上海SNH48第五回リクアワの「大組閣」でメンバーの3割が事実上の予備生に降格

昨夜2019/01/19(土)広東省広州市で開催された、上海SNH48グループ第五回リクエストアワーBEST50の「重大発表」のうち、いちばん衝撃的だった「大組閣」について。

内容は言ってしまえば簡単。

瀋陽SHY48、重慶CKG48は解散。上海SNH48、北京BEJ48、広州GNZ48の3グループのみにし、この3グループに異動になったメンバー以外の85人は「IDOLS Ft」という事実上の予備生グループへ降格。

じっさい瀋陽SHY48公式サイトと、重慶CKG48公式サイトの「成員(メンバー)」紹介ページには一人もいなくなった。

代わりにIDOLS Ft 大型ネットアイドル育成グループという公式サイトが開設され、降格された85人のメンバーはこちらの「成員一覧」に移っている。

このブログのメンバー画像集ページも更新しておいた。間違いがあればご指摘下さい。

降格されたメンバー85人のうち、いちばんの先輩は上海SNH48五期生の2人、上海SNH48 Team Xだった陳韞凌と、上海SNH48 Team HIIから重慶CKG48 Team Kに移籍していた王露皎。

元の所属グループ別では以下のとおり。瀋陽SHY48は約半分、重慶CKG48は約7割が降格された。

北京BEJ48 12名
広州GNZ48 11名
瀋陽SHY48 24名
重慶CKG48 26名

「IDOLS Ft」公式サイトのグループ説明は以下のとおり。カッコ内は訳注。

IDOLS FTは上海絲芭文化伝媒集団(SNH48運営会社)が全く新しく設立したインターネットにもとづくアイドル育成女性グループです。

革新的なアイドル育成モデルを有し、メンバーたちは「Pocket48」(公式スマホアプリ)など、第三者企業と共同運営するインターネットプラットフォームを通じて、ファンと双方向で個性をアピール、完全にインターネットにもとづいたアイドル育成運営モデルを実現します。

同時に、SNH48グループの最も新しい組織として、IDOLS FTのメンバーはファンと双方向の国民プロデューサー選抜と選択を通じ、ふたたび上海SNH48、北京BEJ48、広州GNZ48の各チームに戻ります。

具体的にどういう活動になるのかまだ分からない。

今回の「大組閣」最大のリスクは、SNH48のオーディションに誰も応募しなくなることだろう。

そうなるとメンバーの新陳代謝が進まず、新しいファンも付きづらくなり、縮小均衡におちいる。

かと言って企業として採算の取れない瀋陽SHY48、重慶CKG48で赤字を出し続けることもできない。

上海SNH48は男女問わず、中国で初めて日本のAKB48と同じく入団の敷居を思い切り下げて素人を育成する大人数のアイドルグループだ。

中国の他のアイドルグループは少数精鋭で、入団の敷居が非常に高く、ほぼ誰も入団の夢を実現できない代わりに、入団すれば一定の活躍のチャンスが与えられる。

48系モデルは入団の夢をかなえられる可能性が高い代わりに、入団しても何のチャンスも与えられない危険性がある。

中国の女性は結婚後も働き続けるのが普通で、女性にとっても学歴は非常に重要だ。日本のようにアイドルを卒業したら専業主婦になればいい、というわけにはいかない。

そういう中国社会で、今回の「大組閣」は中国で48系のアイドルグループ運営モデルが一定の規模以上に拡大できないことの前例になるかもしれない。

中国は日本、韓国、台湾、そして東南アジア諸国のような中央集権的で首都一極集中型の社会ではなく、地方分権が強い。(多くの日本人は中国は一党独裁だから中央集権だと誤解しているが)

首都の主要メディアさえおさえれば全国的な知名度を維持できるといった国ではない。

また、メディアが政府の規制をうけるため、秋元康のような芸能界の大老がマスメディアを思い通りにおさえることは起こりえない。

ところで、AKB48中国再上陸の上海AKB48 Team SHも同じ中国社会で運営していく以上、SNH48と同じ困難におちいる。

AKB48 Team SHが今回SNH48運営会社が突き当たった壁を、いったい何年後に経験するのか分からないが、それを乗り越えられる勝算があって中国に再上陸したはずだ。