韓国で撮影された上海SNH48グループ第五回総選挙第33~48位曲『天空信(空の手紙)』MVが公開された。前回第17~32位曲『終無艶』と違って非常にまともでよく撮れている。
自販機にハングル文字が見える以外は韓国っぽい場所がなく、韓国まで行って撮影する意味があったのかだけは分からない。あえて韓国色を避けたのはワザとかもしれない。
カラーコントロールも美しいし、ちゃんとカメラは止まるべき場所で止まっているし、ダンスシーンのカット割りも素晴らしいし、脚本のストーリーラインも分かりやすいし、一定の基準を満たしたプロの仕事で何も言うことなし。
こちらもバッキングトラックや間奏で8分30秒に引き伸ばしているが、『終無艶』のようにきれいな風景の紙芝居で無理やり引き伸ばした感は全くない。脚本がしっかりしているからだ。
これを観るといかに『終無艶』のMVがひどいかよく分かる。ほんとにひどい。去年の第17~32位『グロリアス・タイムズ』MVもドバイでロケをしたのに単なる観光案内になっていたし、総選挙TOP32メンバーは運が悪い。
この『天空信』、空の手紙のMVは、物が手紙の役割をして人と人とをつなぐという明確なコンセプトがある。
張懷瑾は母親に電話しようとしてためらう。
CK(陳珂)はパオツ(胡曉慧)との待ち合わせに遅れ、ショートメッセージで謝ろうとする。
まゆりん(馬玉靈)は花を見て誰かを思っている。
全員をつなぐ中心になるのが、歌手を目指すリカちゃん(唐莉佳)。
↓こういうフォーカス移動だけで説明するのが通常の演出というも。
まゆりんが黄色いポストイットを拾って自販機に貼る。
「完璧な人生は、いつも少しだけ何かを失っている」
翌日、それを陳珂が見つける。ポストイットでまゆりんとCKがつながる。
陳珂は財布を忘れた陳倩楠と左婧媛に缶ジュースを渡す。
缶ジュースでこの3人がつながる。
黃恩茹に道を尋ねられた陳倩楠と左婧媛は手書きの地図をわたす。
この地図でまたこの3人がつながる。
その地図を黃恩茹がチェキで撮ってカフェの壁に貼る。
その写真を胡曉慧が見る。
この写真で黃恩茹と胡曉慧がつながる。
胡曉慧がカフェの壁にポストイットを貼る。
そのポストイットを、まゆりんが見つける。
そして彼女たちはリカちゃんのチャリティーライブを企画する。
そのライブのポスターにCKがあの黄色いポストイットを貼る。
その後も彼女たちはつぎつぎにポスターにメッセージを貼っていく。
張懷瑾は「私の空の手紙」と書いて貼る。ここで曲のタイトルが出てくる。
ライブの準備でそれぞれのメンバーの役割ははっきり分担されている。
ライブが始まると、現場にいるメンバー、ネット生放送を観ているメンバー全員がつながる。
ここからが伏線の回収。
冒頭ですれ違ったCKと胡曉慧が再会する。
リカちゃんのライブに勇気づけられた張懷瑾は、ようやく母親に電話する。
このカットが唇の動きだけというのが素晴らしい。
そして星空へチルトアップ。
あえてモノを撮ったカットばかり画面ショットをとったが、こういうカットがちゃんと撮れているのが良い映像作品というものだ。本当に素晴らしいMV。