「愛国アイドル」化するAKB48 Team SH、人民解放軍設立記念日をツイートでお祝い

どうしても定期的に起こってしまう愛国ネタ。

AKS中国再上陸の上海AKB48 Team SHも、少しずつ中国の「愛国アイドルグループ」らしくなってきたということで、1927/08/01設立の中国人民解放軍「八一建軍節」を中国ツイッターで祝賀。

↓まずAKB48 Team SH運営が率先してお祝い。

ABK48 Team SHメンバーの統制のとれた人民解放軍お祝いツイートは、この記事の最後につけておくので、芸術品としてじっくりお楽しみください(汗)。

いっぽうSNH48はAKB48から独立した中国の「愛国アイドル」として、今回の「八一建軍節」も当然お祝いしており、いちいち取り上げない。

ところでこの絶妙なタイミングで、今中国で大人気のドラマ『情愛的,熱愛的』がとんでもないミスをしでかしたことが話題になっている。

ドラマに出てくる中国の地図で、台湾、海南、チベット南部、アクサイチンが中国領になっていなかったのだ。チベット南部とアクサイチンは、中国とインドの間で国境問題になっている地域だ。

このドラマが上海東方衛星テレビ、浙江衛星テレビ、中国動画サイト最大手のiQiYi、テンセント動画で放送されるほどの人気で、社会への影響を憂慮したのか、共産党機関紙『人民日報』が中国ツイッターでこのドラマを批判した。

↓それがこちら。

領土問題でいつも登場するハッシュタグ「中国一点都不能少(中国は一つも少なくなってはいけない)」が使われている。領土が正確に書かれていないのは重大な問題だ、というツイートである。

『人民日報』はさらにかぶせて「中国地図の正確な開き方」というハッシュタグでツイートをしている。

このツイートにある地図の一つを拡大してみる。

台湾と南沙諸島は中国領という意味(汗)。

おかげで「中国地図の正確な開き方」が中国ツイッターのホットワードになっている。

上のホットワードの中にある「杨紫工作室生声明」は、そのドラマ『親愛的,熱愛的』の主演女優。彼女の個人事務所が謝罪声明を出したことが話題になったためだ。

ところが不思議なことに『人民日報』はこの後、『親愛的,熱愛的』を批判した最初のツイートを削除した。

「なぜ削除したんだ?正しいことを書いていたのに」と、逆に『人民日報』が現地ネット民からツッコミを入れられる不思議な展開になっている。現時点でツイートを削除した理由は不明だ。

実はこのホットワード・ランキング、もう一つ面白いネタが入っている。

「李荣浩怎么去台湾」(李榮浩はどうやって台湾に行く?)という検索キーワードだ。

李榮浩(リー・ロンハオ)は中国出身の男性歌手だが、台湾の女性歌手レイニー・ヤン(楊丞琳)と結婚している。

台湾にいるパートナーに会いに行くことが、なぜ急に李榮浩の悩みの種になったのか。

その理由は中国政府が突然、2019/08/01から台湾への個人旅行を当面停止としたからだ。

↓『人民日報』がその政府発表を報じたツイートはこちら。

中国の47都市の市民を対象としている。

台湾で総統選の前哨戦がすでに始まっており、独立志向の蔡英文政権に圧力をかけるための政策といわれている。

そのせいで李榮浩も個人で台湾に行けず、パートナーに会うにも団体旅行しなければいけないと、現地ネット民のあいだでこの政策をネタに大喜利大会になっている。

「レイニー・ヤン:あなたとショッピングしたいんだけど。李榮浩:ダメだ。今日は台北故宮博物館に行かなきゃいけない。ガイドさんが団体からぬけさせてくれないんだ」

政府の政策まで大喜利にしてしまう中国人は、日本人が思っているよりずっとしたたかだ。

ただし、である。

政府の台湾現政権に対する強硬姿勢や、香港での学生の抗議活動への対応は、残念ながら確実にAKB48 Team SHとAKB48 Team TPの活動に影を落とす。

AKB48 Team SHが現地化し、中国政府を支持する姿勢を強めれば強めるほど、AKB48 Team TPと同じ舞台に立つのが気まずくなるのは間違いない。

すでにAKB48から独立したSNH48グループにとっては、全く問題にならないことが、AKB48 Team SHとTeam TPの間では明らかに今後問題になる。

来月AKB48 Group Asia Festival 2019 in Shanghaiで両チームは同じ舞台に立つが、中国、台湾、香港の政治的緊張を感じつつ、以下の画面ショットをじっくり味わってみよう(汗)。

AKB48 Team SHメンバーが人民解放軍の「八一建軍節」を祝うツイート集。

締めはAKB48 CHINA。