2019/01/19の上海SNH48グループ第五回リクエストアワーで姉妹グループ瀋陽SHY48、重慶CKG48が解散されたのはご承知のとおり。
その瀋陽SHY48のトップメンバー、ルールー(韓家樂)は北京BEJ48移籍後、すでに特別公演には出演していたが、昨日2019/02/23(土)北京BEJ48 Team Jメンバーとして初めて正規の劇場公演『HAKUNA MATATA』に登場した。
『HAKUNA MATATA』はBEJ48全曲オリジナル公演だが、その中にソロの『四季的恋愛』という曲があり、オリジナルメンバーはher(黃恩茹)だ。
日本語のカタカナで書くとあだ名が同じでまぎらわしいけれど、中国語で書くと「樂樂」と「茹茹」なのでぜんぜん違う(汗)
↓昨日の韓家樂バージョン
↓オリジナルメンバーの黃恩茹バージョン
歌唱力は黃恩茹の方が上なのだが、韓家樂の魅力はテクニカルなところにはない。
それは瀋陽SHY48 Team SIIIの全曲オリジナル公演『Idol.S』で韓家樂が歌っていたソロ曲『蜉蝣』を聴くとわかる。
↓旧瀋陽SHY48 Team SIII全曲オリジナル公演『Idol.S』から『蜉蝣』
この曲は歌が下手だから成立する曲。
こんな素晴らしい曲があった『Idol.S』公演、何とか生き残った姉妹グループ、SNH48、BEJ48、広州GNZ48のどこかで復刻してくれないかなぁと思うが、契約上の問題で不可能らしい。
瀋陽SHY48運営会社が、作詞・作曲者のギャラを踏み倒したからだ(爆)。
そう、この記事はここからが本題です。
以前このブログで記事にしたと思っていたが、あまりにドロドロした話なので削除していた。
北京BEJ48に楽曲提供していた若い女性作曲家が運営会社の郭社長と対立して、二度と楽曲提供しないと中国ツイッターでツイートしたことがあった。
この作曲家が、自分の友人の友人が瀋陽SHY48の『Idol.S』公演に楽曲提供したのに、まだギャラが支払われていないことをツイートしたのだ。
この作曲家の友人である李さんは、以前北京BEJ48のまさに上記の公演『HAKUNA MATATA』歌詞を提供したが、一年半たってもギャラが支払われていないらしい。
この一年半という数字も実はおかしい。
楽曲を納品した時点でギャラが支払われるのが普通の感覚だが、北京BEJ48の運営は公演がじっさいに上演されるまで支払わないらしい。
政府の検閲など不可抗力で上演できない楽曲が出てくるリスクがあり、仕方ない面もあるのだろう。
しかし『HAKUNA MATATA』は上演開始からすでに一年半たっているのに、まだ作詞家にギャラが支払われていない(汗)。
一方、瀋陽SHY48『Idol.S』ではSHY48そのものが解散されたため、SHY48運営会社が『Idol.S』の版権を手放したらしい。版権を放棄すればギャラは支払わなくていいという理屈だ。
さすがにそれはおかしいということで『Idol.S』楽曲提供者はこれから民事訴訟を起こすようだ。
ただ、上の画面ショットにあるように、『HAKUNA MATATA』に詞を提供した作詞家の李さんは、友人が映像制作を請け負った企業からギャラを踏み倒されたと書いている。
ひとことでまとめると、中国ではよくあること、となる(汗)。
中国のエンタメ企業が映像作品や楽曲を外注したときのギャラの払いが非常に悪いということだ。
個人的にはこういうクリエイターを軽視する中国エンタメ業界の商習慣も、中国エンタメコンテンツのクオリティーがいつまでたっても上がらない原因の一つではないかと思った。
ところがこの話はここで終わらない。上記の女性作曲家が次のようにツイートしている。
「湾湾」というのは中国人が台湾人のことを、やや軽蔑の意味をこめて呼ぶ言い方。
台湾人の天下というのはもちろん皮肉だが、たしかに現地SNH48ファンの一部から北京BEJ48の台湾人の郭社長は嫌われている。瀋陽SHY48の廖社長も台湾人というのは筆者は初耳だった。
ただ、このツイートのポイントは瀋陽SHY48の音楽総監、つまり音楽制作の責任者は北京BEJ48に異動させて雇用しつづけているということだ。
このあたりにBEJ48の郭社長のしたたかさが見える。瀋陽SHY48初の全曲オリジナル公演『Idol.S』の成果がちゃんと評価されているということだ。
郭社長自身がミュージシャン出身で、このブログで記事にしたように、台湾AKB48 Team TPのプロデューサともつながりがあるので、やはり音楽作品のクオリティーは正しく評価できるのだろう。
このように、ギャラ支払いトラブルのネタとしてはかなり面白いんだけれど、『Idol.S』公演が二度と上演されないし、名曲『蜉蝣』が歌われることもおそらくない。
ファンの立場からすると、この点がとっても残念。