SNH48 in 江蘇衛星テレビ『蓋世英雄』 テレサ・テン『月亮代表我的心』Remix Ver

SNH48が韓国のPSYやiKON、台湾の大物俳優・王力宏(ワン・リーホン)と共演しても何の不思議もなくなっちゃったのね、的な、江蘇衛星テレビのEDM(エレクトリック・ダンス・ミュージック)をテーマとしたバラエティー新番組『蓋世英雄』。

SNH48の選抜メンバーが韓国ソウルで特訓して望んだ、テレサ・テン(鄧麗君)の名曲『月亮代表我的心』Remix Versionの映像がこちら。

当初、番組名は四字熟語の「蓋世英雄(傑出した英雄)」の「英 ying」を「音 yin」に変えて「蓋世音雄」だったが、なぜかもともとの四字熟語そのままのタイトルにもどったようだ。

また、現地ファンの中には、いったいダンスで対戦しているのか、歌で対戦しているのか、番組の主旨がよく分からなくなっている、という意見もある。それもごもっとも。

そもそも韓国のiKONのように完成されたダンスユニットと、中国のゆる~いヒット曲『好想你』、このSNH48の大胆なリミックスのダンスパフォーマンスが、いったい何を対戦しているのか、たしかによく分からない。

そのせいで当初2016/06/12(日)初回放送が、大幅に編集しなおされて2016/06/19(日)に延期されたのは、中国政府の広電局の圧力なのか何なのかよく分からない。

そんなことはどうでもいいとして、SNH48のパフォーマンスを見守る、韓国のPSYの表情を見ていただければ分かるけれど、SNH48は明らかに韓国エンタメ業界とのつながりを深めることで、韓国経由からの、アジア全体という展開まで狙っているように見える。

韓国のエンタメは中国だけでなく、アジア全体に人気があり、総合的に見れば明らかに日本発のコンテンツよりも輸出競争力が強い。アジア全体のエンタメ業界を展望するのに、韓国エンタメ業界と手をつなぐことは欠かせない。

対して日本のAKB48フランチャイズ本部は、日本で国民的知名度を獲得しても、まだ日本国内の「日本的」アイドルであることにこだわっている。(たぶん秋元康の限界なんでしょう)

別にどちらが優れているということはないけれど、中国本拠のSNH48や北京BEJ48、広州GNZ48にとって、日本も韓国も、どちらも対等なパートナーであるように見える。

一方、どこまでも日本限定のAKB48本部は、10周年を迎えてもなお日本限定でありつづけている。カッコつき「親日国」インドネシアで大成功したJKT48とさえ、日本へ呼んで交流することもせず、あくまで日本は日本、海外は海外という国内外「断絶」スタイルのまま10周年を迎えている。