上海SNH48『W-KEYAKIZAKAの詩』パクリ騒動で作曲者が長文で説明

上海SNH48チームNIIの全曲オリジナル新公演『愛の名において(以愛之名)』の13曲め『Unforgettable』と、欅坂46の「グループ歌」とも言える『W-KEYAKIZAKAの詩』が似ている件。

『Unforgettable』音源はこちら。

台湾の制作チーム「Light Colors Music Studio」が素早い対応を見せ、下図のような長文の説明を公開した。元文書のリンクはこちら。要するに、決してパクリではなくオリジナルだ、という説明だ。

Light Colors Music Studioの説明(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)

ただこれは「悪魔の証明」で、一つでも違いを見つければ、作者でなくてもオリジナルだと「証明」できる。

完全一致なら誰も「パクリ」と言わない。「カバー」と言う。「勝手にカバーするな!」となる。

今回は素人でも違いがあると分かる。だから「パクリだ!」と言っている。

それに対して作者が「これだけ違いがあるのでオリジナルです」と答えても反論したことにならない。

理論的には世の中に「パクリ」は存在しない。

完全一致なら「カバー」。
部分一致なら「オリジナル」。
完全に違えば「別の曲」、つまり両方とも「オリジナル」。

理論的には「パクリ」の存在する余地はない。

ではなぜ世の中に「パクリ」が存在するのか?それは音楽に感情面があるからだ。

感情的には、いつでも「パクリ」は存在しうる。

他の曲に「似ている感じ」が「パクリだ!」という感情を引き起こす。

他の曲に「全く似ていない感じ」は、逆に「すごい独創性だ!」または「ぜんぜん分からん!」という感情を引き起こす。

他の曲と「全く同じ(感じ)」なら、「勝手にカバーするな!」という感情を引き起こす。

今回は「似ている感じ」が欅坂46ファンの「パクリだ!」という反感を引き起こした。

ただでさえ現地のAKB48系ファンや坂道系ファンはSNH48に反感を持っている。

AKB48の正式な姉妹グループでないのに「48」を名のりつづけているからだ。

そこへ「似ている感じ」の曲が出てくれば、欅坂46ファンが反感をもつのは当然だ。

今回、SNH48運営会社はその反感の火に油を注いでいる。

外注先に説明を任せて、発注者としての説明責任を果たしていないからだ。

現地のAKB48系・坂道系ファンの反感はさらに強まるだろう。

しかしSNH48運営は、現地のAKB48系・坂道系ファンの限界を知っている。

すでにファンの母数はSNH48よりも現地のAKB48系・坂道系ファンの方が少ないという限界だ。

だからSNH48運営は説明責任を果たさなくてもやっていける。

これってヒドいけれど、世の中はそもそもヒドいものだ。

なのでこのブログではSNH48の良さもヒドさもお伝えしている。

良さだけをお伝えすると、ただのプロパガンダになってしまう。

*)2017/10/10追記:上海SNH48八期生で、バークリー音楽大学卒のまだデビューしていないサイクロン(葛佳慧)が、この長文の説明に彼女なりのコメントを付けていた。

コメント覧にも140字の制限があるので、いくつかに分けて書かれたコメントをつなげた画像がこちら(中国語)

コメントの内容はLight Colors Music Studioの説明文の背景にある音楽の歴史的な経緯と、一般的に作曲者が意図的に過去の曲を利用する場合のパターンを列挙しているだけ。

ほぼ完全に中立の内容で、パクリだともパクリでないとも言っていないし、今回の作曲者への助言のようなことも書いていない。

というか、一応すでに舞台でお披露目されたのに、個人アカウントで公然とツイートが許されている葛佳慧、それでいいんだろうか?