上海SNH48五期生チームXIIパパ(洪珮雲)と「王者栄耀」プロゲーマーの詳細

現地SNH48ファンの間で、このブログで触れないわけにはいかない程度に話題になってしまったので、やむを得ずネタを一つご紹介する。

昨日2017/07/15(土)のSNH48チームXII『コードXII(代号XII)』公演には、少しヘンなところがあった。

2017/07/15 SNH48 Team XII『コードXII』Yoko(張怡)生誕祭

パパ(洪珮雲)が、最初の4曲と自己紹介MCにはふつうに出演したが、その後、彼女がセンターのユニット曲『人間規則』では、キャプテンのYoko(張怡)がセンターを代役。

つづきのYoko(張怡)の誕生祝いコーナーにもパパは現れず、MC3でようやく登場。

公演が全曲終わり、Yoko(張怡)の第四回総選挙演説会も終わった後、キャプテンのYokoがメンバーを呼び集めてチームXIIが舞台で円陣。ふだんの公演でチームXIIが舞台で円陣を組むことはない。

その理由は、いつものことだがSNH48メンバーがファンと私的に連絡をとった疑いがある、または、交際している疑いがある、という件。

今回のパパ(洪珮雲)ネタを説明する前に、まずこの記事を読む必要がある。

「中国で大人気のオンラインゲーム、未成年のプレー時間を制限」AFP 2017/07/04 17:59

「王者栄耀 King of Glory」という中国製スマホゲームが中国の子供たちを夢中にさせ、社会問題にまでなっている。

中国では「League Of Legends」などPCのオンラインゲームに限らず、スマホゲームにもプロリーグがあり、プロのゲームプレイヤーが人気を集めているが、この「王者栄耀」にもプロプレーヤーがいる。

その中でも強豪チーム「sViper」は同ゲームファンに人気で、とくに「杰斯(ジェス)」というプロプレーヤーがイケメンということもあって、同チームに加入して女性ファンが多いことで知られている。

ジェス(杰斯)がsViperチームに加入したニュースの画面ショットはこちら。中国ではプロゲーマーの動向がネットニュースになる。

すでにお分かりのとおり、今回のネタの主人公はチームXIIパパと、このイケメン・プロゲーマー「ジェス」の2人。

ことの発端は、パパが2017/07初旬に休暇を取って、四川省北部にある景勝地・九寨溝へ旅行したことにある。

旅行先からの写真つきツイートはこちらの2017/07/06 21:38のツイートに残っている。

問題はこの後のツイート。今は削除されているが、パパとジェスが別々にネットにツイートした写真が、みごとにカブってしまったのだ。

左がジェスのツイート、右がパパのツイート。2人が別々にツイートしたものを現地ファンが並べたもの。

右側の背景に写っているカーキ色のフードコートを来た女性の移動距離を見ると、この2枚の写真がほぼ同じ時間に撮影されたことが分かる。

ここから現地ファンがいっせいに2人の情報集めを始める。狙いはいつもどおり、中国ツイッター(新浪微博)、チャットソフトQQにある限られたメンバーだけのチャットスペースなど。

すると、以前ジェスが下記のようなツイートをしていたのが見つかる。

「恋人ができた。彼女はもともと雪山に住んでいる仙女ちゃん。だって、僕といっしょに下らないこの世に落とされたから」

これだけ読むとよく分からないが、パパの2017/03/15 20:38のツイートと合わせるとつながりがあるように思えなくもない。

「人生のアドバイス2.0: 牛乳をたくさん飲んで夜ふかしはやめて、ホンを飽きるほど読んで、教養人になろう。みんなへ:やっぱり私のことを好きになるのを忘れないでね。氷の山の美女という名前の私は仙女だから」

現地ファンから、ジェスと2人で九寨溝へ旅行に行っていたのでは?というツッコミが入り始め、彼女はツイートで事情を説明する。以下のツイートも今は削除されている。

「みんなの気づかいありがとう。未成年は早すぎる恋なんてしないよ」

ややキレ気味の短いツイートで、九寨溝にいっしょに行った女友だちとのツーショットを貼っている。そしてコメント欄で説明をつづける。

「話をしたこともない異性の友だちが、突然みんなにそういう関係だってことにされて、もしかするとどこかからみんなに誤解をさせたかもしれない。ほんとうにごめんなさい。今後は気をつけます。もう異性といっしょに遊びにいかないようにする」

「もし今までどおり私の生活にwzry(訳注:「王者栄耀」の中国語発音記号の頭文字)の友だちしかいないと思ってみんなをややこしくさせるなら、フォローは取り消す。ありがとう」

じつはこのとき、パパはジェスの中国ツイッター(新浪微博)アカウントをフォローしていた。それを取り消すと言って、今はじっさいに取り消している。

「あの異性のQQのチャットスペースで何が書き込まれたか私はぜんぜんはっきり知らない。友だちに送ってもらってはじめて分かった。これについては本当にどうやって説明したらいいかわからない」

