SNH48春節特別公演チームSIIコント『マッチ売りの少女』日本語字幕つき映像とネタ解説

SNH48の春節(中国旧正月)特別公演一日目にチームSIIが上演したコント『マッチ売りの少女』に日本語字幕をつけてご紹介。

最近のSNH48のいろんなネタが詰まっているので、分かる人には爆笑できる。ふつうの日本のAKB48ファンだと、最後の最後のネタだけは笑えるかも。

以下、笑いのネタを説明するのはヤボだけれど、いちおう筆者の分かる範囲で解説。

まずコントのタイトル。中国語で『マッチ売りの少女』は、正しくは『卖火柴的少女孩』。「火柴」が「マッチ」、「少女孩」が「少女」。

ただこのコントの中国語タイトルは『卖火的小女』。マッチの「火柴」の「柴」と少女の「少女孩」の「孩」(子供の意味)が、わざと言い間違いをしている。

コントの途中に登場するチームSII二期生チュンチュン(袁雨楨)、いちご(溫晶婕)の2人組がいい味を出しているが、この2人が最初から最後までこの言い間違いをしている。たぶんIQ不足ネタ。お馬鹿二人組の言い間違いがそのままタイトルになっており、タイトルから笑えるということ。

そしてこの2人組、一回目の登場と「你追我 如果你追到我」とリズムをつけて話している部分。これはSNH48の新企画『国民美少女』の学園長・台湾出身のタレント・費玉清のこちらの下ネタ。

このブログでは以前すでにくわしくご説明したので、省略。SNH48ファンの間では『恋するフォーチュンクッキー』のサビの「ヘイヘイヘイ」を聴くと、もうこの費玉清の下ネタを思い出さずにいられない状態になっている(笑)。

ただ「炸鸡舞(フライドチキン・ダンス)」が何を指すのかは分からない。広場舞の曲だろうか?

そして朗読のチームSII二期生スリー(孫芮)は、わざと強い東北なまりで台本を読み上げている。ただ四声をはっきりさせた語り方は、中国中央電視台の本物の春節大型特番『春晩』の司会者風になっている。

そして途中に登場する、マッチの売り方をチームSII一期生Bちゃん(孔肖吟)扮するマッチ売りの少女に教える、あやしい女も強烈な東北なまり。いかにもあやしい(笑)。

冒頭、Bちゃん(孔肖吟)があわててブーツを脱いでいるのは、本当に裸足の設定を忘れていたんだろう。

スリー(孫芮)がナレーションの朗読で「紫不拉叽」と東北方言で話した後、すぐにBちゃん(孔肖吟)が「绿」と言い返しているところ。

「~不拉叽」は東北方言で、直前の形容詞を強調する語気を加える単語で、それ自体に意味は無い。ここでは長い髪の美しさを紫色と比喩的に形容している。

ただ、Bちゃん(孔肖吟)が去年、髪の毛を緑に染めてとても気に入っているようなので、Bちゃん(孔肖吟)がすかさず「緑」とスリー(孫芮)言い直させたというわけ。

父親が娘を殴るなど、「家庭内暴力」(中国語では「家暴」)はSNH48のコントでは定番ネタ。

ダイモン(戴萌)、タコちゃん(張語格)、マオマオ(李宇琪)の一家3人の場面。ダイモン(戴萌)がタコちゃん(張語格)におっぱいをあげるというセリフは、かなりなつかしいネタ。

↓こちら2014/01/13の北京へお仕事に行ったときのメイキング映像。1分50秒あたりから見ると分かる。もう2年前の話。

その後、Bちゃん(孔肖吟)が娘と母親の一人二役をしているのは、少しわかりづらいかも。

母親役のBちゃん(孔肖吟)が「あの人はあなたより法律のことがよくわかってるし」というセリフ。これはマネー(錢蓓婷)の「オレオレ詐欺」事件ネタ。

この「オレオレ詐欺」事件ネタについては、その後ずっといろんなところでネタになっているので、ちゃんと理解したいと思っているのだが、その時間がない。中国語の聞き取りができれば、公演MCでかなり詳しくマネー(錢蓓婷)がしゃべっていたので理解できるんだけれど。残念。

