AKS中国再上陸のAKB48 Team SHメンバー毛唯嘉が参加する、韓国『Produce101』風のリアリティーショー『明日之子』第3シーズンの放送が、いよいよ2019/06/22から始まった。
中国ネット企業最大手テンセントの動画サイト、テンセント動画(騰訊視頻)が制作、放送。
この手の『Produce101』スタイル(というかパクリ)のネット番組は、いま中国の大手動画サイトが次々シリーズで放送し、どれも視聴回数を稼いでいる。
去年、同じテンセント動画は韓国Mnetから正式に版権を購入して中国版『Produce101』を放送、韓国宇宙少女のミギ(孟美岐)、ソニ(吳宣儀)を含む11人が「ロケットガールズ101」としてデビューし、今のところ中国でいちばん人気の女性アイドルグループになっている。
なので同じ動画サイトが放送する今回の『明日之子』第3シーズンは二番煎じの感は否めないが、メディア露出のチャンスがない女性タレントにとって、飛躍のきかっけになることは間違いない。
↓YouTubeのテンセント動画公式チャンネルから『明日之子』第3シーズン第1回
第1回で現れる組み分けは「START」チーム、「RESTART」チーム。「START」はまだ無名の女性タレント、「RESTART」はすでに芸能活動経験のある女性タレントが再起をかけて参加している。
ここからは純粋に筆者の考えだが、AKB48 Team SHがこの番組に毛唯嘉を選んだのは、完全な戦略上の失敗だと思う。
この第一回の一次審査を見れば、その理由はすぐ分かる。
とにかく個性が強烈なのだ。
「デブ」であることさえ、番組の脚本上、注目参加者の条件になっている。「START」チーム、「RESTART」チームそれぞれに「デブ」が1人ずついて、これからライバル関係になるだろうというストーリーが予想でき、すでに一つ見どころが出来ている。
また、一瞬男性アイドルと見間違えてしまう、ボーイッシュな参加者も複数いる。こちらもライバル展開があるかもしれない。
このメンバーの中に1995/03/16生まれで24歳の毛唯嘉が入ると、あまりに無難すぎるし、大人で落ち着きすぎていて、完全に埋もれてしまっている。
第1回放送で毛唯嘉は「RESTART」チームとして入場してくるが、名前を呼ばれているだけで完全スルーだ(20:05あたり)。
そもそも「RESTART」チームにはかなりの前歴と知名度のある参加者が多い。「START」チームのリアクションを見ると分かる。
2008年台湾でデビューした双子の「By2」はどうやら反則級の知名度らしく、「START」チームにとっては子供の頃のまさにアイドルで、By2のヒット曲を全員で歌い始めるほどだ。
メインの審査委員(星推官)は中国の人気男性シンガーソングライター・華晨宇。他の審査委員には筆者が個人的にリスペクトしている中華圏の女性シンガーソングライター・孫燕姿もいる。
そして『Produce101』からデビューした宇宙少女ミギ(孟美岐)も審査委員だが、これについては中国のネットで「去年デビューしたばかりなのに何でいきなり審査する側なんだ」とツッコミが入っている。
毛唯嘉が「RESTART」扱いになっているのは、AKB48 Team SHとしてデビュー済みだし、去年の『Produce101』に劉念と2人で参加済みだからだろう。
ただ、もし筆者がAKB48 Team SH運営の担当者だとしたら、沈瑩を「START」チームで参加させてもらうよう制作側にお願いするだろう。
そして視聴者の頭が痛くなるくらいの、日本大好き二次元コスプレイヤー電波系キャラ設定の脚本にしてもらう。
これだけ個性の強い参加者がそろっている中では、少なくとも毛唯嘉よりはその方が良かったはず。とにかく視聴者の印象に残ってナンボの番組だ。
毛唯嘉の一次審査は第2回以降になるが、たぶんミギ(孟美岐)と『Produce101』について会話するだろう。
ただその他は、第1回の参加者と比べて歌やダンスが特別上手いわけでもなく、自分で作詞・作曲した曲をギターで弾き語りできるわけでもなく、クラシックの声楽を学んでいるわけでもなく、「デブ」でもなく、キャラがぶっ飛んでいるわけでもなく、おバカでもない。
かと言って番組制作側のテンセント動画にとって日本のAKB48グループはコンテンツとして魅力があるので、邪険にあつかうわけにも行かない。
華晨宇や孫燕姿は無難なコメントをして、宋丹丹があえて「悪役」で厳しいコメントをしてといった感じで、あまりキレの良くない雰囲気になるのは想像できる。
見たいような、見たくないような…。
(というか孫燕姿はこんな番組の審査委員をするレベルのアーティストじゃないんだけど、ご苦労様です…)