広州GNZ48チームNIII男装公演PR映像の中国語字幕と英語字幕の違いを全解説!

広州GNZ48のスタッフの企画力には毎回うならされるんだけれど、現地SNH48グループファンにもほとんど注目されないのが残念。

2016/10/15広州GNZ48チームNIII『僕の太陽』男装公演は、まずPR映像から見るべき。

広州GNZ48の公演PR映像は、映像制作スタッフが、英語字幕でどれだけ遊んでいるかが見どころで、中国語と英語が分かると、おもしろすぎて涙がでるほど笑える。

(ちょっとスタッフの頭が良すぎて普通の人にはついてこれないのかもしれない)

↓こちらがPR映像。カット割りの出来が良すぎるのだが、ここは英語字幕に注目。

いきなり「请坐(座って下さい)」が「Lay down」。違うよ!というツッコミどころ。

もちろんこれはAKB48『Lay Down』のことで、SNH48グループでは上海SNH48チームNII『僕の太陽』がいちばん最初だが、広州GNZ48チームNIIIも今上演している。

以下、登場メンバーが実際に話している中国語字幕と、英語字幕の違いで爆笑してみる。

また、広州なので標準中国語だけでなく広東語もあり、わけが分からなくなっている点も見どころ。

まず広州GNZ48の生活センター(宿舎)がある建物から。

我有个重大的消息要宣布
重大なニュースを発表する

Be aware that for pure comic relief…
これはただの緊張を和らげるための面白い場面だから…

我把你们所有的公演服装都卖掉了
お前らの公演衣装を全部売り払った

I’ve sold all your costumes to the GLs
お前らの衣装を全部ヲタに売り払った
(「GL」は上海語でヲタを軽蔑して呼ぶ言葉の頭文字。セリフでは誰に売り払ったか言っていないが、英語字幕ではヲタとはっきり書いてある)

怎么可以这个样子
なんでそんなことをするんですか?

For the record…can I know the final selling price of mine?
実際に私の衣装の落札価格はいくらだったか教えてもらえますか?

静一静 我亲爱的小姨子们
静かに!可愛いメンバーたち

Wrong focus! My dear dreaming girls…
注目するところが違うんだよ!可愛いメンバーたち

你以为我们所有的钱都是河里捡来的吗?
俺らの金は全部 川の中から拾って来たとでも思ってるのか?

You really think all our money comed from the Seine River?
本当に俺らの金は全部 SNH48から来たととでも思ってるのか?
(Seine River、つまりセーヌ川は中国語で「塞纳河 Sai Na He」でSNH48のニックネームとして現地ファンや運営がよく使う隠語。つまり広州GNZ48の経営資金が本当に上海SNH48から来ているとでも思ってるのか?独立採算でやってることは分かってるだろ、というシビアな現実をさりげなく英語字幕で書いている)

工作那么长时间了
あんなに長時間労働したんだから

No costumes, no shows. No shows, no salaries.
衣装がなければ公演はない。公演がなければ給料もない。

也是时候给自己放个假了
休暇をとる時期だよね

We can really have a LONG VACATION this time…
私たち今回は本当に長い休暇を取れるね…
(LONG VACATIONが大文字なのは、木村拓哉『ロンバケ』で中国語でいう「暴露年龄系列」つまりスタッフの年齢暴露シリーズで、かつ、クビにするという意味)

放假?你开玩笑吧?
休暇?冗談でしょ?

You mean…leaving here?
それって…クビっていう意味ですか?
(やっぱりクビの意味だった(笑))

我们都多久没放过假了
私たちみんなずっと休暇をとってませんよ

Where am I supposed to watch football matches?
どこでサッカーの試合を見てると思ってるんですか?
(中国には野球がないのでスポーツ観戦は女子も基本的にサッカー。多少の休暇じゃサッカーの試合を見て回るのに時間が足りないという意味?)

去哪里玩呀?
どこに遊びに行こうかしら?

Anywhere but Chimelong~
長隆遊園地以外ならどこでもいいわ~
(長隆遊園地はGNZ48の自主制作バラエティー番組『GNZone』のロケ地によく使っているので、メンバーとしてはもうウンザリだという意味)

公演服装卖掉的钱 已经偿还了3.5个亿的债务
公演衣装を売り払った金は もう3.5億の借金返済に使ったんだ

my 350 million cliche one more time
3.5億っていう決まり文句をもう一度使わせてもらう
(GNZ48が3.5億人民元の負債をかかえているという定番ネタ)

哪里还有钱去玩呀
これからやっていくお金はどこにあるんですか?

