広州GNZ48チームG『シアターの女神』千秋楽の『潮風の招待状』ミニドラマと『私の舞台』PR映像の全日本語試訳

2016/10/06に広州GNZ48チームG『シアターの女神』公演が千秋楽を迎えたが、最後の部分の演出がちょっと感動的だったので、ご紹介。

まず『シアターの女神』公演アンコール前の最後の曲『潮風の招待状』が始まる前に、いきなりナレーションが始まって、以下のような映像が流れた。


あの夏はとっても辛かった。週に二度、毎回4分間しか舞台にあがる時間がなかった。
でもいま思い出すと、毎週8分間だけ輝く時間が、まるで山や海を飛び越えるようだった。

私は一着の衣装。
2016年4月のある日に生まれた。
すごくきれいでしょ。

私はこうして澄みきった声に呼び覚まされて
鏡の中に、若くて可愛い女の子の身につけられているのを見ていた。
サイズはぴったり。

初めて舞台に上がった2016年4月29日のことをまだ覚えてる。
その女性アイドルグループの名前を覚えてる。
GNZ48
その公演の名前を覚えてる。
『シアターの女神』
その曲の名前を覚えてる。
『潮風の招待状』

潮風がくれる透きとおった招待状に
舞台の上の私はひらひらと舞って
潮風にそっと揺られている気持ちだった。

2016年10月6日
この旅があんなに早く終わるなんて思いもしなかった。
その日は『シアターの女神』千秋楽
ということは、その回で公演はおしまい。
『潮風の招待状』という歌はもうこの劇場に響くことはない。
ということは、私はもう舞台に上がるチャンスがないかもしれない。

新し公演が古い公演に代わる。
新しい舞台衣装が古い舞台衣装に代わる。
古い舞台衣装はどんどん
私と同じように衣装部屋のすみっこに積み上げられる。

私は静かに、次に『潮風の招待状』が歌われるチャンスを待つ。

私もどれくらいの時間が経ったか分からない。
私のキラキラしたフリルはだんだんと酸化してもう輝かない。
レースはほこりにまみれてしまった。
縫い目はだんだんと黄ばんでもう純白にはならない。
でももう舞台に上がることはなかった。

私もあのアイドルのことが懐かしい。
もうずっと彼女には会っていない。

歌の中とは違って
彼女はもう変わってしまったのかもしれない。
アイドルがもう一度私を身につけるときには
もうサイズが合わないかもしれない。

ある年のある月のある日
眠っていた私は起こされた。
他の舞台衣装といっしょに衣装部屋から運び出され
大きなトラックに運び込まれた。

そうか、また新しい衣装が劇場に送られてきたんだ。
劇場にはもう場所がないから
私たちはしばらくの間、倉庫に保管される。

倉庫番のおじさんはお酒飲みで
ある日、私をこっそり持ち出して
舞台道具レンタル店へ送り
安い金額で売ってお酒を買った。

ときどき小さな舞台劇で必要になってレンタルされて
とりあえずまた舞台に上がるチャンスをもらえた。
一度また一度とレンタルされるたびに昔の姿は失われた。

私は一人の若い女性客と出会った。
彼女は私のことを買い取りたいと言った。
彼女は宝物のように私を持ち帰り
クローゼットのいちばんいい場所に置いた。

彼女は心を込めて私を扱ってくれた。
でも一度も私を着てくれなかったから、ちょっとがっかりした。
この女性客はコレクターなのかもしれないと思った。

その後、コレクターは結婚した。
彼女といっしょに私は新居に引っ越した。
彼女は私を壁に飾った。
でもその壁には私の他に何も飾られていなかった。

どうやらコレクターにはもう他の収蔵品はないようだった。
実はコレクターは普通の人で
両親との関係も良くもなく悪くもなく
毎日ごく普通の仕事をして
ごく普通の男性と結婚した。

まもなくコレクターの娘が生まれた。
娘の写真が私のそばに飾られた。
コレクターの母親が、孫の面倒を見に来た。
おばあさんは私を見るたびに
深いため息をもらして
どうして孫の写真の横にこんな服を飾るのかしら
そうつぶやいた。

その娘は日に日に成長し
笑うようになり
話すようになり
歩くようになり
その娘が初めてお母さんに手をひかれて
もう片方の手を高く上げてドアが開くのを待っている様子をまだ覚えてる。

