上海SNH48運営がカチューシャ(李藝彤)全面擁護ツイート

書かないわけにはいかないので、上海SNH48二期生チームNIIカチューシャ(李藝彤)が、公式アプリPocket48生放送でいわゆる「アンチ」に対して「爆発して花火になって天に上れ」「おまえはすでに死んでいる」等の発言をした件。

カチューシャが生放送でこれらの発言をしたのは事実で、これ自体をデマとするのは誤りだ。ただしこれらの発言だけを取り上げて彼女を非難することは不適切である。

さて本件、その後、退団済みの二期生ルーリー(曾艷芬)がカチューシャとそのファンの批判を始め、SNH48運営会社のタレントマネジメント責任者まで公開で批判、チームNIIの内情について真偽不明の情報を大量に流している。

SNH48運営会社は早急に彼女を処分したいところだが、いま香港の大物男性俳優ニコラス・ツェー(謝霆鋒)の料理バラエティー番組『シェフ・ニック』がネット放送中で、半年前に収録済みのこの番組にカチューシャ、ルーリーの2人とも出演しており、動きがとれない。

運営会社はルーリーがカチューシャ批判に加勢した後、2017/12/11 20:27に中国ツイッター(新浪微博)で声明を出した。会社の印章がないため公式な公告ではない。

下図の画面ショットを日本語試訳する。参考までに「いいね」が多いコメントを含めておいた。

近日、SNH48メンバー李藝彤の片面の言論を切り取って悪く言い、かつSNS上に悪意で関連情報を広め、弊社メンバーを誹謗し、弊社のイメージを中傷するネットユーザがいます。この種の情報は一旦広まると、真相を知らない大量のネットユーザが継続して転載し、コメントをつける事を引き起こします。それにより弊社および一部メンバーが各方面から誤解と質疑を受け、重大な困惑を作り出し、傷つけることになります。

以上に基づき、上海絲芭文化伝媒有限公司は以下のように声明します:

1.関連する人員は直ちに上述の弊社およびメンバーのイメージを中傷する行為を停止して下さい。

2.弊社は悪意ある関連情報のねつ造者、伝達者を厳格に譴責します。我々は事実でない関連情報を伝達および転載したプラットフォームに直ちに事実でない情報を削除するよう要求し、かつ関連する人員の法的責任を追及する権限を保留します。

ここに声明します!

ポイントはSNH48運営会社の声明の対象が一般ユーザではなくSNS等の運営会社の職員であること。

運営会社は今回の件で個人を名誉毀損等で訴えることが事実上不可能で、また、仮にそうすれば消費者向け事業を主とする同社自身にリスクがあることを理解している。

コメント欄を人気順に見ると、上位2つは明確にカチューシャを批判するコメントで、「いいね」がそれぞれ5,124個、4,367個。この2つのコメントは2017/12/13昼時点もトップで、「いいね」はそれぞれ6,737個、5,210個に増加。

じつは運営会社はこの声明後、批判コメントを少なくとも2件削除している。下図、2017/12/11 21:51、21:59の各画面ショットだが、この8分間でトップ2件のコメントが削除されている。

SNH48運営会社声明発表後 2017/12/11 21:51画面ショット
SNH48運営会社声明発表後 2017/12/11 21:59画面ショット

21:59時点ではカチューシャ応援会のコメントがトップだ。このあと批判コメントの「いいね」が圧倒的多数となり、おそらく運営会社は削除を中断している。

この声明は現時点で十分な効果をあげていない。複数のエンタメニュース系アルファブロガーは、今回の件に関するツイートを2017/12/12朝時点でまだ削除していない。

その理由は、SNH48内部で事実上退団済みのルーリーとカチューシャの内部分裂という話題性があるためだ。

以下、中国ツイッター(新浪微博)をキーワード「李艺彤」で検索した結果に現れたアルファブロガー(フォロワー数100万以上を基準とした)につき、アカウント名、フォロワー数、本件を取り上げたツイートをした日時、リツイート数、コメント数、「いいね」の数の順に記述する。

いずれも2017/12/12 08:30時点の数値。画面ショットとツイートへのリンクは最後に参考資料としてつける。

最後の行に書いたチャイナユニコム(中国聯通)音楽配信サービス公式アカウント「沃音楽官博」だけがカチューシャを全面的に支持している。

ところで、カチューシャ批判のほとんどは彼女の「アンチ」に対する「死ね」という挑発に対してだが、一部、運営会社による処遇の不公平さへの批判もある。

今回の件まで現地ファンから非難されていたルーリーが、カチューシャ批判を始めたことで逆に一定の支持を得つつある理由はこれだ。

運営会社はルーリーについて、彼女自身が個人アカウントで退団宣言するまで、擁護の声明も処分の声明も出さず「体調不良」という発表だけで放置した。しかし今回のカチューシャの件で、運営会社は彼女の不適切な言葉遣いにふれず、彼女を全面擁護している。

この点に処遇の不公平さを感じている現地ファンがいるようだ。ここで、他のメンバーの反応を見てみよう。

同じチームNII二期生リサ(陸婷)は公式アプリの「メンバーの部屋」に以下のように書いている。

私はいずれの側にも立ちません。というのはどちらも自分にとって大切なものだからです。

私はただ皆さんが外部の他の意見に、二度と挑発されないようにして欲しいです…

チームNIIキャプテンななし(馮薪朵)が体調不良で発言できないため、リサが事実上チーム代表で発言している。彼女は特定メンバーの味方をせず、チームNIIメンバー全員が大切だと書いている。

他方、一歩踏み込んで自分の立場を危うくしてしまったのが、四期生チームXソクちゃん(汪束)だ。公式アプリ「メンバーの部屋」に以下のように書き込んだ。

私はずっと自分が推している人は間違ってないと確信してる。

だって彼女は私にすごく似てるから。

価値観も同じ。

同じように孤独だけれど誰かに守ってほしいと思ってる。

同じように自分らしくすることが正しい事だと思ってる。利益を考えないし他人の理解も必要ない。

彼女は友達を必要としてないし、自分を変えるなんてことを考えもしない。

私たちが出来ることは、黙って自分ができる限り彼女を信じて、彼女を応援すれば十分。

ソクちゃんが言っている「彼女」はルーリーのことで、この言葉どおりソクちゃんは中国ツイッターでカチューシャへのフォローを取り消す。

しかし会社からの命令で再度カチューシャをフォローする。

その経緯をソクちゃんは正直に書いてしまっている。

さっきリハーサルが終わった。(訳注:全曲オリジナル新公演『命運的X号』のリハ)

命令を受けてフォローをやり直した。

そういうこと。生活していくのは本当に難しい。

疲れて体がバラバラになりそう。寝るわ zzzzzz

そしてルーリーは運営会社のタレントマネジメント責任者や、同じチームNIIの他のメンバーの内情について真偽不明のツイートをし続けているが、それについては別記事とする。

参考資料:アルファブロガーのツイート画面ショット(2017/12/12朝時点)