重慶CKG48チームC年越し公演トークコーナ「捨て身」の人気獲得作戦

重慶CKG48スタッフが捨て身の人気獲得作戦に出たようだ。

重慶CKG48 TeamCの2017/12/31年越し特別公演のMC(トークコーナー)が一部の現地ファンに大評判になっている。

中国語が読める方はビリビリ動画のこちらの動画で、現地ファンのツッコミのコメントとともに楽しめる。

本編は01:50あたりから始まる「スパイは誰か?」というゲーム。一人ずつフリップを渡し、書いてある単語を自分と観客だけに見せ、他のメンバーには見せない。

8人のうち2人だけ違う単語が書いてあり、その2人がスパイ。ただし自分がスパイかどうかも分からない。

自分のフリップの単語を、その単語を直接言わずに説明してヒントを出す。ハッキリ説明しすぎるとスパイを当てやすくなるので、適度にごまかして上手くヒントを出す必要がある。

説明が一巡したら参加者全員で誰がスパイかを投票し、いちばん疑われた人が、本当にスパイかどうかに関わらず敗退してゲームから抜ける。ちょっと「人狼」に似た感じのゲーム。

このゲームで重慶CKG48スタッフがものすごいお題を出してきた。

「烟火」

花火のこと。ここで観客がものすごい歓声を上げている。

観客のほとんどが中国2ちゃんねる(百度貼吧)の某掲示板を見ていて、上海SNH48二期生カチューシャ(李藝彤)の不適切発言ネタを知っている。

カチューシャが、第四回リクエストアワーで自分が絶対に歌いたくないテテちゃん(黃婷婷)とのデュエット曲『人魚』に、彼女がキライなファンがわざと大量投票していることに激怒。

公式アプリ「Pocket48」の生放送機能(AKB48でいうShowroom)で「(そいつらは)爆発して花火になれ」と不適切発言をした件だ。

この後、カチューシャが誕生日ソロライブでテイラー・スウィフト『Look What You Made Me Do』を歌い、それが中国ツイッター(新浪微博)でフォロワー700万超の音楽批評家アカウントに「2017年十大放送事故」の第二位に選ばれたネタもつながっている。

その「烟火(花火)」を重慶CKG48スタッフがお題にしたのだ。

ただし、この「烟火(花火)」はふつうの中国人にとっては最近中国で公開されたアニメ版『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』の中国語タイトル『烟火』のことだ。

しかしSNH48グループの現地ファンがこのタイミングでこの単語を見せられると、カチューシャのネタにしか結びつかない。重慶CKG48スタッフはこのダブルミーニングを確信犯で使っている。

そして各メンバーが単語のヒントを出し合い、客席が異常な盛り上がりになる。

明らかに分かっているのは、左から5番目の伍寒琪、7番目の田倩蘭、8番目でいちばん右のサツコ(李姗姗)の3人。

司会は広州GNZ48チームNIII兼任のはるか(熊心瑤)だが、彼女は48ヲタなので当然分かっている。しかしお題は舞台上で初めて見せられたので、内心「どうしよう」と思いながら進行している。

1人目のツェイツェイ(王夢竹)は「すごく面白い」と言っている。

中国語の三人称「ター(他、她、它)」は人間もモノも指せ、中国語の「好看」は「美しい」と「本や映画などが見て面白い」の両方の意味がある。取りようによっては「彼女はすごく美人」の意味にもなる。

2人目のシャオマオ(毛譯晗)は無難なヒント。

3人目のネコ(陶菀瑞)は「最近上映されたアニメの映画」と正しい説明。

4人目のそらちゃん(曾佳)は「Boom!」。観客から歓声。問題の生放送でカチューシャが実際に花火の音を「Boom!」と表現したからだ。

5人目のチーチー(伍寒琪)は「爆発して花になる」。

ここで客席からものすごい歓声。チーチーは完全に分かっている。

問題の生放送でカチューシャは、自分が踊りたくない曲『人魚』に投票した現地ファンに、「爆発して花火になってしまえ」と言っていたからだ。

このゲームのルールで「花火」という単語を使ってはいけないので、彼女は「花火」を「花」と言い換えているが、現地ファンはカチューシャの言葉をそのまま使っていると分かる。

