上海SNH48九期生メインのTeam Ft新公演は広州GNZ48チームGの名作『双面偶像』改編版

上海SNH48九期生メインのTeam Ftはデビュー依頼、SNH48チームXの全曲オリジナル公演『ドリームフラッグ(夢想的旗幟)』公演をお下がりで上演していたが、2018/09/01から2つ目のお下がり公演を始めるようだ。

その公演は広州GNZ48チームGがまだ上演中の全曲オリジナル公演『双面偶像』。過去のSNH48グループの全曲オリジナル公演で間違いなくベスト3に入る名作。

上海SNH48本部が姉妹グループのオリジナル公演をお下がりで上演するのは今回が初めて。また、最初に公演を始めたチームがまだ上演中なのに、そのお下がりを別のチームがやるというのも初めて。

(このブログで言う全曲オリジナル公演とは、AKB48グループのカバー公演ではなく、SNH48グループが独自に作詞、作曲、編曲、振り付け、構成、舞台演出などすべてを手がけ、SNH48が完全な著作権を有する公演の意味)

広州GNZ48ファン的には複雑な気持ちかもしれない。まだ広州GNZ48チームGが上演中なのに、上海SNH48の後輩チームがなぜ上演するのか、という意見はありそう。

ただ広州GNZ48はすでに3チームシリーズ新公演『Mizz』を発表しており、すでにチームNIIIが最初の全曲オリジナル公演『Fiona.Z』を開始している。チームGも同『Mizz』シリーズで『Victoria.G』が予定されており、近いうちに始まることを期待したい。

上海SNH48 Team Ftお下がり版の『双面偶像』に話を戻すと、選抜メンバーは四期生 Team Xと兼任のダートウ(陳琳)、八期生の3名、馬凡、王奕、熊沁嫻、十期生のチョウチョウ(張敏淇)の5名を除く11名が九期生。

九期生は12名いるので誰が補欠になったのか調べてみると、実力派の張馨月。(ここから訂正)彼女は休学期間の一年間が終わり、韓国の学校に戻る必要があるためとのこと。

本人が公式アプリPocket48のメンバーの部屋に2018/08/24の『ドリームフラッグ』公演千秋楽が「最後の一回になるので必ず見に来て。それから応援旗を一枚プレゼントしてくれる?しまっておきたいから。みんなのサイン入りならもっとすごい」と書き込んでいる。おそらくこのままフェードアウトと思われる。

九期生では他にもシャオフアン(王溪源)、チョウチョウ(周詩雨)、パオパオ(李星羽)も休学の一年間が終わったが、中国国内で上海と毎週や毎月往復ができる距離なので出演し続けられるらしい。

セットリストだが曲目は基本的に同じ。この公演でタイトル曲『双面偶像』の次に重要な曲『Gravity』は、作編曲はそのままで、九期生メンバーのパオパオ(李星羽)が歌詞を書き直して『FlightT』と改名されている。

歌詞を書き直す必要があるのは、『Gravity』に広州GNZ48地元の広州タワーが登場するため。上海だとやっぱり東方明珠タワーに書き換えるんだろうか(笑)。

また『Gravity』は上海SNH48グループに良質な歌詞を提供している作詞家・甘世佳(ガン・シーチャー)の作詞で、アイドルの栄光と挫折、つまり墜落と飛翔のうちあえて「重力」を前に出し、それに逆らって飛び立つアイドルの力を表現している。

今回のSNH48 Team Ft版ではチーム名の「Ft」にかけて『FlighT』と、飛翔する方に重点を置いている。歌詞がどう変わっているかに注目。あまりポジティブすぎる歌詞だと甘世佳の「哲学」が生かされず、ガッカリなので。

また、曲順が変わっている。

広州GNZ48 Team Gオリジナル版のユニット曲の曲順。

『梦想咖啡厅』⇒『9 to 9』⇒『MC Queen』⇒『双面偶像』⇒『美杜莎的温柔』⇒『I’m not your girl』⇒『I wanna be your girl』

今回の上海SNH48 Team Ft版のユニット曲の曲順。

『梦想咖啡厅』⇒『9 to 9』⇒『美杜莎的温柔』⇒『I’m not your girl』⇒『I wanna be your girl』⇒『MC Queen』

SNH48 Team Ft版では、この公演で最重要のタイトル曲『双面偶像』がユニット曲から外れてMC2(2つ目の短いトークコーナー)の後になっているが、これはどうなんだろう。

『双面偶像』はユニット曲の並びに入っているが16人全員で踊る。

その理由は、8人の「天使」のダンスで始まり、そのあと大型液晶に8人の「悪魔」が現れ、液晶の背後から実物の8人の「悪魔」が登場して、16人になる。そしてさらに舞台背景が鏡になり、その鏡像と合わせて全体で32人になるという舞台演出だからだ。

8人から人格が多重になっていくようにして、倍、倍で最後には32人の実像、虚像が踊るので、あえてユニット曲の中間に置かれている。これをMC2の後の16人全員曲の位置に持ってしまうとコンセプトが完全に失われる。

おまけにその後の『扎心』と『遙遠的愛』は、ともに遠距離疑似恋愛の歌で、『双面偶像』のコンセプトと全く違う。

だからこそオリジナルの広州GNZ48チームGの曲順ではタイトル曲『双面偶像』はユニット曲の真ん中に置かれているのだ。まあ、上海SNH48の舞台制作陣は広州GNZ48より思想性がないので仕方ない。

また上海SNH48劇場には、『双面偶像』舞台演出のキーになる可動式の大型液晶スクリーンがないので、どういう演出になるのだろうか。

ところで上海SNH48 Team Ftは今年の第四回リクエストアワーで結成発表、お披露目され、2018/03/23から『ドリームフラッグ』公演をお下がりで上演開始。

そこからたった5か月しか経たないのに、SNH48グループの全曲オリジナル公演でも難易度の高い『双面偶像』をいきなりお下がり上演することになる。

こういう点からも、やっぱり上海SNH48運営が九期生メインのTeam Ftを強烈にプッシュしていることが分かる。