キーワードは「楊大哥」。先週金曜日2016/02/05(金)の『国民美少女』美少女電視台でも、チームNII二期生リサ(陸婷)が、このマネー(錢蓓婷)のオレオレ詐欺ネタの「楊大哥」についてずっとしゃべっているのだが、聞き取れなくて残念。

その後、「愛錢」は、Bちゃん(孔肖吟)がマネー(錢蓓婷)のことを愛しているという、Bちゃんとマネーの百合カップルネタ。

その後、ダイモン(戴萌)、タコちゃん(張語格)、マオマオ(李宇琪)の3人家族ネタが、momo(莫寒)も登場して同性愛がらみの三角関係に発展するのが、やっぱりチームSIIコントのすごいところ。そこまでやるかという感じ。

チームSIIの百合カップリングネタは、じっさいダイモン(戴萌)パパと、momo(莫寒)ママのカップリングの方が先だった。で、娘がタコちゃん(張語格)の設定。

momo(莫寒)の腰のくびれがないというのは、チームSIIのMCの定番中の定番ネタ。

その後、momo(莫寒)とBちゃん(孔肖吟)の百合カップリングは、今回の特別公演で初めて出てきたネタで、今後の展開があれば面白そう。

次に登場する二期生スリー(孫芮)。なぜかBちゃん(孔肖吟)がソロで『今度こそエクスタシー』を歌うときの衣装を来て登場。それでBちゃん(孔肖吟)が「見慣れた衣装ね」としゃべっている。

そのスリー(孫芮)演じるあやしいお姉さんの話。

ハングリー・マーケティング(飢餓営銷)は、中国では本来は、急成長したスマートフォン・メーカー「小米(シャオミー)」のマーケティング手法として有名になった言葉。

ここではSNH48運営会社の公演チケットの販売方法と結びつけてネタにしている。正確に言えばSNH48運営のチケット販売方法はハングリー・マーケティングではない。SNH48専用劇場「星夢劇院」の客席の数は決まっているので、シャオミー(小米)のような供給をわざと絞って段階的に販売する方法がとれないからだ。

ただし超VIP席をオークションで販売するという手法は、超VIP席を意図的に3席にしぼっているので、ハングリー・マーケティングと言えなくもない。

あと、マッチをいろんな色で塗り分けるとか、「小選挙」をさせるとか、マッチ自体をSNH48メンバーになぞらえるのは、このあたりはややムリがある展開。マッチに入れるプレゼントは、生写真などのことを指すと思われる。

それから二期生チュンチュン(袁雨楨)、いちご(溫晶婕)コンビの二度目の登場。「有虾(エビがある)」「一颗枣(ナツメの実がひとつ)」の繰り返しが、「よっしゃいくぞー」になる部分。よく思いついたなぁと感心してしまう(笑)。

最後のマネー(錢蓓婷)とBちゃん(孔肖吟)の場面。人民元より米ドルというのは、実際、通貨の国際的信用の点ではやっぱり人民元より米ドルという、けっこうシビアなネタ。(そもそも人民元は米ドルにペッグされているので)

ただ、米ドルを手にしたマネー(錢蓓婷)の手が震えて、Bちゃん(孔肖吟)が「後で薬を用意してあげる」というセリフの元ネタは不明。きっと何か元ネタがあるはず。

ただ、その人民「元」、米ドル(美「元」)、Bちゃん(孔肖吟)が健「康」だという話が、「秋元康」という名前ネタにつながっていく部分も、よく思いついたなぁと感心させられる。

SNH48メンバーが演じるコント全体のオチとしては、「やっぱり秋元康商法はすごいよなぁ」と、自虐とも自画自賛ともとれる微妙なニュアンスがたまらない、おもわずうなってしまうオチになっている。

最後の『難忘今宵』という歌は、ほんものの中国中央電視台の『春晩』の最後に歌われる曲。

う~ん。きっと取りこぼしているネタがまだたくさんあるはず。筆者にはこれで限界…。