「今回の旅行は7人。事実で説明させて。みんなもそう言うなら、私が潔白でないことを事実で証明してよ」

そこでパパが事実として持ち出した写真がこれ。

中央の男性がプロゲーマーのジェス。パパをふくむ周囲の6人がジェスの女性ファンと思われる。さっきのパパとのツーショットにいた女性ファンもいる。

これでジェスと2人だけで旅行に行ったのではないと証明できたから終わりかと思うと、そうならないのが現地ファンのアンチの恐ろしいところ。

パパ自身が過去に伏線をはっていることを探し出す。(ゲーム用語で言えば「フラグ」を立てていないか)

するとインスタグラムに見つかる。

「Still kids(まだ子供だ)」とあり、「#WuWangChuXin」は「勿忘初心(初心を忘れない)」のピンイン。

このツーショットが見つかったとき、パパはインスタグラムであわてて説明していた。

「まず今回の写真についてみなさんに謝罪します。私が卒業するとき注意せずに犯した過ちです。今後は異性と体を接触させすぎないように注意します。今回は本当に本当にみなさんにおわびします。でもいちばんいちばん重要なのは、SNH48に入団してからの期間、私は絶対にファンに申し訳ないようなこと、会社との契約に違反するようなことはしていないということです。異性とも同性とも不適切な関係になったことはありません。この点はアイドルの覚悟として、SNH48の最終選考のときからすでに持っています。ファンに申し訳ないっことや、契約に反することはすべて、絶対に絶対に絶対にしません。以前にもしていませんし、今もしていませんし、将来も絶対しません」

「これはフラグではありません。これはいちばんいちばん基本的な原則の問題です。演説会のときに話したように、私は大うそつきなんかじゃありません。みんなが信じてくれるかどうか分からないけれど、私は自分がウソを付くのが好きじゃないことだけは知ってます。私はウソは言いません。さらにみんなに不誠実なことはしません。私は本当に口べた。今回は私の過ちです。不注意すぎました。次は絶対に絶対にこういうことはありません! ちなみに写真の中の手は中指じゃなくて人差し指です」

このあたりでおもしろい展開は、いきなりルームメイトのSNH48四期生チームXソクちゃん(汪束)がフォローに入ってきたこと。公式アプリPocket48の「メンバーの部屋」でのツイート。

「私のベイビー、これは私にも責任がある。前にずっと学校で忙しかったとき、彼女(訳注:洪珮雲のこと)をあまり注意してかまってあげなくて、ゲームに夢中にさせてしまった。でも彼女の私生活と気持ちは私は誰よりもよく分かってる。恋愛するなんて絶対ありえない。せいぜい友だちと行き違いがあっただけでしょ。私が彼女によく言って聞かせたから。wzry(訳注:王者栄耀のこと)は私の目の前でアンインストールさせた。wzryに関するものもすべてやめさせた。ファンに対しては、誇張されたところがあって、彼女のQQは私も知ってるけど、彼女のハンドルネームは一度も変わったことはない。このことはこれで終わりにしよう。15、6歳の子供はバカなことをするけど、直せばいい。彼女はもう悲しんだし、改めると決心した。夏休みは私が監督してしっかり勉強してしっかり仕事させる。みんなも引きつづき彼女を応援してね」

そしてパパ本人も長文ツイートで説明をする。

長いので、冒頭と後半のほとんどを占める謝罪部分はのぞいて、要点だけ。

・今回の旅行は7人いっしょ。ツーショットを撮ったあの女の子といっしょに出かけた。
・ジェスは私たち共通の親友。九寨溝では7人いっしょに遊んで、異性と単独の関係はなかった。
・以前「王者栄耀」プロリーグの現場に好きなチーム(訳注:ジェスの所属するsViper)を見に行って、確かにジェスと現場で交流があり、中国ツイッターを相互フォローした。
・ただしジェストはふつうの友人で恋愛関係ではない。
・ジェスがQQのチャットスペースで使っている「仙女ちゃん」はファン全体のあだ名で、私個人のことではない。

ただ、これらの説明については、やや食い違う書き込みがある。

このコメントも要点だけ書く。

・洪珮雲はジェスのファンサークルに入ってジェスのゲーム実況生放送でジェスに向かって「あなたを思ってる」と弾幕コメントを書いた。
・当時の彼女のQQのハンドルネームは「xhs的小媳婦(xhsのお嫁さん)」(訳注:xhsはジェスの本名、謝鵠声の頭文字)
・いま彼女はハンドルネームを変えている。

さきほどソクちゃんのツイートで、パパがQQのハンドルネームを変えたことはないと、説明しているが、やや事実関係があやしくなってくる。

さらに、QQのパパのIDにダイレクトメッセージで直撃しにいった現地ファンがいる。

下図はパパのQQのIDとハンドルネーム「配(ペイ)」。洪珮雲の「珮(ペイ)」と同音。変更した後のハンドルネーム、または、別アカウント。

以下、現地ファンは「F」、パパは「H」とする。

F:君はhpy(訳注:洪珮雲の頭文字)本人でしょ?
F:ウェイボー(中国ツイッター)に書いてたのは運営会社の広報?それとも君本人が言いたかったこと?
H:サークル内なら、全部私自身が言いたいこと。
H:残りは、、、
H:ノーコメント

