北京BEJ48メンバーが生放送で新公演の苦労を語り、1曲は欅坂46の振付師と

北京BEJ48チームBとして初の全曲オリジナル公演『B A FIGHTER』が2018/01/19(金)に初演第一日目を迎えた。

予想どおり、先週初演だった広州GNZ48チームZ全曲オリジナル公演『三角関数』と比較されて、現地ファンの間ではおおむね「また広州が勝った」という評価になってしまった。

それを受けて、BEJ48チームBキャプテンのDDD(段藝璇)と、同チームEのサンサン(蘇杉杉)が公式アプリ「Pocket48」生放送で『B A FIGHTER』公演について語っていたようだ。

DDDはファンの反応があまり良くなかったため、泣きながらの生放送だったらしい。

現地ファンが文字起こししていたのでご紹介する。

まずDDD(段藝璇)の2018/01/20の生放送文字起こしはこちら生放送の録画はこちら

この文字起こし以外の別のファンの文字起こしも含めて要約すると以下のとおり。

・スタッフはとても苦労していたので、差し入れにミルクティーを配ってあげたかったけれど、公演が終わったら見当たらなかった。

・口下手で直接スタッフに感謝しづらいので、他の人にスタッフへの感謝の気持ちを伝えることしかできない。

・調整室を修理してあげたいけれどお金がない。これからお金を稼いで必ず修理してあげたい。

・ファンのみんなからチームBはダンスがきれいにそろっていると褒めてもらったので、調整室にお願いして生放送で全景のカットを増やしてもらった。劇場に来ていない人にも分かってもらうため。

・振付けが不評だけれど、同じダンスの先生は最大でも2曲で、すべて違う先生が振付けしている。1曲目は先生を換えて振付けをし直している。

・2曲目『先鋒号角』の振付けは坂道系の先生にお願いした。(訳注:TAKAHIRO氏ではないとのこと)

…といった感じ。

調整室とはご承知のように舞台の音響、照明を制御する場所。48系の場合ネット生中継もあるので劇場内に複数設置されたカメラのスイッチングや、舞台の両脇にある大型液晶に投影するCGの制御もしている。

この調整室、北京BEJ48以外の上海、広州、瀋陽、重慶の劇場はすべて文字どおり「部屋」になっているのに、なぜか北京だけ部屋ではない。客席後方の壁にバルコニーのように設置されており、両脇から非常階段のような階段で上るようなオープンスペースになっている。

この場所が相当せまいらしい。太ったスタッフは椅子に座ると足を伸ばせないので、それもキャプテンのDDD(段藝璇)が心を痛めている理由の一つ。

また今回の新公演は何曲かでドライアイスを使うが、北京の劇場は左右の舞台袖に十分なスペースがないらしく、スタッフは目立たないように床にはいつくばってスモークマシンを操作しているとのこと。

ところで誰もが「どうしてメンバーが調整室の修理代や、プロジェクターの購入費を負担しなきゃいけないの?」とが思うだろう。

筆者も具体的な理由は分からないが、なぜか北京BEJ48は運営経費管理がとても厳しいらしい。必要経費として申請する手続きはあるのだが、許可がなかなか下りないのでメンバーはあきらめて自腹で負担するものは負担するようだ。

以前ここで書いたように、チームEサンサン(蘇杉杉)が公式アプリ「Pocket48」の生放送で、中秋節や年越しなどの特別公演でメンバーが特別曲を踊るとき、衣装、小道具などはメンバーの自腹だと話していた。

これでは北京BEJ48の人気が、同時期に結成された広州GNZ48より落ちるのは当然だと思うのだが…。

それでも中国のニコニコ動画クローンサイト「ビリビリ動画」生放送での「人気値」は、初演3日目で広州GNZ48チームNIIIリカちゃん(唐莉佳)誕生日公演の5分の1と「惨敗」だった。

