SNH48についての興味深い中国2ちゃんねるのスレッド(4)

引き続き中国の検索エンジン「百度」の、2ちゃんねるに似た掲示板サービス「貼吧(てぃえば)」の「AKB48板」で見つけた、興味深いスレッドをご紹介する。
『連載:関于近期対SNH及48系中国化発展的研究報告(最近のSNHおよび48系の中国における発展の研究報告)』 (百度貼吧)
かなり分量が多いので全訳ではなく要約で、かつ複数回に分けてご紹介している。
最初に断っておいたように、このスレッドに書かれてあることが全て真実かどうかは、僕にも判断できない。真実と判断するか、このスレッド自体が壮大なネタと判断するかは、読者の皆さんにお任せする。
4回目の今回は、スレッドの第四章。引き続き運営会社の上海久尚についてだが、大手メディアとの協業関係がないことと、資金不足、この二つの短所の批判的検討と、最後に面白い企画案が書かれている。
大手メディアとの人脈も十分な資金もない上海久尚が、AKB48が数年かかって得た名声を短期間で得るのは不可能で、それを達成できるかのように喧伝するのは一種の「宗教」だと、このスレッドの筆者は論じている。
上海久尚が辛うじて持っているネットメディアのコネもあてにならない。SNH48公式サイトの最下部には中国の主要なネットメディアの名前が並んでいるが、一期生の記者発表会の扱いも、無数の芸能ニュースの一つに過ぎず、もともとSNH48をフォローしている読者にしか気づかれないというありさまだった。
唯一テレビの芸能ニュースで取り上げられた話題は、中国で有名なコメディアンの娘が、SNH48に「裏口入学」しようとしている、という醜聞だけ。しかもそのときテレビ局の取材に電話で答えたのは、中国ツイッター(新浪微博)に久尚社員としての公式アカウントさえないスタッフ。
また、上海久尚が制作した一期生選考ドキュメンタリーについては、このスレッドの筆者はAKB48のマカオ公演のドキュメンタリーのフォーマットだけ真似たもので、内容として失敗だと断じている。
マカオ公演のメイキングは、全体がマカオ公演までの日数のカウントダウンと、日本とマカオの状況の対比が緊張感を高める演出になっているが、SNH48一期生選考会ドキュメントは、単に記者発表会まで時系列に追っているだけで、何の演出にもなっていない、としている。
また、本来SNH48一期生選考会のドキュメンタリーを作るなら、主題は「努力する少女たち」になるはずなのに、カメラは淡々と選考過程を記録しているだけ。単なる上海久尚の業務PRビデオだとしている。
結局、ネットメディアとしての経験しかなく、潤沢な資金もない上海久尚は、中国ツイッターをうまく利用するしかないのだが、その点でも失敗しているという。
一つは感謝祭(Thanks giving day)に、メンバーたちがそろって同じようなツイートをした件。中国でも日本でも国民的な祝日ではなく、明らかに運営の指示によるものだ。
しかし中国で同じことをするなら、まさにSNH48のファン層である独身男性の記念日、11月11日の「光棍節」だろう、というもっともな指摘がされている。
他にも、最終成功に合格した直後のSNH48一期生に、上海久尚がAKB48の活躍の様子のお手本として見せたのが、よりによって西武ドーム初日の映像だった点も非難されている。
このスレッドの筆者は以上のように、上海久尚の運営について、そもそも大手メディアとのコネも資金もないという根本的な原因から、研修や制作物の細部に至るまで、あらゆる点に問題点を指摘している。
ただ、このスレッドの筆者の面白いところは、ただ非難しているばかりではなく、企画案を出している点だ。
その企画とは、支配人の白叔も、「海外留学生」の宮澤佐江と鈴木まりやも含めたSNH48メンバー全員を3組に分け、上海の街のゴミを、例えば空き缶200個など、決められた量だけ拾う競争を、時間を決めて定期的にさせるという提案だ。
いちばん早く拾い終わった組みは天国組として、火鍋のごちそうにありつける。二位の組は普通の弁当。最下位の組は地獄組として、冬の寒いさなかに半袖でかき氷を食べる。
ゴミ拾いをする場所は、人目につく上海のショッピング街や観光地。
そして各ネットメディアに、「SNH48は資金不足でゴミ拾いまでする状況。しかも日本からの留学生の二人まで参加させられている。留学生二人は日本を追い出された上に、中国ではこのあつかい」という、一種のスキャンダルとしてネタを提供する。
日本人メンバーまで巻き込まれているので、中国の反日青年(いわゆる「憤青」)の反感を買うおそれもない。
SNH48のファンは、決まった時間に現場に行けば、必ずメンバーを生で見られることになり、むしろ喜んで応援するだろう。また、SNH48に関心のない一般人も、清掃活動をしている彼女たちを悪く言わず、肯定的な評価をしてくれる。
そしてネットメディアは「売名行為だ」としてSNH48を非難するだろうが、その非難がテレビの芸能ニュースに取り上げられればしめたものだ。
そのようにして、あえてメディアに醜聞を提供しつつも、中国国内の政治的な文脈では問題が起きないようにし、かつ、一般市民からプラス評価を得られるかもしれない。
そういった企画を立案して、次々に打ち出していくことこそ、運営会社の上海久尚に求められていることなのだと、このスレッドの筆者は言いたいようだ。
なるほど中国では受けそうな醜聞のあおり方だと感じる。このスレッドの筆者は、日本でのAKB48の活動をかなり深く研究した上で、SNH48の運営のダメさ加減を非難していると見える。
続きはまた後日。