瀋陽SHY48初の全曲オリジナル公演『Idol.S』が予想を大きく裏切るクオリティだった件

瀋陽SHY48初の全曲オリジナル公演『Idol.S』が今日2018/09/22(土)初日を迎えたが、予想を大きく裏切るクオリティで驚いた。上演したのはTeam SIII。

中国ツイッター(新浪微博)のSHY48公式アカウントが事前に照明監督に日本人を迎えたとツイートしていたが、ひと目で違いが分かる。舞台の床が白くなり全体に明るくなった。

照明がもっとも素晴らしいのはルールー(韓家樂)のソロ曲『蜉蝣(かげろう)』。

管弦楽伴奏のバラードで楽曲も恐ろしく素晴らしいが、ロングスカートを利用した演出と照明が見事にシンクロして、今まで観たSNH48グループの舞台演出でいちばん美しい一曲かもしれない。

そして衣装のクオリティも格段に上がっている。瀋陽SHY48結成当初と比べると天と地ほどの差がある。16人の3パターン衣装が複数ある他、上記の『蜉蝣』も素晴らしい。

『青春狂想』という16人全員曲は、何と1曲の中で衣装の早替えが3回、つまり4パターンある。

舞台演出も小道具は多めだが気になるほどではなく、後半に登場する衝立ての処理など面白い部分も多々ある。

↓この『使命召喚』という曲の演出も面白い。

瀋陽SHY48劇場はかなり高く上がるセリがあるので、もともと舞台演出は北京BEJ48や広州GNZ48より有利なはずなので。

またユニット曲が終わったMC2部分が、普通の立ちトークではなく、対談形式のコントになっているのも面白い。残念ながら筆者は中国語が聞き取れないが、MCは観客が盛り上がっていた。

楽曲についてはいちばん心配していて、ヒドすぎて途中から聴けないのではと思っていたが、全くそんなことはなかった。

典型的な48系アイドルポップはパターン通りによく出来ているし、上記の『蜉蝣』は鳥肌が立つほど素晴らしい。

↓例えばこの『Dream Bridge』は典型的なアイドルポップ。

『量身訂造(テーラーメイド)』という曲は、後半に『私的舞台』のサビがさらっと引用されていて、これも鳥肌モノだ。

この『私的舞台(私の舞台)』という曲は、上海SNH48グループとして初の全曲オリジナル公演で、2016/05/02からSNH48 Team SIIが上演していた『心的旅程』のラスト曲。

今回のSNH48グループ最新全曲オリジナル公演から見ると、SNH48グループ最初の全曲オリジナル公演がすでに回想になっているという点が、泣かせる。

ただ、作曲や編曲がもう一歩という曲が多いのも事実。

例えば上記の『青春狂想』は、広州GNZ48『双面偶像』で言えば『合理失控』のような、16人全員のセクシー系の楽曲だが、中途半端なEDMだし、洗脳フックがなく衣装以外は印象に残らないのがとても残念。

全体的にフックがあまりなく、文字どおり楽曲自体が「引っかかる」曲が少ない。編曲も総じて今一歩という感じ。

この公演で最大の問題は振付けだろう。

振付けのことがよく分からない筆者でも、16人全員曲ではアドリブ部分が多くてスカスカで、フォーメーションの変化だけで何とか持たせている部分が多いのは分かる。

『星星的呼唤(星たちの呼び声)』という曲は後半に趙天楊のキレキレHIP HOPダンスと、劉嬌の鮮やかな片手側転がフィーチャーされているが、逆に言えばそういうメンバーの個人技で持っている感じ。

全体としては期待を大きく裏切る素晴らしい公演。

個人的にはこれでやっと瀋陽SHY48 Team SIII公演生中継をこれからは観ようという気になった。