台北AKB48 Team TPでさえ苦労する日本側の標準業務手順書の厳しい要求

台北AKB48 Team TPがゲストの中身の濃い番組を見つけた。2019/08/23公開分『娯楽郷民』。運営会社の社長でありプロデューサである陳子鴻もメンバーと一緒に出演しているからだ。

一度TPE48が失敗した後、陳子鴻が社長になって本当に良かったと思わせてくれる内容。字幕をすべて日本語試訳する時間と体力がないのが残念。

AKSと台湾サイドの考えの違いをすり合わせるのに時間がかかったこと、同じ中華圏でも上海メンバーと台湾メンバーの違い、日本人メンバー阿部マリアさんから台湾メンバーが受けた影響などなど、興味深いトピックが多い。

この番組で陳子鴻が語っているように、日本側のAKSはSOP(標準業務手順書)どおりの運営をすることを強く要求したとのこと。

それに対して台湾サイドは、台湾の事情に合わせた「現地化」の必要性を説得するのに時間がかかったようだ。今でもその話し合いは続いているというニュアンスに聞こえた。

台湾でさえここまで調整が必要なのだから、さらに国情が大きく違う中国で、結成当初のSNH48運営とどれだけ意見が対立したか、想像に難くない。

最終的にはAKSとSNH48は決裂してしまった。ということは、いま上海AKB48 Team SH運営はある程度現地事情に合わせることを犠牲にしてでも、日本側の運営方針を受け入れていることになる。

そして別の記事で書いたように、AKB48 Team SH運営の経営層は結成後すでに2回交代し、3代目になっている。

最初からTeam TPの陳子鴻のような業界関係者を入れればよかったのに、3代目になってようやくTFBOYSやIdol Schoolなど、現地のアイドルグループ運営経験者を入れたと言われている。

Team TPは劇場公演こそまだだが、定期的にメンバーの誕生日会を行うなど、「会いに行けるアイドル」本来の活動をすると同時に、全国放送のバラエティーへの出演も果たしている。

それに対して上海Team SHは劇場公演もまだで、EP『少女たちよ!』発売記念兼二期生お披露目ファンミーティングも、観客が300人弱という厳しい状況だ。

ファンミーティングの最後でキャプテンの毛唯嘉が涙を流していたのも、Team SHの現状の難しさをよく表している。

いわば「AKB48純血主義」の運営方式にこだわったまま、上海Team SH運営会社の出資者がどこまで資金提供を続けてくれるか。契約で標準業務手順書を守るよう要求しているAKS次第と言えそうだ。