SNH48 14th EP 全曲オリジナル『Happy Wonder World』全6曲音源

SNH48のクリスマス全曲オリジナルEP『Happy Wonder World』の音源が全曲公開されたのでご紹介。

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01. Happy Wonderful World (選抜メンバー:新年這一刻)

02. Burning Up (Team SII)

03. Brave Heart (Team NII)

04. 倒転魔法師 (Team HII)

05. 関於甜蜜的願望 (Team X)

06. 鐘声過後是楽園 (Team XII)

筆者の好き勝手コメントは時間差で追記。

例によって中国語歌詞の良し悪しは全くわからないので、曲だけでコメントさせて頂きます。

02. Burning Up
全体的に全盛期のエイベックスっぽいし、Underworldをヘビロテしていた頃を思い出して、個人的にはけっこう懐かしい感じのEDM。この曲、小室哲哉がSNH48のために安い報酬で書き下ろした曲です、と言われてもあまり違和感ないかも。

後半の間奏はEDMで盛大に遊んでいて、エフェクトが効いてバリバリした音のボーカルが入ってきて、その部分が2小節+2拍のブレイクになっていたり、面白い編曲で全然アリだし、SNH48曲としてはとっても新鮮。

EDMなのでヘッドフォンで使われている音を隅々まで聴いて初めて面白い曲。

03. Brave Heart
これがチームNII曲?と思うくらい拍子抜けするコテコテのJ-POP風アイドルポップ。イントロもちゃんとMIXを打てるし、ギターとドラムスとわずかなピロピロ電子音から、少しずつ分厚くなっていく伴奏も定番で気持ちいい。

長めの間奏では何連MIXだか知らないけれど、ヲタのみなさんが気の済むまでMIXを叫べる。作曲の面ではDメロや転調ないのが少し残念。編曲の面では、サビの最後のリフレイン「只要有你在身旁 荆棘我们一起闯」の「一」でメロディーにいきなり登場する高いEの音を活かせていないのが少し残念。

でも定番アイドルポップなので全然アリ。

04. 倒転魔法師
まさかチームHII曲にスカが来るとは思わなかったその意外性だけで十分良い。Bメロのものすごく細かい譜割りと、サビのコーラスも可愛らしくて幸せな気分になるクリスマス的な。

この曲ならもっと編曲で遊んでいいと思う。イントロのLet’s Go!や、サビ前の1!2!3!、サビのGet you!ツーコーラス目のAメロのHoo!など、たしかに入って欲しいところに入って欲しい掛け声は入っているけれど、間奏にもパーティーでお祭り騒ぎ的な音くらい入れても全然おかしくはない気がした。

しかし、伴奏のブラスが生音じゃなくてシンセなのがとっても残念。ぜひSNH48の音楽制作陣には常にレコーディングに入れるブラスのメンバーを確保して欲しい。せっかくの良い曲がもったいなすぎる。

05. 関於甜蜜的願望(スイートなお願い)
イントロのリードが安っぽいのが気になるけれど、その後、曲入りのドラムスのアドリブや、ピアノのバッキングがものすごく良い。この跳ねたリズムにピアノの伴奏の組み合わせは、いかにもクリスマスっぽくてジャジーな感じでとっても良い。

それからAメロ、Bメロとも単純なリフレインではなく、メロディーに変化のある反復、サビも前半のリフレイン部分と、さらに後半、ベースが半音ずつ降りていく(これは定番)メロディー、しかもブリッジにDメロまである。

この曲はとにかく作曲面でメロディーの豊かさが非常に素晴らしい。これで編曲面で、伴奏のブラスがシンセじゃなくて生音だったら、もう何も言うことはありませんというくらい素晴らしい曲。

06. 鐘声過後是楽園(鐘の後は楽園)
サビ始まりの曲だが、その後の、イントロのコード進行が、ジョン・レノン『ハッピー・クリスマス』へのオマージュなのか、あまりにこのコード進行をクリスマスシーズンに聴きすぎていて自然に使ってしまったのか、単なるパクリなのか不明(笑)。

このあとのAメロにも同じ進行が複数回登場するので、コードに乗っているメロディーは全く関係ないのだが、聴いていて非常に引っかかる。

サビからはこの進行はなくなっているし、メロディー自体はAメロ、Bメロ、サビとも悪くないのだけれど、間奏でまた戻ってくるし、コーラスにもD⇒C#⇒E⇒Dの音型が出て来るので、正直ちょっとどうかと思う。

編曲では特に後半の間奏、シンセの音が安っぽいのがすごく気になる。これでDメロも転調もなしだと、どうコメントしたらいいか…。

チームXIIは全曲オリジナル新公演『コードXII』の楽曲制作で、すでに力尽きたという感じかも。

以上、『鐘声過後是楽園』以外は作曲面ではAKB48楽曲と比べても遜色ないと思うけれど、やっぱり課題はブラス、金管楽器の生音が全くないこと。

先日ご紹介した北京BEJ48の『アトランティスの記憶』の後半の間奏で、SNH48姉妹グループでは初めて生のサックスのアドリブを聴いたが、サックス一本だけじゃなくて、ブラスだけでバンドとして伴奏に登場するようになれば、編曲も完全に文句なしになりそう。

あと一歩。あとはブラスだけ。