SNH48冠バラエティー『SNHello 星萌学院』第一季第14回字幕つき「UZA誕生秘話!」

SNH48中学側で初の冠オンライン・バラエティー番組『SNHello 星萌学院』。本来なら第一期は13回で終わりのはずが、第14回が2014/10/15に公開された。それも中国の時代劇(古装劇)。

出演しているのは全て二期生だが、二期生チームNIIカチューシャ(李藝彤)の脚本が面白すぎる。誰かこの脚本に含まれているネタを100%分かる人がいたら、もっと良い日本語字幕をつけて~。

それからいつも『SNHello』やSNH48の星夢劇院でのイベントの司会を担当している阿吉(アージー)が監督なのだが、お芝居のプロではないメンバーたちのアラを出さないように、短いカットでテンポよく編集しているところが意外なほどよく出来ている。


筆者は中国の神話や古典を全く知らないので、登場人物の関係はネットで調べて初めて分かった。

ななし(馮薪朵)扮する李靖(リー・チン)は中国では軍神と讃えられるため、毘沙門天と同一視(習合)されて托塔李天王と呼ばれるらしい。なので途中のななし(馮薪朵)の独白に「托塔天王」という名前がでてくる。

そして托塔李天王は『西遊記』と『封神演義』で哪吒三太子の父親として描かれ、哪吒三太子は、長男が金吒(チンチャー)、次男が木吒(ムーチャー)、三男が哪吒(ナーチャー)。動画では一人三役で、すべてナナちゃん(萬麗娜)が演じている。

李靖のセリフに出てくる「文殊広法天尊」は『封神演義』に登場する仙人で、金吒の師、後に成仏して文殊菩薩になるらしい。文殊菩薩が金持ちという設定の起源はよく分からない。

哪咤が太乙の弟子になると言っている太乙は『封神演義』に登場する太乙真人という仙人のことで、哪咤を下界に送り込んだらしい。その哪咤がなぜ李靖の息子の一人なのか不明(汗)。

マネー(錢蓓婷)扮する玉帝は玉皇大帝で、中国道教における最高神、『西遊記』にも登場するらしい。

その愛人でBちゃん(孔肖吟)扮する嫦娥は月の女神とされ中秋節にまつられる。前漢の思想書『淮南子』では、もとは仙女だったが地上に下りて后羿の妻になったが、夫を裏切って月に逃げた設定なので、玉帝の愛人の設定でOKなのかもしれない。

スリー(孫芮)扮する如来、いちご(溫晶婕)扮する観音は、どちらも仏教の広義の仏様。如来の腕に刺青が入っているが、日本でこういうコントを放送するのはムリだろう(笑)。

ルーリー(曾艷芬)扮する唐僧は唐代の三蔵法師・玄奘三蔵で『西遊記』の登場人物。三蔵法師は一般名詞らしい。玄奘三蔵が呼び出した上の兄さんが仏様なのは、もっともと言えばもっとも。

筆者が分かった限りのネタは以下のとおり。

・夫人がいきなり夫を「オッパ」と呼ぶところで、韓国ドラマにハマっているオチのフリになっている。
・韓流を「國際接軌(グローバルスタンダード)」と言っているのは、世界中の発明品はすべて韓国が起源という、韓国ディスりの定番ネタ。
・「童话里都是骗人的」はことわざでも何でもなく、光良のヒット曲『童話』の歌詞。
・その次の「万万没想到」はSNH48が舞台化された舞台劇にも参加した、中国で大人気のネットコメディーのタイトル。
・金吒が持っているiPhone 10はネットに出回っているネタなのでご存じかと。
・アップル製品他、高い買い物をするために腎臓を売るというのは中国の定番ネタ。
・哪咤がしゃべっているのは中国の東北地方のなまり。
・「挖掘技术哪家强」は山東省にある藍翔職業技能培訓学校のCMから、ネットの流行語になったらしい。こちらのYouTube動画でそのCMをご覧あれ
・Bちゃん(孔肖吟)の「伐开心」というセリフも東北地方のなまり。
・ななし(馮薪朵)が道端で始める商売「祖伝貼膜」は家伝のスマホ液晶フィルム貼りの意味。
・最近のネットスラングで、中国で大人気の少年3人組アイドルグループTFBOYSのことを貼膜BOYSと呼ぶ。上述の『万万没想到』が「貼膜BOYSの歌」という架空のMVを制作している。こちらのYouTube動画を参照

というか、書き出すとキリがないのでこの辺りで。誰か100%元ネタが分かる人、教えて~。