SNH48専用劇場「星夢劇院」の運営についての小ネタ。
先日、朝早くから並んだ常連ファンが、チームNII『シアターの女神』公演千秋楽の日に、友だちの分まで立ち席の場所取りをして、遠くから来たファンが中国2ちゃんねる(百度貼吧)のSNH48掲示板に不満を書き込み、現地ファンの議論を呼んだ件をご紹介した。
「星夢劇院」の立ち席は、他のVIP席、普通席がランダムに座席が決まるのに対して、事実上常連ファンの「指定席」になっており、早い者勝ちで場所取りができる。
そのため、特別な公演のときは、熱心な常連ファンが夜明け前から行列を作るのが恒例になっているらしい。
本来問題なのは、チケット1枚で立ち席の1人分の場所しか取れないのに、一部の常連ファンが協力し合って、友だちの分まで場所取りをするという「不正行為」だった。
この問題についてSNH48運営が中国ツイッター(新浪微博)のSNH48公式アカウントの2014/04/25 15:35のツイートで、立ち席の入場順を抽選にする方向で意見募集をした。
このツイートを試訳する。
常連ファンが他人の分まで場所取りをした件を、SNH48掲示板で暴露され、非難を受けたとき、「いい場所を取りたければあなたも朝早くから並べばいい」と反論していた。
SNH48運営の対策は、入場順を抽選にすることで、この反論を無効にするというものだが、たぶん効果はほとんどない。
そもそも、例の常連ファンが他人の分まで場所取りできたのは、複数の常連ファンが「共犯グループ」を作っていたからだ。共犯グループの中に、その日に朝早くから並べる人がいれば、その人が並んで他の人の場所を取ることができる。
これを抽選制度にすると、状況はもっと悪くなる。
今までは「共犯グループ」の中で、必ず一人、朝早くから並べる人を派遣しなければいけなかったが、抽選制になると、「共犯グループ」のうち一人でも早い番号が当たれば、朝早くから並ぶ労力を使わずに仲間の分まで場所取りができる。
そして「共犯グループ」は仲間の人数を増やすことで、場所取りできる確率を高めることができるようになる。
つまり抽選制になると、逆に、常連ファンは仲間を増やし、仲間うちの結束力を利用して、より高い確率で場所取りができることになる。
ただ、筆者はSNH48の運営はそこまでバカではないと考えている。
おそらくSNH48運営は「抽選制」にすると言いつつ、人為的な操作を加えるつもりなのだ。
つまり、名前がすでに分かっている常連ファンに早い番号が当たる確率を低くして、例えば、遠方からのファンがいる場合はわざと早い番号を「当選」させたり、結果として平等になるように抽選結果を操作するはずだ。
「抽選にします」というのは、「結果の平等が担保されるように運営が入場順をコントロールします」という意味だと、筆者は考えている。
筆者個人は、立ち席を毎回オークション制にして、金に物を言わせる常連ファンには、正式に特権を与えてあげればいいという考え方だ。いわば、リバタリアニズム的な自由競争。
これに対して、SNH48運営が表向きは「抽選制」と言いつつ、ブラックボックスの中で常連ファン以外にも良い立ち席を人為的に分散させようという意図なら、フェアではないが良心的だ。いわば、コミュニタリアニズム的な計画経済。
そもそも、一部の常連ファンが仲間うちでつるんで場所取りをするという、明らかなルール違反をやめればいいだけの話なのだが、本人たちが開き直っているので仕方ない。
この件、どういう展開になるか、小ネタとしては引き続き面白そう。