次にチームEサンサン(蘇杉杉)の生放送文字起こしを要約してみる。彼女のこの生放送での発言はかなりぶっちゃけていて、ファンの心の声をそのまま代弁している。

メンバーがここまでファンの気持ちを分かっているのに、北京BEJ48運営がその意見を採用しない理由は筆者にはよく分からない。

サンサン(蘇杉杉)の2018/01/21の生放送文字起こしの元原稿はこちら

その録画はこちらのビリビリ動画から見られる

・鞠婧禕(キクちゃん)先輩が話題になってSNH48の知名度を上げてくれたことには本当に感謝している。おかげで少なくともSNH48に関心を持ってくれる人が増えた。でも後輩の中にそこまで行く人はいない。

・以前のキャンパス訪問企画は大学の廊下にポスターを貼るなど、常時外部の人の目にとまるので良かった。今MVや運営会社の自主制作バラエティーを撮っても、ファンの人しか見ないので効果は限られると思う。

・ファンのみんなは運営を批判するけれど、鍛えられている途中だと思う。

・いまBEJ48メンバーはダンスの先生なしで振付けを覚え、自分で振付けを作ることもできるようになっている。

・総選挙やリクエストアワーの翌日の握手会は、前日コンサートがあって夜中2時、3時に寝て、翌朝8時に置きた後、しかも昼休みしかないので午後は握手しに来てくれたファンが別の世界にいる感じがするほど疲れ切る。日本の48系握手会のように交代制にして欲しい。

(訳注:これは彼女が人気メンバーだからこその悩み)

・毎回握手会でファンのみんな歌が上手い、カワイイとか褒めてくれるけれど、私たちメンバーは喜ばせようと言ってくれていることは分かってる。

・私たち(上海SNH48五期生、六期生)は欅坂46と同じ頃にデビューしたけど、この間DDD(段藝璇)に彼女たちのMVを見せて、人気が出る理由がわかるでしょと言ったら、DDDは「こんなすごいことやってるの!」と驚いていた。私たちはMV撮影のときビクビクしているけれど、彼女たちは思い切って新しいことに挑戦している。

(訳注:おそらく当局の検閲も、表現に制限があることの理由)

・中国のダンスの先生はアイドルのダンスの振付けがあまりできない。ダンスはとても上手いけれど、例えば一拍を2つに割る振付けばかりで、リズムを少しずつ細かく割って振付けすることができない。

・BEJ48は振付けの先生を絶えず交代させ続けている。アイドルグループのダンスの感覚をようやく把握したときに交代させられてしまう。もう少し先生たちに時間をあげてほしい。

(訳注:おそらく上海SNH48では馬先生がず~っとダンス総監をしていることを言っている)

・チームEが全曲オリジナル公演『奇幻加冕礼(ティアラ・ファンタジー)』の練習をし始めたとき、まゆりん(馬玉靈)は『愛的魔法(愛の魔法)』ではなく『暗夜脚歩声(闇夜の足音)』を希望していたが、当時の先生は換えてくれなかった。

(訳注:たしかにボーイッシュな性格のまゆりんには『愛の魔法』は合っていない)

・チームEが北京BEJ48として初めて全曲オリジナル公演『奇幻加冕礼』をやったとき、ファンのみんなが公演の出来の良し悪しを議論するとは思っていなかった。それまでのAKB48のお下がり公演ではメンバーの良し悪しは議論されても、曲やダンスの議論はなかったから。

・広州GNZ48はよくやっていると思う。オリジナル楽曲が好きで、たとえば『たんぽぽの足跡(蒲公英的脚印)』などは振付けのカバーまでするファンがいる。北京BEJ48にそこまでするファンはいない。

・今回の『B A FIGHTER』公演で北京BEJ48衣装部を褒めてくれるファンがいるけれど、上海SNH48と広州GNZ48の衣装部のほうが進歩が速いと思う。

・SNH48グループ楽曲にも、外の人が聴いたらきっとプレイリストに入れてくれる良い曲はある。『人魚』や『ナポリの夜明け』など。

(訳注:『人魚』は上海SNH48チームXオリジナル公演『夢想的旗幟(ドリームフラッグ)』のデュエット曲、『ナポリの夜明け』は第四回総選挙TOP16メンバーの曲)