ここのリアクションで、4人目のそらちゃん(曾佳)、6人目のシャオシャオ(雷宇霄)も元ネタを知っていると分かる。

6人目のシャオシャオ(雷宇霄)は「とっても見たい」。

ここでも客席から大きな歓声。二重の意味になっているためだ。

「映画『打ち上げ花火~』を見たい」という意味と、「カチューシャのアンチがカチューシャの言ったとおりに爆発して花火になるのが見たい」という意味のどちらにも取れる。

つぎの7人目、ランラン(田倩蘭)がついに爆弾を落とす。

『人魚』のメロディーを歌ったのだ。

ここで完全にこのMCコーナーは制御不能になった。

8人目のサツコ(李姗姗)は元ネタを分かっているが「年越しのとき上げる」とワザと無難なヒントを言っている。

ここで一巡したので、誰がスパイか投票する。投票数の多かったネコ(陶菀瑞)が離脱。ネコは元ネタを分かっていない。

そして、二巡目。

1人目のツェイツェイ。「とても簡単な言葉」

2人目のシャオマオ。「火と関係がある」

3人目のそらちゃんは、ジェスチャーで花火のマネをして、難を逃れている。

そして4人目のチーチーが強烈な破壊力の爆弾を落とす。

テイラー・スウィフト『Look What You Made me Do』を歌ったのだ。

カチューシャが誕生日ソロライブで歌って、ネットで盛大に「放送事故ネタ」になった曲。

↓台湾のエンタメニュースでも取り上げられている。

2人目のシャオマオは、よく聞こえなかったからもう一回歌って?と言っているので、元ネタを知らない。

6人目のシャオシャオがヒントを考えているとき、そらちゃん(曾佳)がボソッと「謹言慎行(言行を慎みなさい)」と言っている。彼女も元ネタが分かっている。

6人目のシャオシャオは。「とても面白くて、見てると楽しくなる」

このヒントも二重の意味になっているが、はるかがフォローを入れて「好看」が「美人」と「(この映画は)見て面白い」の二重の意味を使って、「それって私の事?」とジョークを言っている。

しかし、もう遅い。

7人目のランランがヒントを言う前に、周囲のメンバーが「謹言慎行」とくり返したので、ここでランランは普通のヒントを言っている。(筆者は聞き取れなかった)

8人目のサツコも、ここではケイティ・ペリー『Firework』を歌ってごまかしている。英語で「花火」と言ってしまっているけれど。

ここまでが二巡目。二回目の投票。

『Look What You Made Me Do』を歌って墓穴を掘ったチーチー(伍寒琪)が、「私に投票して!お願いだから!」と叫んでいる。一刻も早く抜けたいからだ(爆)。願いがかなって彼女は無事ゲームから抜ける。

ここからの三巡目が、本番。

1人目のツェイツェイ。「本当に面白い」

ここで司会のはるかが「さっきチーチーが『アイドル人生これで終わり』って言ったよ」と、ギリギリのコメントで観客を沸かせている。

1人目のツェイツェイは「みんなチャンスがあれば観てみて」とまじめに映画『打ち上げ花火~』を勧めている。

2人目のシャオマオは「ボンシャカラカ」と擬音語でごまかしている。

3人目のそらちゃんも無難なヒントを言っている。(筆者は聞き取れなかった)

4人目のシャオシャオは「(花火をしていて)やけどをしたことがある」と無難なヒント。

そして5人目のランランが、このトークコーナーで最大の爆弾を投下する。

「私、投票したよ」

完全にアウト。

第四回リクエストアワーで、カチューシャとテテちゃんのデュエット曲『人魚』に投票したということだ。

さすがにランランは「これはただのゲームだから」と自分でフォローしている。

しかしゲームから抜けたはずのチーチーが「私も200元投票した!」とたたみかける。

司会のはるか(熊心瑤)も「次、李姗姗。あんたも投票したの?」と捨て身の振りをする。

するとランランが「彼女は13元投票したよ」と、サツコ(李姗姗)にぶっこむ。

以上が三巡目。三回目の投票。

4人目のシャオシャオ、6人目のサツコがひざまずいて「私に投票して!」と懇願。1人目のツェイツェイも「私に投票して」と言っている。

この時点でもう全員元ネタのカチューシャ不適切発言を分かっている。

ようやくゲームが終わり。そらちゃんとランランがスパイだったことが分かる。

サツコが客席後方の調整室を指差して、「調整室のお兄さん!こんなお題を出して、覚えといてよ!」と言っている。

司会のはるか(熊心瑤)が「時間の関係でこのゲームはここまで。年越しカウントダウンがあるので本当に時間の関係だから」と言っている。

そしてはるかが「二番目のお題が何だったのか、ちょっと見てみましょう」と言ってメンバーがフリップをめくると……

「夜蝶」

……

そもそもカチューシャとテテちゃんの百合カップリングが破綻したのは、2016年初のSNH48第二回リクエストアワーで2人が『夜蝶(おしべとめしべと夜の蝶々)』で1位になり、そのMV撮影をした後だ。

その結果、カチューシャ嫌いのファンが第四回総選挙で嫌がらせのために、カチューシャとテテちゃんにもう一度デュエット曲『人魚』を歌わせることになったという経緯。

一問目も二問目も、お題がカチューシャネタだったということだ。

重慶CKG48スタッフは完全に確信犯でやっている。

トークコーナーが終わって、去りぎわにチーチー(伍寒琪)が「ヒドすぎる!!」と叫んでいる。墓穴をほったのは彼女自身だけど(爆笑)。

現地ファンは重慶CKG48の結成以来、チケットの売れ行きが悪いのでCKG48は全然ダメと言い続けてきたが、このトークコーナーで、重慶のスタッフを見直したファンが少なくないようだ。

CKG48にとって、良かったのか悪かったのか(笑)。