上海SNH48グループ第四回総選挙結果の最後のMV、第49~66位メンバーの『戎裝信仰』が発表された。
なお第四回総選挙が66位まであるのは、64という数字が縁起が悪いから。また「戎装」は軍装、「信仰」は中国語ではふつうは信念、主義の意味で使う。宗教とは関係ない。無理やり訳せば「軍装主義」だが、「軍国主義」とは全然関係ない。運営会社はどういう英訳をつけるのだろうか。
予想していたよりはクオリティが高いMV。クオリティが高いというのは、編集が上手いという意味。ストーリーとして、いったい彼女たちがどこへ攻め込んでいる設定なのかは分からないけれど。
そしてSNH48公式サイトにはこの次のように書かれていた。
「メンバーは舟山へ赴いて撮影を行い、アメリカ・ハリウッドのベテラン映画プロデューサであり、国際的なアクションスター、ジャッキーチェンの御用プロデューサDrago Lazetichが、メンバーに専門的な始動を行った」
しかしこれはウソであることが分かっている。グーグルで検索すればすぐに分かること。
Drago LazetichさんのFacebookはこちら。
Drago Lazetichさんのインタビュー記事はこちら(City Weekend Shanghai 2015/04/01)
Drago Lazetichさんは、セルビア人とアメリカ人の混血で、武術家かつ、アクション俳優。中国では数少ない白人アクション俳優として10年のキャリアがある。
それまで旧ユーゴスラビア、ドイツ、カナダ、米国カリフォルニアで生活し、カリフォルニアではUCLAで映画撮影を学んだ。
↓彼が監督したウェブドラマシリーズ『Wise Hit』のトレーラーはこちら。
カリフォルニアではヴェニスビーチにあるゴールド・ジムでマーシャル・アーツを教えて食い扶持にしていたが、ハリウッドの映画界で活躍するには至らなかった。
このインタビューの中で彼は、「(ハリウッドで)成功するヤツらはみんな、この業界にコネを持ってる。俳優だったり、監督だったり。とても緊密なコミュニティなんだよ」と語っている。要するに彼にはコネがなく、成功をつかめなかったということ。
彼がようやく活躍のチャンスをつかんだのは、香港に渡って長編映画を監督するための資金集めをしたとき。ファーウェイのスマホのCMから、スリラー映画までさまざまなものを撮影した。
一方俳優としては、ジャッキー・チェン、ジョン・キューザック共演の『ドラゴン・ブレイド』に剣闘士役で出演するなどした。
彼の本格的な俳優としての活躍が始まるのはその後で、中国大陸には当時、白人のプロの男性俳優が9人ほどしかおらず、毎週のように何かしらの映画に出演した。ロサンゼルスに住んでいた頃には考えられない忙しさだった。
以下は上記のインタビュー記事を読んで頂くと分かるが、彼は中国大陸で俳優として活躍している人で、今回のSNH48のMVではアクション指導をしているだけだ。
決してベテラン映画プロデューサでも、ジャッキー・チェン御用達のプロデューサでもない。ジャッキー・チェンの映画に一回出たことがあるだけだ。
ここまで調べてやはり気になるのは、じゃあかなりクオリティの高いこのMVの監督はいったい誰なのか?ということ。
個人的には広州GNZ48の映像制作チームでは?ということ。作風が似ているので。
真相はナゾ。