99% of you don’t know which language I am saying
見てる人の99%は私が何語をしゃべってるか分からないでしょ
(本当に分からない(笑))

公演的服装卖掉的钱 不仅能还清债务 还够我们去玩好几天的了
公演衣装を売り払った金は 債務返済だけじゃなくて まだ何日か楽しめるのに足りるぞ
(ここでは男装公演の経費に使えるという意味)

I will have enough money. At least we can actually enjoy ourselves Without filming GNZones while tripping.
金は十分あるから。旅行中に『GNZone』の撮影さえなければ、私たちの遊びに使えるよ。
(メンバーとしては自主制作バラエティー『GNZone』の撮影はもうウンザリというネタ、二度目)

哈?真的吗?天呐
えっ?本当?すごい

Eeeee? Hon Do? 48 Ra Shi I~
えええ?本当?48らしい~
(ついに英語字幕に日本語が出てきた(笑))

我花钱买了一个魔法阵
そのお金で一つ魔法陣を買ったの
(この「魔法陣」はアニメ『カードキャプターさくら』の魔法陣のこと。このPR映像の続きを見ると分かる)

Allow me to introduce a new setting to our story
このストーリーに新しい設定を入れさせて
(これは脚本を書いたスタッフからのメッセージ)

我们这个世界不只有我们这个位面 听说还有好多其他的平行世界
この世界には私たちがいる次元だけはなく たくさんの平行世界があるらしいわ

That we have many parallel universes beyong this one. For example…this English subtitles below…
この世界以外に平行世界がたくさんあるの。例えば…この英語字幕…
(ついに英語字幕が自分自身にツッコミをいれた)

(此处应有掌声)
(ここで拍手)

(paipaishou paipaishou paipaishou)
(パイパイショウ パイパイショウ パイパイショウ)
(北京BEJ48のオリジナルシングル『元気覚醒』のサビの歌詞「拍拍手 拍拍手 拍拍手」がピンイン表記で登場。しばらく後でもう一度この字幕が出てくる)

ここで広州GNZ48星夢劇院のある広州市中泰国際広場に移動。

好像没有人耶
どうやら誰もいないみたいよ

You look so dumb in the last shot.
今のショット、あなたバカみたいだったよ
(直前のミッフィー(劉力菲)のクローズアップの顔がバカみたいだとツッコミを入れている。PR映像のストーリーとは全く無関係のツッコミ)

那还等什么
じゃあ行こうか

That is called daimeng, okey?
あれを「ボケ萌え」っていうの、分かった?
(わざとバカみたいなふりをして可愛い子ぶってるの、とツッコミに返している。これもストーリーとは全く無関係の対話)

筆者は知らなかったが、ここで舞台にメンバーが登場するシーンのBGMは『ポケモン』のBGMらしい。細かいツッコミどころ。

开启魔镜的咒语是 封印解除
魔法の鏡を開く呪文は「封印解除!!」

I am not Card Captor Sakura. But release anyway~
私はカードキャプターさくらじゃないけど、とりあえず解除~
(ここで『カードキャプターさくら』ネタが回収されて、中国語も「封印解除」と木之本桜のキメ台詞が登場)

准备咯 走吧!

Sei No~ Ik Kou!
せ~の~ 行こう!
(英語字幕が日本語になっている)

最後の「我的太阳の异位面」は『僕の太陽』公演の異次元世界の意味。平行世界があって、そこへ時空移動するという中二病的な設定は『カードキャプターさくら』はじめ、日本のアニメでよくある設定。

これを受けて今回の男装公演のサブタイトルには「时空穿越(時空を超越する)」と付いている。

PR映像から公演タイトルまでが、ちゃんとつながっていて、しかも「我的太阳の异位面(一)」の最後の「(一)」とあるように、まだ続きがあるということ。

広州GNZ48スタッフの、こういうストーリー面の演出の「同人」的な凝り方は普通のレベルじゃなくて、死ぬほど笑えるのだが、それに付いて来れている人が、現地ファンもふくめてどれくらいいるか(笑)。

今回の男装公演そのもののツッコミどころについては、また別の記事で。