中国版『Produce101』からデビューしたロケットガールズの超カッコいいアルバム先行公開シングル『撞』

SNH48の話ではないが、AKB48 CHINA予備生でAKB48 Team SH一期生正規メンバー23人に入った劉念、毛唯嘉の2人が参加した、中国版『Produce101』、そこからデビューした最終11名からなるロケットガールズは、結成後すでに2曲をリリースしている。

↓1曲めはいわば「ネタ曲」の『カロリー』

この『カロリー』の間奏で、顔面偏差値は高いがダンスも歌も下手くそな楊超越(ヤン・チャオユエ)が叫ぶ「燃焼我的卡路里(私のカロリーを燃やして!)」が、いま中国でちょっとバズっている。

ご承知のようにロケットガールズ11名のうち、宇宙少女のミギ(孟美岐)、ソニ(吳宣儀)が中国側で所属する楽華(Yuehua)娯楽と、張紫寧(チャン・ツーニン)の所属する麦鋭娯楽が、番組制作側テンセント(騰訊)のマネジメント契約が二年間の独占契約(排他的契約)であることに反発して、いったん3人を退団させた。

しかしその後、楽華(Yuehua)、麦鋭娯楽は一旦テンセントと結んだ契約を一方的に破棄したとネット上で反発が広がり、中国版『Produce101』でミギ、ソニに大量の資金を使って投票した「国民プロデューサー」の一部からも抗議声明が出るに至った。

最終的にテンセントは楽華(Yuehua)、麦鋭娯楽と連名で和解の声明を発表、いったん退団した3名が元の事務所の仕事とロケットガールズの仕事を並行して行うことで合意した。ミギ、ソニについては韓国Starshipでの宇宙少女の仕事もしながら、中国でロケットガールズの活動をすることになった。

そして今日2018/08/18、ロケットガールズは一度は中止になった結成発表会を北京の水立方(北京国際水泳センター)で行い、それに合わせてファーストデジタルアルバムから『撞』という曲の音源を公開した。なお3名の復帰は発表されたばかりのため、結成発表会にはミギ、ソニ、張紫寧を除く8人しか参加していない。

↓ロケットガールズ『撞』

『カロリー』と違ってとても良い曲だが、これだけガッツリなバックビートで、現地で言う「記憶点」がない曲は中国大陸ではウケない。この曲もロケットガールズのファンの間では評価されるが、一般人には覚えてもらえないだろう。

ところで、ロケットガールズは各全国放送の年越し特番や、来年旧正月(春節)の特番の予定が次々入っているらしい。イメージキャラクターの仕事もすでにマクドナルドを担当しているが、他にも入っているとのこと。

結果としてSNH48は確実に一部の仕事を奪われるが、しばらくすれば併存するだろう。

48系はロケットガールズのような従来型女性グループと違い、メンバーが数百名いて入れ替わりもある。劇場の定期公演を拠点としており、誰かが制作するコンテンツに参加するだけでなく、それ自体がコンテンツになっている。

SNH48メンバーはロケットガールズの『カロリー』をネタとしてファンといっしょに笑いながら、自分たちは自分たちで仕事をするという、中国には今までなかった位置づけのアイドルだ。

SNH48は運営会社が投資家にそっぽを向かれない限りグループを維持できる。一方、ロケットガールズのような従来型グループはいくらテンセントのような巨大資本が運営していても、現有メンバーの人気がなくなればグループは終わる。

そういうことも考えながら『撞』を聴くとより味わい深い(そんなことあるかい!)

ところでAKB48 CHINAの2人、劉念、毛唯嘉にもテンセントの排他的なマネジメント契約が適用されているはずだが、AKB48 Team SHの活動はどうなるんだろう?