MNL48アカペラ版『365日の紙飛行機』が48系を完全に超越した本物のエンタメになっている件

AKB48 Group Asia Festival in 上海ネタ。夜の部の前にこの記事を書こうと思った理由は、マニラMNL48のア・カペラ版『365日の紙飛行機』があまりに素晴らしかったから。

↓MNL48 ア・カペラVer『365日の紙飛行機』

ハーモニーが完璧で、一人ソロでものすごい歌唱力のメンバーがいる。明らかにオーディションの人選から、48系アイドルグループの域を超えたエンタテインメントグループを目指している。

MNL48がこんなにすごいことになっていたのを今ごろ知ったのは痛い。

それと対照的なのが上海AKB48 Team SHのこれ。

↓AKB48 Team SH TFBOYS『青春修煉手冊(青春のマニュアル)』カバー

中国のジャニーズ系ボーイズグループTFBOYSの2014年の大ヒット曲のカバーだが、午前の部、AKB48の各姉妹グループがそれぞれの個性を発揮するパフォーマンス部分で、なぜTFBOYSなのか理解に苦しむ。

と思っていたら、ちゃんと理由があった。

まずTFBOYSのこの曲をプロデュースした劉佳という男性ミュージシャンが、版権を買い取ったためTFBOYS自身が今はこの曲を歌えなくなっている。

そしてAKB48 Team SH運営会社のトップは安定せず、すでに2回入れ替わって、今三代目になっているが、そこにTFBOYS運営会社・時代峰峻の元社員がいるらしい。

今のAKB48 Team SH運営には他にも、元北京BEJ48スタッフ、2017年末に解散した広州の48系アイドルグループ「1931」のレコーディングエンジニア、上海の48系アイドルグループ「Idol School」の元音楽総監が加わったとのこと。

なかなか運営が安定しないAKB48 Team SHは、中国で日本系アイドルグループの運営に携わっていたスタッフをかき集めているということだ。

その中にTFBOYS運営会社の元社員がおり、かつ、オリジナルのTFBOYSが版権の問題でこの曲を歌えなくなっているため、AKB48 Team SHが今回のAKB48 Group Asia Festivalで遠慮なくこの曲を歌えるということになる。

なるほど、そういう背景があったのか、という感じ。

もう一つ、BNK48は生バンドで『初日』を歌ったらしい。

MNL48のアカペラに比べるとレベルは落ちるが、それでもイントロではちゃんとハモっているし、バイオリンまで入っている。

BNK48は2017/02/12一期生お披露目、MNL48は2018/09デビューで東南アジア姉妹グループでは後発だが、48系のビジネスモデルを借りながら、違ったエンタメグループを目指しているのでは、という感じがした。

TPE48はいったん頓挫してAKB48 Team TPになり、SNH48は中国の運営が勝手に独立して(汗)、AKB48 Team SHで出直しになったが、この中華圏の2つの姉妹グループが逆に48系に忠実すぎて、活動の幅を縛られているのではないか。

AKB48と決裂したSNH48は、以前から書いているように、サブユニット7SENSESでK-POPへ思い切り舵を切ることで、48系とは別のカラーを取り込んでいる。

さらに日本以外に台湾、韓国の音楽制作陣を取り入れたオリジナル曲展開や、舞台劇に近い演出のオリジナル公演、果ては同じ運営会社傘下でK-POPスタイルの男性アイドルグループまで作ってしまうという、訳の分からない多角化をしている。

SNH48がここまで正体不明の存在になったのは放っておいてもらっていい。ただAKB48 Team SH、AKB48 Team TPが48系のオリジナルに忠実であることは、今となっては消費者に飽きられるリスクしかないのでは?という気がして来た。

MNL48の圧倒的なアカペラのパフォーマンスを観てしまうと、そう思わざるを得なくなってしまう。