AKB48中国オーディションが蜜蜂少女隊のレッスン室というガセネタ

AKB48の中国進出で、またガセネタが出てきたのでご紹介。

AKB-CHINAの第一回オーディション2018/01/06行われたが、先日ここでご紹介した上海を拠点とする女性アイドルグループ「蜜蜂少女隊」のレッスン室で行われた、というガセネタ。

上海SNH48の一期生オーディションでさえホテルの会議室を貸し切って行われたのに、それくらいの金も出せない(出さない?)のかと、現地AKB48ファン、SNH48ファンからツッコミが入っている。ガセネタにツッコミを入れてどうする(笑)。

「蜜蜂少女隊」のレッスン室は上海のARCH WALK(金虹橋)というショッピングモールの3階にあるというのは本当らしい。

ただ、「蜜蜂少女隊」もメンバー募集しているので、同じオーディション会場に来て、「蜜蜂少女隊」でもAKB-CHINAでも気分次第でどっちでも受験できるから便利という、追加のガセネタもある。

さらにおまけとして、以下のようなガセネタがある。

・AKB48の中国側運営会社「尚越」と蜜蜂少女隊は資本関係はなく単なる提携関係。

・AKB48が中国ネット最大手テンセント(騰訊)と提携すると言っているのは、単なるメディア提携で、アイドルグループ運営の提携ではない。テンセントとメディア提携しているタレントやアイドルグループなんて山ほどある。

・「蜜蜂少女隊」がオーディション参加者の一部がAKB-CHINAに流れるのを黙って見ているのは、台湾TPE48に起因する台湾独立関連の政治問題を避けるため。AKB-CHINAに流れたメンバーはデビューしたとしても、台湾独立問題で中国国内で窮地に立たされるリスクが高いので、「蜜蜂少女隊」はそこはノータッチで行きたいからだ。

・AKB-CHINAのオーディション参加者があまりに少なすぎるので、審査員を頼まれていた現地の芸術科大学の教師がかわいそうに思って、自分の学校の女子学生をにぎやかしにオーディションに参加させた。

・そもそもAKB48中国姉妹グループ結成の申請について、現地当局の許可がまだ下りていないので、AKB48運営会社もいつ活動開始するのかの告知がのびのびになっている。上海SNH48姉妹グループの北京BEJ48の新公演でさえ当局の許可が下りずにのびのびになっているのに、新しい女性グループ、しかも日本から来たスタッフが運営指導するグループに、そう簡単に許可が下りるわけがない。

・AKB-CHINAには現地のファンド「中投中財」が出資しているが、「蜜蜂少女隊」にも出資しているので、事実上は「蜜蜂少女隊」の姉妹グループになる。

・100%外資は中国では認められないので、いずれにせよ現地の女性アイドルグループの運営に守ってもらわないと、中国では何もできない。

・いくらAKB-CHINAが血統書付きでも、SNH48グループの方が中国国内ではすでに条件が良くなっているので、理性的な志望者なら、SNH48を優先するだろう。

・AKB48新中国グループの劇場は、上海市政府の優遇政策が受けられず、現地の提携会社が全額自前で投資しているので、劇場設立だけでも大金を使っている。

・それにメディア露出のための全国放送テレビ局、動画サイト、ビリビリ動画などのコメント動画サイトで自主製作の番組で定期公演の生放送ができるのかという問題もある(当局の許可が必要なので)

・日本側がどの程度、現地運営にかかわるのか、日本人メンバーの兼任や移籍があるのか、中国メンバーは日本の活動に参加するのか(例えば日本のテレビ出演、日本のAKB48総選挙やリクエストアワーへの参加など)、結局は日中の姉妹グループ間の問題だけではなく、政治の影響をうけてしまう。

・日本の48系楽曲と公演を共有するスタイルを続けるのか。その場合SNH48がすでに中国で上演しているAKB48楽曲や公演との権利関係はどうなるのか、AKB48グループのニューシングルや新公演のライセンス料のスタイルはどうなるのか。

・中国では二次創作が幅広く認められているが、それを許すのか。

・AKB48ブランドに残された価値を中国へもってきて数十名のアイドルグループのを作るより、以上のような問題を一つひとつ解決することのほうがよっぽど難しい。

・ネタバレしているスタッフは秋元康のことを「肥秋(デブ秋)」と呼んでいる。AKB-CHINAのスタッフなら秋元康に最低限の敬意をもって、「秋元康先生」までいかなくても、せめて「秋元康さん」くらいの呼び方をすべきだろう。それを中国のAKB48ファンが秋元康をからかうときの「肥秋」という呼び名を使っているようでは、中国側運営会社の求人や経営層のレベルは一目でわかる。

…などなど、中国2ちゃんねる(百度貼吧)のAKB48掲示板のガセネタに、よくこれだけ延々とコメントがつくなぁと思う。

ガセネタはガセネタ。

当然、AKB48運営会社は「蜜蜂少女隊」のレッスン室を借りてオーディションしたなんてことはないし、劇場建設にもちゃんと上海市当局からの優遇政策を受けている。

中国の全国放送テレビ局や大手動画サイトとも、番組放送や劇場公演の生中継について、権利関係や収益の配分についてもすでに契約を締結している。

中国へメンバーを移籍・兼任させるのかも決めている。

中国人メンバーが日本側のAKB48グループ活動に、TPE48メンバーといっしょに参加する場合の政治的リスクにも、すでに中国政府、台湾「政府」の両方に話をつけて解決している。

SNH48が中国当局から許可を得ているAKB48一部楽曲の上演権についても、AKB48運営会社はすでに中国当局と話をつけて、SNH48から取り戻すことが決まっている。

現地ファンがAKB48楽曲やMVから二次創作することや、動画サイトに日本のテレビ局のAKB48出演番組に中国語字幕をつけて転載することについて、動画サイトからどのように収益の配分を受けるか、日本の各テレビ局や権利者含め、すでに中国側と話をつけている。

AKB48運営会社は、当然、このように中国特有の極めて難しい問題を熟知しており、中国政府の検閲当局や、台湾「政府」、日本側のテレビ局などの権利者含め、すべて決着をつけた上で中国に再上陸するわけだ。

これらの問題を決着しないままでは、当たり前のことだけれど、現地事務所を作ったはいいが、いつまでたっても新姉妹グループは活動開始できるはずがない。

AKB48運営会社が、中国への二度目の進出に、そんな準備不足で臨むはずがない。

現地AKB48ファンも、こういうガセネタを流してAKB48運営会社をディスって、何が楽しいのか筆者にはまったく理解できない。