上海SNH48運営制作B級映画『萌妹特攻隊 Comic Girl Squad』公開

上海SNH48一期生KIKI(許佳琪)主演、SNH48運営会社の映像制作子会社、北京Studio48制作のB級映画『萌妹特攻隊 Comic Girl Squad』が2019/03/09、中国動画サイト大手「iQiYi 愛奇藝」で公開された。

公開されて早速YouTubeに誰かがUPしちゃっているところがすごい。

最近はSNH48グループも版権管理がしっかりしているので、そのうち削除されると思うが一応貼っておく。

6元(約100円)払って「iQiYi 愛奇藝」月額会員になるか、単品購入で5元支払えば観られるというリーズナブルな映画。

筆者はWeChat Payにまだチャージ残高があったので5元支払っておいた。そうしないとiQiYiがSNH48運営会社制作のネット映画を公開してくれなくなってしまう(汗)。

↓iQiYiは公開初日ということで、ネット映画コーナーのトップで宣伝してくれている。

↓今のところ2,422人が10点満点で採点して平均6.7

個人的にはたまたま『PUBG』とバイオハザードがコラボしており、気になってYouTubeで初代バイオハザードのプレイ動画を観ていたので、アンブレラカンパニーやピアノの楽譜など、ゾンビだけでなく前半のRPG的な展開がパロディーだということは分かった。

冒頭の「夜蝶」「王总」あたりはSNH48の自虐ネタで、「鳥山宝」「井上雄強」の2人のうち井上雄彦がシャンシャン(姜杉)のSLAM DUNKネタとつながっていて等々。

もっと分かる人には分かるネタがきっとあるんだろうけれど、メンバーの他にそれくらいしか見どころがない映画であることはたしか。

脚本がヒドいので演出もヒドいと予想していたが、ポストプロダクションの特殊効果を除いて、フレーミングやカット割り、カメラワークも意外に保守的で驚いた。

わざと斜めっているフレームが多すぎる気はするが、最近のMVにありがちなズームやステディカムの多用がないし、照明も保守的で全体に落ち着いており悪くない。

これだけ退屈な脚本で、これだけまともな映画に仕上げた監督・趙鶴松さんの苦労が忍ばれる。

個人的にはSNH48運営子会社に一本くらい純粋な文芸映画を撮ってほしい。SNH48メンバー出演の映画について書くたびにここで名前を出す『半熟少女』のような映画。

この映画でSNH48を知ったファンも少なくないが、やはりこういう映画にはスポンサーが付かないということだろうか。

コアな映画ファンに響く作品は、ファン層を広げ、SNH48のブランド価値を高める効果があると思うのだが。

追記:

この監督、もう一本バイオハザードものを撮っていたようだ。

バイオハザードものを無理やり撮らされているのか、監督が好きで撮っているのか(汗)。ただ、この映画も脚本と映像のクオリティの高さが全く釣り合っていない。こんなおバカな脚本にこの文芸映画っぽい地味な調色や照明は何なんだろう。

↓たとえばこのカットのフレーミングの素晴らしさ。

この監督の作品をもっとさかのぼるとこんな短編を撮っている。

やっぱり良心的な監督だと分かる。

タイトルの『生命補完計画』やタイトルは明らかに『エヴァンゲリオン』の影響を受けているし、冒頭で細田守の『時をかける少女』の音声だけ引用されている。その後のゴールドベルク変奏曲も良い。

このショートムービーは2012年の第二回中国(北京)国際マイクロフィルムフェスティバルに出品されたもののようだ。カットのつなぎは粗いが、良いカットがたくさんある。

10:20あたりでジャンピングカットまでやっている。こういう映画はヌーベルバーグとかちゃんと観てる人でないと撮れないわけです。

ラストシーンはものすごく良い。日本のeastern youthというロックバンドの『男子畢生危機一髪』という曲をBGMに疾走。こういう映画は個人的にものすごく好き。

やっぱりこの監督、ただものではなかったということで、全く違う脚本でSNH48メンバー主演の映画を撮ったら名作になるのに、もったいない…。