北京BEJ48陳美君がファンから大金をむしり取っていた件、と同時に、下心のあるファンが陳美君に大金を渡して何とかしようとしていた件の後、SNH48関連の面白い動画を3本観たのでご紹介。
ビリビリ動画の埋め込みが機能しないので、それぞれリンクだけ貼る。
まず定番の「総統閣下シリーズ」。
中国の若者もいい加減このネタは飽きているが、今回の陳美君ネタの字幕は、現地SNH48ファンの切実な思いを表現していて、筆者も最後の方はうるっと来てしまった。
塞纳河《元首的愤怒》当元首知道陈美君私联后 (2019/08/09 17:59:42)
にもかかわらずだ。陳美君のように私的つながりを持つアイドルは、自分のことを暴露されて退団した後、まだグループにアイドルたちが残っていることを考えたこともないのか。
残ったメンバーたちが、どうしてそういう私的つながりを持つメンバーが、退団した後に生じる影響を引き受けなきゃいけないんだ。
どうしてSNH48全体が私的つながりという汚名を背負って苦労しなきゃいけないんだ。
4年たって、私も自分がまだファンを続けられるのか疑い始めている。
かつてこの目でSNH48の全盛期を見たが、いまや少しずつこのグループは衰亡しつつある。
しかし、私はまだあきらめない。そういうことだ。
ただ、今年は張昕のように本当に努力しているアイドルがついに報われた。(訳注:SNH48三期生ナナコが入団以来初めて総選挙で圏内に入ったこと)
しかもSNH48は『青春有你』に参加するチャンスをつかんだ。ならまだ希望はある。
SNH48が存在する限り、私は永遠にSNH48ファンの一人だ。
君たちがまだファンを続けられるかどうかは知らんが。
次はチャウ・シンチー(周星馳)監督『美人魚』の一場面で、現地の若者の間では定番のMADらしい。
塞纳河《美人鱼名场面》当陈美君事件揭发后,杰克曼找上了大佬 (2019/08/09 01:41:21)
これは爆笑動画。駆け込んでくる男性が陳美君と私的つながりを持っていたファン。警察官2人は上海SNH48、北京BEJ48の古参ファンという設定。
この動画のセリフをすべて説明すると本が一冊書けるのでやめておくが、過去のメンバーのスキャンダルを良く知っている現地ファンなら爆笑の台本。
書き換えた台本でアフレコをしているのも現地ファン。良くできた動画。
最後に、コアなSNH48グループファンなら誰でも知っている例の中国ツイッター(新浪微博)アカウント「S1無限奇跡応援会儿」が、ついにメンバーと同じネット番組に登場という、衝撃の展開。
これには筆者も驚いた。同時に初めて顔出ししたこの「S1~」スポークスマンの話していることが至極まともなことに驚いた。
メンバーのスキャンダルを暴露するため、一般的にはかなり評判の悪いアカウントだが、自分なりに「本当のアイドルとは何か」を追求している「本質派」のファンということだろう。
そして同席する元SNH48グループメンバーは、広州GNZ48 Team NIII所属だった馮嘉希。彼女はもともとコアな48系ファンでSNH48六期生として入団しており、やはり48系アイドルに特別の思い入れがある。
この2人の対話が05:40あたりから。「S1」と馮嘉希の間のビミョーな空気が見もの(笑)。
なお司会の女性が着ているのは、広州GNZ48運営会社がファン向けに販売していたGNZ48の公演衣装「マカロン」シリーズ。
安妮秀S1-04:退役偶像与饭圈知名爆料组织同场对谈,偶像该不该谈恋爱? (2019/08/09 20:31:38)
馮嘉希は、メンバーだったころ、周囲のメンバーもファンも彼ら(「S1」アカウントを運営しているのは1人ではない)に反感を持つ人が多かったと言っている。
ただ、彼女自身は彼らのような組織の存在は納得できるとのこと。彼らの話していることの一部には真実があり、みんなの知らないことがある。みんなには知る権利があると。
「S1」は4~5年前に48系アイドルが好きな面々が集まったゆるいつながりのグループで、メンバーの暴露ネタは活動時間の30%くらいしか占めていない。
公開せずに隠している暴露ネタはたくさんあるが、決して何らかの利益のために公開するわけではない。お金をもらったとしても暴露しない。トランプのカードのように、切るべき時期が来た時に切る。
もし本当に努力しているメンバーなら、暴露しない。怠けてばかりいるメンバーがいれば、考えがある、とのこと。
恋愛禁止という規則については、アイドルを職業にするなら守るべき職業上のルールということで、馮嘉希と「S1」の意見は完全に一致している。本当に恋愛したいなら退団すべきとのこと。
ここで須藤凜々花と、張丹三の名前が出ている。張丹三は名前は出ていないが「芸術の香りがたっぷりするメンバー」と表現されている。
仮に恋愛をしているメンバーがいて、死んでも真相をバラさず活動し続けることを許すか、ファンとして真相を知りたいか、という点についても、両者は意見が完全に一致している。真相を知りたいとのこと。
馮嘉希は、仮に自分が恋愛したとすれば隠すのではなく認めると言っている。少なくとも自分のファンが蚊帳の外なのはダメだから。真心からファンになってくれたのだから、ファンには真実を知る権利がある。
この後、SNH48グループとAKB48 Team SHのファン同士の対立という、デリケートな話題になっているため「ピー」が入っている(汗)。
馮嘉希は、もしSNH48ファンでなければTeam SHファンだっただろうし、立場の違いがあるだけで、メンバーはどちらも良い子たち。対立があるとすれば運営会社どうしが解決すべきことだとしている。
「S1」もこの意見には同意している。国内外問わず良いグループならファンになる。ダメな運営ならダメ。
アイドルとして最も重要な能力について、馮嘉希は「業務能力」と答えている。キャラ設定やカップリングなどはニセモノかもしれないが、ステージ上の表現に嘘偽りはないから。
ただ、業務能力があるメンバーより、キャラ設定やカップリングでファンを引き付けるメンバーの方が人気が出てしまうことについて、彼女は以前スタッフにこう言われたらしい。
話題にならなければ人を引き付けられない。世間の人たちは悪いウワサの方が好きだからだ。
彼女自身もそうして注目を集めるアイドルになろうとしたが、結局自分を変えられなかった(それで退団した)。ファンには自分で好きなメンバーを選ぶ権利がある、と語っている。
「S1」はアイドルのお手本を「直接会えること」としている。会いに行けなければ、ただのスターだと。たとえそういうフリをしているだけでも、ファンが喜怒哀楽を知ることができて初めてアイドルと言える。
といった内容の動画になっている。
営利企業でもないのに、こういう動画をポストプロダクションも含めてきっちり制作するセルフメディアが無数にあるのは、中国のネット言論の強みだと思う。もちろん政治的な話題にふれさえしなければ、という条件付きだけれど。