・私が撮影した短編映画は最初許可が出なかったけど、ずっと折衝してやっと許可してもらえた。ストーリーにはBGMが必要だけれど、版権の問題で使えなかったりいろいろ問題がある。

・生活センター(訳注:メンバーの宿舎)に長時間いるプレッシャーは実は大きい。例えばファンのみんなの会社がオフィスの中に部屋を作って、みんな仕事が終わったら家に帰らずにその部屋で生活すると想像してもらえれば分かる。しかも、いつ営業の仕事で呼ばれるか分からない。

・普段はメンバー以外に普通の友だちと人付き合いすることもできない。ずっと部屋にいて仕事以外に何をすれば良いか分からない。入団前の友だちとは基本的に付き合いがなくなった。他のメンバーもたまに外の友だちと遊びに行くにしても、男友だちはダメ。

・私は以前、学校と公演を両立してたけど、学校はふつうの友だち関係があって楽しかった。たしかに疲れたし、朝早く起きる必要があったけれど充実してた。

・BEJ48が唯一他の姉妹グループに勝てるとすれば特別公演だけれど、今は特別公演もやりづらい。自分で振付けもするけれど、曲目はすべて上の審査を受ける必要があって、いくら準備しても許可が下りないと踊れないので。

・特別公演ではメンバーの皆が1曲でも多くでたいと競争している。ファンの皆は何曲も出るメンバーは大変だと言うけれど、実はメンバーは全員、チャンスがあれば1曲でも多く舞台に上がって、生放送のカメラに映るチャンスなどが欲しいと思っている。

・今の『奇幻加冕礼』公演は第100回まで行くと思っている。(訳注:次の新公演は当分できないという意味)

・もともと自分の誕生日には知り合いのカメラマンに頼んで写真を撮ってもらってツイートしようと思ったけれど会社の許可が出なかった。他のメンバーも撮影するようになって、結果的に会社は人数を制限して順番に撮影を許可するルールにした。組写真を撮るだけでも大変。

・(同じチームEの)馮思佳が言っていたのは、今は女性グループの冬の時代で、ファンになる人よりファンをやめる人が多いけど、低迷期を越えれば小幅の上昇期が来るはず。現段階でグループの知名度と影響力を高めておくのが必須。握手会に来る現地ファンが二年も経ってやっと姉妹グループの存在を知るという例もある。パンフレットやポスターを低レベルなPR手法だというファンもいるけれど、実はやる意味がある。影響力を高めるのはMV制作のレベルをあげること。例えば坂道系のような撮影手法。私たちのMVは新しいアイデアが欠けていて、考えに限界がある。自主制作バラエティーやMVの宣伝はファン圏の中に限られる。

・私自身は北京BEJ48はすごく良いし、馮思佳はそう言ってたけど、会社はとても良くしてくれていると思う。というのは、外の女性グループの先生が私たちのグループを見に来たとき、私たちの待遇がとても良いと言っていた。何だかんだ言って私たちのグループは、他の女性グループに比べるとやっぱり信頼できる。

以上が、サンサンが2018/01/21の公式アプリ生放送で話していたことの一部。

DDD、サンサンのどちらの生放送での発言も、スタッフを擁護しているのがポイント。それほど直接的ではないが、問題があるとすれば運営会社だと言っている。

メンバー自身が48系や坂道系の大ファンとして、自分たちの状況をこれだけ客観的に見ることができているのだから、もう少し運営会社の上層部が、ファンの代弁者としてのメンバーたちの意見を取り入れてもいいんじゃないかと思う。

特に北京BEJ48、瀋陽SHY48は。瀋陽SHY48にも当然48系のファンはいるが、普段のSHY48を見ていると、とてもそんな風に見えないので。

(アイキャッチ画像は北京BEJ48チームBキャプテンのDDD(段藝璇))