メンバーを決める投票で宇宙少女ミギ(孟美岐)、ソニ(吳宣儀)のファンが派手に投票資金集めをしたことが、やや否定的にネットの話題になったためだ。

SNH48総選挙は良くも悪くも中国版『Produce101』ほど話題性がなく、あまり目立っていないが、以下の記事の冒頭に出てくる。

しかもSNH48運営会社は政府に気をつかって以前から「総選挙」ではなく「総決戦」と呼んでいるのに、共青団の記事では「総選挙」になっているのが笑える。この記事を書いたのは共青団のSNH48ヲタじゃないか、と思うのは筆者だけだろうか?

ファンの資金集め いったい何を集めているのか?

近年、「ファンの集資」現状がますます広がっているが、この種の起源は韓国ファンがタレントを応援する行為にある。さまざまなオーディション番組の推進で、ファンが好きな気持ちを表現する一種の方法になっている。

その数量規模はますます膨大になっている。つい先日終わったSNH48年度総選挙で、トップのタレントの公式応援会が発表した計算表では、合計900万人民元を超え、ほぼ全てが投票券の購入に使われ、アイドルが頂点に立つ助けとなった。

いわゆるファンの集資は、法律の概念の違法集資とは異なり、ファン個人へ金銭を還元することを保証するものではなく、ファンのアイドルに対する愛が原動力になり、同時にスターの追っかけをする集団と文化的に密接な関係がある。

ファンの集資の一般的な流れは次の通りだ。ある公的に信用のあるファングループ(例えば応援会、応援サイトなど)が一定金額のクラウドファンディング目標を決めて、ファンは直接彼らの開設した口座に入金する。

それらのファンは団体でアルバムを購入し、投票券でアイドルのために活動を盛り上げたり、映画館を貸し切ったり、大型液晶の動画などのCMを購入したりする。多数のファングループが事後に資金明細を公開し、ファングループの中で公的な信用を維持し、この種の活動をその後も発展させることを促進する。

なぜファンは直接自分でアルバムを購入して投票せず、自分のお金を他人の手に渡すのか、疑問に思う人がいるだろう。こういうファンも当然存在する。彼らはファングループの中で「散粉(散在しているファン)」と呼ばれる。ファングループの中心にはおらず、個人の意思で行動するファンという意味だ。

しかし、インターネットのSNSプラットフォームはファンの集団化を推し進め、同じアイドルのファンは自然といっしょに集まるようになる。

ファンが集まればコミュニティーが生まれ、コミュニティーが生まれればリーダーが必要になる。時間の推移とともに、ファンのコミュニティーは最終的に数人の中核になるリーダーがリードする同心円の構造になる。求心力で外向けに影響力を発信するようになり、コミュニティー外のファンの大規模な行動を率いるようになる。

ファンの集資は集団行動の典型的な代表事例だ。ファンのリーダーはその前に人より優れた点を見せて、動画編集や、写真撮影などの技能でファンを引き寄せる。あるいはお金を使って投票することで十分な愛を見せる。

そうやってファンの間に十分な公的瀋陽を得て、初めてファンたちに呼びかける十分な力を持ち、コミュニティー外のファンを勢いづけて、ファンコミュニティーに溶け込める雰囲気を作り出し、バラバラにファンをやっていたときよりも多くお金を使わせることができる。

彼らは十分な動力になるスローガンをよく使う。「劍指第一(第一位を目指せ!)」「逆風翻盤(逆風をひっくり返せ!)」など、こうしてファンに集資の重要性を強調し、ファンのコミュニティーに一致団結の感覚を生み出す。

あるファンは言う。「集資で”燃える”感じになって、みんながいっしょに心を一つにしてアイドルのために何かをしたいと思うようになります。しかも目標があればみんなさらに積極的に参加したいと思うようになります。以前は『烏合の衆』という言葉で、”集団の中にいるとき、私たちは自分を失う”と言われましたが、ファンのグループの熱狂的な雰囲気と集団の一体感に、ファンは巻き込まれて自分の財布を”自ら喜んで”開けるようになります」

ファンの集資の過程で、”集める”とはファンのコミュニティー文化の照明で、”資金”はこうして見られるファン経済の直観的な表現なのは、容易に見て取れる。

現在爆発的人気のTFBOYS、『偶像練習生』などのタレントグループは、すべて”育成系”の色彩を帯びている。ファンは喜んでお金とパワーをつぎ込み、それと引き換えにアイドルと共に成長する満足感を得て、”話題性”を”資源”に換える期待感が生まれる。

あるファンは率直にこう語っている。資金を集めて雑誌を大量に購入したり、アイドルがイメージキャラクターになった商品を購入したりするのは、「企業や監督に私たちのアイドルの人気とファンの購買力を見せつけ、もっと注意をひきつけたいと思うからです」。

ファンの行動が一体どれくらい人気を支えているのか知ることは難しい。しかし”ファン特製”はすでに何ら新しいことではなくなっている。さまざまな大型ブランドが次々と単発のイメージキャラクターキャンペーンをくり出し、ファンの購買行動を刺激したり、評価の高くない映画も今までどおりファンによって億単位の興行成績を得ている。

ファン経済がもともとの市場構造をこじ開けて、より広大なビジネス空間を展開していることは間違いない。

もちろん、ファンの集資の原動力はグループの一体感から来ているため、ときに崩壊するリスクがある。ファンコミュニティー内部の自己検査、自律だけに頼るのは明らかにその膨大な規模を支えるのに不足している。詐欺師がそれに乗じて感情に訴えて金を巻き上げるチャンスを与えてしまう。

最近、あるファンの応援会が金を巻き上げてサイトを閉鎖し、帳簿が公開されず不透明なままになった等の議論になるニュースがあり、多くの批判の声を引き起こした。ファンの集資行為に対する監督行為を重視し、ファンの応援プラットフォームの管理を強化することを、議論のテーマにする時が来ている。

林子璐

やっぱりこの人、SNH48ヲタのような気がするんだけど(汗)