その娘が初めていじめられて、家に帰ってもお母さんがいなくて
私のそばに隠れて泣いているしかなかった。
私は静かにその娘によりそって
慰めの言葉をかけてあげたかった。

その娘はあっという間に成長して
学校に通う歳になった。
初めて通学する日、母親は新しい服を買ってあげた。
彼女は鏡の前でうれしそうに何度も回った。

その娘は8歳になった。
おばあさんが突然亡くなったことを、まだ理解できなかった。
母親はその娘に、これは何かを失ったようなものだと言った。
でもその娘には分からなかった。
母親はその娘に、失うことは辛いことだと言った。
でもその娘にはあまり分からなかった。

ときどき母親は夜中に起き出して、わけもなく涙を流した。
彼女は見つからなかったけれど、私は見ていた。
その娘がドアの外で、母親の泣く声を聴いていたのを。
その娘にはも分からないんだと思った。

小さな子には分からないことがたくさんある。
その娘はたくさんのことの答えを知りたいと思った。
それでその娘は努力して本を読んだけれど
すべての答えが本の中に見つかるわけじゃなかった。
その答えが、前に座っている同級生から渡されたメモに隠れていることもあった。

その娘がもう少し大きくなったとき
母親は彼女をつれて旅行に出かけた
太陽が輝く海辺の砂浜へ。
きらきら輝く笑顔の写真が、その後私のそばに飾られた。

その写真を見て私は初めて知った。
海ってこんなふうなんだって。
じゃあ潮風ってどんなんだろう?

長い時が経って、母親が家にいなくなった。
その娘は急に家事をするようになり、きれい好きになった。
ときどき、はたきを持ってしっかり掃除をした。

その娘は偶然夜中に目を覚まして、泣きながら母親の部屋に駆け込んで祈った。
そのとき私は初めて、母親が病気になったのを知った。
その後母親は健康になって、突然たくさんのことを理解した。

母親はその娘に言った。
あの舞台衣装は、じつはずっと彼女の夢だったと。
その娘はまだよく分からなかった。
でも彼女の同級生が、お寺参りは効き目があるよと言った。
それで彼女はこっそり願い事をして、私を身に着けた。

その娘は他にもこっそりいろんなことをした。
たとえばこっそり好きなスターのポスターやCDを買った。
実は母親は全部を知っていたけれど、口に出すことはなかった。
母親はその娘にたくさんの秘密を持たせてあげた。

その娘は他の年頃の娘と同じような悩みを持つようになった。
自分はあまり美人じゃないとばかり思い
自分はそんなに痩せてないとばかり思い
顔にニキビができるのをいつも心配した。
母親は何も言わずに、彼女をジョギングに連れ出した。

いつもたくさんの問題があり
いつもたくさん乗り越えなきゃいけないことがある。
その娘はもうたくさんのことが分かっていた。
母親が彼女に、頑張らなきゃと言ったから。
何があっても勇気を出して戦わなきゃと言ったから。

その娘は髪の毛をショートにしてみたことがあった。
以前ショートにしたことがあるという感じと決心を覚えていたかった。
彼女は未来には困難が、まだまだ困難があることを知らなかった。
でも彼女はもう人生でいちばんの勇気を出す経験をした。

16歳の誕生日に、母親は彼女にどんな願いがあるのと聞いた。
彼女は母親に言った。
誕生日の願いは家にずっと飾られているあの舞台衣装を着てみること。

母親は驚いた。
私もびっくりした。
私は壁に掛かったままもう何年もの間下ろされることもなかった。
このとき、その娘は母親に言った。
私はお母さんの勇気を理解したいの。
何かを選ぶときもあきらめるときも
勇気と責任を持たなきゃいけない。
でももしチャンスがあれば、その娘は勇気をふるい起こしたいと思った。
もっと大きな責任を負いたい。
ただ夢の音を聴くためだけに
身にまとった声を聴くためだけに。


以上が広州GNZ48チームG『シアターの女神』千秋楽の『潮風の招待状』の前に上演された寸劇の全日本語試訳。ちょっと泣ける。

次に同じ広州GNZ48チームG『シアターの女神』千秋楽の最後に、チームGの新しい公演『心の旅程』の予告編とも言えるPR動画が公開された。

もちろん『心の旅程』はSNH48チームSIIの全曲オリジナル公演。これで北京BEJ48チームB、広州GNZ48チームGともにSNH48の全曲オリジナル公演『心の旅程』を上演することになる。

その広州GNZ48チームGの新公演『心の旅程』PR映像も、全編日本語試訳する。


十年後の私たちが、まだみんなの知っている私たちのままか、とても知りたい。

アベル(張凱祺)「ストップ。いまどれだけフリを間違えたか分かってる?ビデオをあげてから何日経つの。まだデビューしたいと思ってるの?