(訳注:パパ自身が、ツイートでの謝罪は運営会社が書かせたものだと半分認めている)

以下のQQの画面は、ジェスのファンのチャットサークル内で、パパが追求をうけているところ。ジェスのファンたちも彼女がジェスと個人的に付き合っているのではないかと疑っている。

以下のQQのダイレクトメッセージは、パパとジェスが同じ服を着ていたと、パパがジェスのファンたちから問い詰められたことを、いきなりダイレクトメッセージを送ってきた現地ファンに反論しようとしている。

H:送ってよ
H:なにビビってんの
H:ファンのみんなが同じ服のことまで話してんだよ

F:君は僕を脅せないと思うけど
F:ビビってるかどうかはどうでもいいよ
F:でもみんな実は何の悪意もないと思うよ
F:なんで絶対悪意があるってことになるの?

H:あんたたちがムリいってくるからでしょ
H:逃げ場がないところまで追いつめて

H:ずっとあんたたちを見てるからね

F:まだ別のアカウントがあるよね

H:ノーコメント
H:ずっとあんたたちを見てるからね
H:別アカがあると思うなら探せばいいじゃん
H:気をつけなよ

F:どうでもいい
F:僕もたいして話もないし
F:ジェスはいい人だ

F:とりあえず
F:自分もジェスも裏切らないように願ってるよ

H:ジェスがいい人かどうかは知らないよ

F:言いたいのはそれだけ。誰も恨みたくないし。

H:でもあんたたちがあの何とかっていうファンサークルではなしてることを見てると(訳注:たぶんジェスのファンサークルのこと)
H:バカバカしいと思うよ
H:こんな長々とね
H:まさか自分の家の中に悪いヤツがいるとはね

H:なんでまだ送らないの

F:送ってほしい?

H:送りなよ

F:君の意見を尊重しよう

H:あんたたちが
H:おたがい腹のさぐり合いするのを見てみたいし

F:そんな悪趣味だとはね

H:早く送りなよ
H:まだ送ってないんでしょ

ここまでパパは、言いがかりをつけてきた現地ファンを、かなり挑発して、ジェスと自分が同じ服を着ているという証拠の写真を、送れるもんなら送ってみろと言っている。

で、このファンが送りつけた画像が以下。

パパがどういう反応をしたかは不明。

このあたりで、このネタは一段落したはずが、まだ続いていたらしい。

このツイートはほぼ全編罵倒なので、要点だけ。

・「話もしたことがない異性の友だち」でしかない王者栄耀のプロ選手と、他の女性ファンがいっしょだとしても、6泊7日も九寨溝に旅行に行くはずがない。
・しかもその6泊7日の間、公演に出ずに上海にも戻っていない。
・QQのハンドルネームを「謝鵠声的小媳婦」に変更している。
・ジェスは自分のファンを「仙女ちゃん」とは呼ばない。「弟弟們」と呼んでいる。
・ジェスのファンサークルは有料で、お金を払って加入しているのにファンの愛称を知らないはずがない。

このツイートの中で、事実にかかわるのは大体これくらい。

さて、以上をふまえた上で、パパの行動に問題があるかどうか。

まず個人的な交際がないことは確かなので、恋愛禁止というゲームのルールには違反していない。Tシャツが同じだけでは何の証拠にもならない。

問題は「ファンと私的に連絡をとった」と言えるかどうか。

彼女はプロゲーマーのジェスのファンだが、ジェスがSNH48メンバーとしての彼女のファンだという話はどこにも出てきていない。

SNH48メンバーが、たとえば中国の二次元クラスターの漫画家さんを中国ツイッター(新浪微博)でフォローするのはふつうのことで問題ない。

なので、彼女がジェスの有料チャットサークルに入っていようが、ジェスのゲーム生中継で「愛してる」的なコメントを書こうが、プロゲーマーのファンの一人として何の問題もない。

メンバーが休暇をとって一週間ていど旅行に出かけることも何の問題もない。日本へ遊びに来ているメンバーもインスタグラムでよく見かける。

要するに、パパの行動には何の問題もない。

問題があるとすれば、つっこまれるスキがあり過ぎということだろう。これだけの材料がそろえば、何の問題もなくても「どうぞ突っ込んで下さい」と言っているようなものだ。

彼女と同じ年齢でも、例えばチームXIIで同じく人気メンバーのニモ(費沁源)は、こんな下らないスキを見せることなどない。

結果、そのフォローをするのは、チームXIIキャプテンのYoko(張怡)なわけだ。

ただし、この件のおかげで、いわゆるhhy(裏庭の花園、中国2ちゃんねるのSNH48掲示板)に彼女についてのスレッドがたくさん立って、さらに中国のQ&Aサイト「知乎」にまでスレッドが立って、ここ一週間はこのネタで持ち切りだった。

結果、2時間以上かけてこのブログを書くほど、筆者の時間も専有されるし、「スキャンダルで認知度をあげる」という点では、大成功だと思う。

クソまじめに「清く正しく美しく」をまともにやってるアイドルなんて、いつまでたっても知名度も人気も上がらない。悪口を言われてナンボの世界。

アイドルなんて、所詮はそんなもんです。