キャプテン。あなたのメンバーのダンスがこんなありさまで、何か言いたいことはないの?

はい。続けて次の曲『GIVE ME FIVE!』をやるわよ」

つき(羅寒月)「大丈夫。緊張しないで。これは絶対あなたたちの音域の範囲内だから。音を合わせるようにすればいいわ。」

GNZ48一期生:リーロン(黃黎蓉)・シャーレン(向芸)
(『心の旅程』より、最後の曲『私の舞台』)

つき(羅寒月)「気持ちが入っていなきゃ。音程が合ってなければ直せるけれど、気持ちが入っていないと、聴く人に伝わらないでしょ。分かった?」

レイレイ(謝蕾蕾)「みなさんこの映画『私の舞台』に注目いただいてありがとうございます。今回は陳監督といっしょにお仕事ができて、自分の演じたかった役柄を演じることが出来て、とてもうれしく思っています。」

記者「今回の演技で進歩がありましたか?」

レイレイ(謝蕾蕾)「上映されてからみなさんに見ていただければわかりますよ」

アシスタント「張さん、電話ですよ」

soso(張瓊予)「はい、ありがとう。もしもし」

マネージャー「謝さん、電話です」

レイレイ(謝蕾蕾)「うん、分かった。必ず行くわ」

陽青穎(ヤン・チンイン)(電話を取る)

きつね(高源婧)(CK(陳珂)からの電話)「もしもし」

部下「林さん。陳社長との商談ですが…」

ペイペイ(林嘉佩)「私の代わりに進めておいて。私は今晩特別な集まりがあるの」

(つぎつぎとGNZ48星夢劇院に集まってくる「元」チームGメンバー)

CK(陳珂)「みんなまたこの舞台に戻ってきてくれて本当にうれしい。じゃあ私たちGNZ48の新しい期のメンバーがもうすぐデビューするから、デビューの前に、先輩たちでチェックしましょう。

じゃあみんな、準備はいい?」

GNZ48n期生「準備できました!」


そして『心の旅程』公演の最後の曲『私の舞台』が始まる。

いちいち解説する必要はないと思うけれど、上のPR映像は、GNZ48を卒業した元チームGメンバーが、十年後に劇場で再会して、そのときデビューを控えたn期生のパフォーマンスを見ながら、十年前にデビューしたときの自分たちを思い出すという設定。

SNH48チームSII初の全曲オリジナル公演『心の旅程』より、『私の舞台』の歌詞も日本語試訳しておく。


『私の舞台』(SNH48チームSIIオリジナル公演『心の旅程』より)

人生は長い旅路のようなもの 永遠に忘れない
かつてあなたと肩を並べて出発したことを
この劇場の下で いっしょに
いちばん輝いてた年月を過ごしたことを

幸せかな?あのときの固い意思がまだあること
名残惜しいかな?最後のお別れは
またより大きな舞台で花咲くためだということ

世界が目まぐるしく変わるたび
この舞台があなたの旅の港
旅の途中でいっしょに
喜び涙した仲間たちを覚えているかな?

思い出はまだ心を動かすかな?
夢はもう青空の上で花開いたかな?
十年後にまた振り返っても
初心が変わらないままでありますように

永遠に変わらないかしら?いわゆる失敗と成功は
永遠に変わらないよね このライトがまだ輝くことは
私たちの舞台に戻ってきてください

世界が目まぐるしく変わるたび
この舞台があなたの旅の港
しっかりと覚えている
一人ひとりの顔の温かさ

消えることのない情熱は
私たちとともに空の彼方へ飛び続ける
十年後にまた振り返っても
私たちの初心は変わらない


SNH48初の全曲オリジナル公演『心の旅程』は、北京BEJ48、広州GNZ48にも歌い継がれることで、SNH48の歴史に残る名公演になるだろう。